谷ゆうじ 議会活動の軌跡〜8つの視点〜
家具等の転倒防止対策について
質 問
 本年度秋の火災予防運動期間において、市民を対象にした防災意識調査が実施され、対象となった6,637世帯のうち3,619世帯から回答があった。調査項目のうち、家具の転倒防止については、対策を講じている世帯が約41%と低い結果であり、私自身も大津市消防団の一員として調査に参加したが、壁や天井の仕上げ材、家具の形状等が要因となって対策が講じ切れていないという声が聞かれた。

 岐阜県恵那市においては、社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会、消防団など多くの団体、一般市民などの理解と協力を得て、協働による家具転倒防止器具の取りつけがなされてきた。平成18年度には市内の民生委員及び各自治会の協力のもと、65歳以上のひとり暮らしの高齢者及び重度の障害者、70歳以上の高齢者世帯に対し、取りつけ希望の有無について聞き取り調査を実施され、続く平成19年度には恵那市家具転倒防止実行委員会のメンバー及びボランティアスタッフが中心となって、471世帯に家具転倒防止器具を設置された。現在も市内の団体、自治会等で取り組む高齢者等への家具転倒防止事業には、必要な器具の無料配布をなされており、災害に強い安心・安全なまちづくりの実現に努めておられる。

 大津市においては、家具の転倒による被害を最小限に抑えるため、65歳以上のひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯を対象に、家具の転倒防止器具を無料で設置する事業を平成22年度から実施されてきた。国の緊急雇用特別推進事業費補助金を活用した事業で、事業初年度においては137世帯の木製家具に転倒防止器具が設置され、今年度においては431世帯の申し込みがあった。事業は本年度で終了する予定であるが、大津市消防局は防災意識調査の結果を受け、家具の転倒防止対策については、家庭でできる地震対策の最重要項目であり、自宅から安全かつ迅速に避難することは、大地震発生から生死を分けるターニングポイントとなり、まずは家具の転倒防止対策をしてもらうことが自宅における災害対策の第一歩であるとの見解を示されている。

 大津市は今後、市民との協働によるさらなる推進策を検討すべきであり、例えば壁や天井の仕上げ材に応じた補強器具の種類、また家具の形状に適した効果的な設置方法について学んでいただき、修了書の交付をもって家具転倒防止診断員に就任いただく制度を創設されてはどうか。診断員の皆さんには、地域において家具転倒防止対策の重要性を啓発いただき、設置を検討されている方への助言や手助けをいただければ、自助、共助、公助の連携により対策率も向上するものと考える。補強に必要となる器具の費用負担については、福祉的な観点から、行政で負担すべき場合もあると考えるが、今回の防災意識調査の結果を踏まえ、大津市は今後どういった取り組みによって家具の転倒防止器具の設置率を向上させていただくつもりであるのか、見解を問う。

 次に、大津市が保有するすべての施設における家具類等の設置状況について問う。平成23年9月定例会、私は大津市が保有する施設については、地震発生時における施設利用者などの安全を図る観点から、消防法の適用を受けない防火対象物についても、家具類等の設置状況についての調査を行い、必要な措置を講じるべきと質問した。これに対して大津市は、庁内で組織する危機防災連絡調整会議を通じて実態調査を行い、必要な措置を計画的に進めていくと答弁され、その後危機管理監からすべての部局長に対して現況調査の依頼がなされた。14項目から成るチェックリストにより調査を求めるもので、実施できている項目が11から14であった場合にはA、8から10であった場合にはB、4から7であった場合にはC、ゼロから3であった場合にはDという判定基準を設けられた。調査の結果、教育施設等を含めた庁内84、庁外222の所属のうち、Aが226、Bが70、Cが10、Dがゼロという結果であり、調査結果がB及びCであった所属については、改めて改善報告の依頼がなされている。市民との協働により家具等の転倒防止対策に取り組んでいくのであれば、大津市が保有する建物については率先して取り組んでいく必要があるが、不備のあった項目について改善は図られたのか。

答弁:総務部長

 家具等の転倒防止対策における市民との協働による推進策についてであるが、家具等の転倒防止については、人命を守る重要な対策であることから、これまで自主防災リーダー研修会において、転倒防止器具の積極的に取り組みを進められている愛知県のかぐてんぼう隊から講師を招き、共助の取り組みの事例を学ぶなど啓発に努めてまいったところである。しかしながら、先の防災意識調査の結果では、議員お述べのとおり、転倒防止対策については、今なお広く普及しているとは言いがたい状況にあると判断している。このことから、まずは家具転倒防止対策をはじめとする地域防災力向上の技能を有する防災士の計画的な養成に取り組んでまいりたいと考えている。これに加えて、ボランティアの皆さんや技能養成に係る建築士会など、専門家の支援を得るとともに、啓発においては、自治会や自主防災会、民生委員児童委員等の支援も得ながら、家具転倒防止対策が推進できるよう、庁内関係部局とも連携し取り組んでまいりたい、またその手法を具体的に検討してまいりたいというように考えている。

 続いて、市が保有する施設における家具類等の設置状況について。全庁的にオフィス家具等の転倒、落下防止に関する実態調査を先頃行った結果、その結果については、先ほど議員がお述べになった結果である。改善の必要がある所属については、対応の上報告するよう求めたところであり、すべての所属から報告があり、うち95%の所属において改善報告がなされたものである。今なお未改善の4所属については、引き続き指導を徹底してまいりたいというように考えている。また、意識啓発の一つとして、議員の指摘をきっかけとして、家具転倒防止の啓発ビデオを庁内ネットワークにより配信し、職員への意識啓発にも努めているところである。今後も定期的に実態調査を行い、職員の家具転倒防止に対する安全意識の高揚にさらに努めてまいりたいというように考えている。