谷ゆうじ 議会活動の軌跡〜8つの視点〜
ケアセンターおおつの民営化が市民病院の地方独立行政法人移行に与える影響について
質 問
 1点目、ケアセンターおおつの事業を民間に承継できる可能性について。
 大津市は当初、介護老人保健施設ケアセンターおおつの民営化を医療法人などに建物を譲渡する形で実現する予定でしたが、高度地区の斜線制限や日影規制によって違法建築物になることが明らかになったことから、希望する現職員の受け入れを前提として民間事業者を別敷地に誘致する方針へと転換を図られました。定款案における業務の範囲には、介護老人保健施設における介護サービスを提供することが明記されていますが、建築基準法違反を回避することだけを目的とした暫定的な対応であると説明を受けております。民間事業者による事業承継には、新たな用地の確保と施設整備が必要となるため、介護サービス業務の廃止については、平成30年4月以降になると見込まれています。

 しかしながら、都市計画法に基づく開発行為をはじめ、申請手続の要否や認可に必要となる期間については、立地条件の決定に伴って精査が可能となるものであり、市街化調整区域においては、協力病院が近隣に所在していなければ立地が認められないことからも、大津市が敷地を提供するか否かについては早期に決定されるべきと考えます。
 医療法人や社会福祉法人を対象に行われた市場調査の結果を踏まえ、大津市はケアセンターおおつの事業を民間に承継できる可能性をどのように評価されるに至ったのか。提供できる市有地の有無を含め、具体的な条件についても答弁を求めます。

 2点目、大津市民病院への財政的支援について。
 平成27年5月にまとめられたケアセンターおおつのあり方に関する検討報告書には、大津市が開設する市民病院に隣接しているが、あくまで地理的関係だけであり、地方公営企業という性格上、独立採算がとられており、経営面において一体化を図ることはできないと記されています。現状のままでは全く収益の得られない収支構造であることが民営化を目指す要因となっていることからも、大津市民病院がケアセンターおおつの運営を担うに当たっては、事業収益に対する給与比率の改善が経営課題となってきますが、当面の間大津市はどういった方針のもとで財政的支援を行っていく考えなのか、見解を伺います。

 3点目、移行時に必要となる繰出金について。
 大津市民病院が仮算定を行った平成28年度予定貸借対照表によりますと、土地の簿価と引き継ぐ土地の評価額とに38億4,400万円の差が生じるため、1,800万円の債務超過が発生することになります。評価額につきましては、平成26年9月にまとめられた大津市民病院のあり方に関する提言書の作成時に算定された価格であり、不動産鑑定士の鑑定価格をもって修正されることになりますが、一時借入金の解消に必要となる4億6,900万円を加えると4億8,700万円が必要になると仮算定されています。ケアセンターおおつについては、当該施設を民間に譲渡する方針であったことから、平成26年度の時点において固定資産として計上する敷地部分を対象に評価額の算定が行われておらず、債務超過額を仮算定するには至っていませんが、法人設立時における運転資金と合わせ、大津市は大津市民病院が地方独立行政法人に移行するために必要となる繰出金をどのように見込み、その財源をいかにして確保されようとしているのか伺います。

 4点目、施設整備に与える影響について。
 管理棟とむつみ寮2棟については、平成28年度からを計画期間とする大津市既存建築物耐震改修促進計画案において、平成32年度までに耐震上の課題を解消することが目標に掲げられています。むつみ寮については、建物本体を除却する方針が既に決定しており、開設されている院内保育所の移転整備が急務となっていますが、平成27年8月通常会議における大津市からの答弁は、経営改善等の課題もある中で総合的に検討していくといった内容であり、子どもの安全を最優先で確保されようとする姿勢が残念ながら感じられませんでした。管理棟については、ケアセンターおおつが開設されている建物への移転を検討されていると認識していますが、院内保育所においては、大津市の責任において早急に整備されるべきと考えます。病児保育の充実を図ることも視野に入れながら、積極的な姿勢で取り組むべきと考え、本市の見解を伺います。

答弁:市長
 まずはじめに、大津市はケアセンターおおつ事業を民間に承継できる可能性をどのように評価するに至ったかについてでありますが、調査業務受託者が11事業者に調査を行った結果、主なものとして、まず開設の条件については、市からの補助金を求めるとの回答が10事業者からありました。また、開設場所については、市有地提供を希望するとの回答が8事業者ある一方で、自己所有地があるが4事業者、用地を探す予定であるが2事業者あり、その希望地域はほぼ中部ブロック以南でありました。こうした調査結果を踏まえた本市の評価として、事業者が希望する中部ブロック以南に現時点では本市の提供できる用地が限られていることから、事業者において用地を確保いただく必要性が高いものの、相応の補助金を交付すれば民間事業者による開設は可能であると考えています。

 次に、2点目のケアセンターおおつの収支構造から生じる経営課題を踏まえた財政的支援の方針についてであります。  本市といたしましては、収益性の低下や不採算の拡大など、この事業が抱える経営上の課題を重要視しており、事業主体を地方独立行政法人に移行した後も、評価委員会における審議の状況を踏まえながら、まずは適切な業務改善や事業内容の見直しを促してまいります。その上で、事業継続に当たり、適切な運営支援を行ってまいります。

 次に、3点目の地方独立行政法人への移行に合わせ、必要となる繰出金の見込みとその財源の確保についてであります。
 病院事業会計の平成28年度予定貸借対照表による地方独立行政法人への移行を見据えた経理上の課題の存在について認識しているところであり、現在病院事業用地として保有している土地の再評価額の精緻化を進めていることに加え、さまざまな経営改善の取り組みを講じながら収益性の向上に努めているところであります。しかしながら、現在進めている取り組みを尽くしても、経理上存在する全ての課題の解消が困難である場合、平成29年度の地方独立行政法人発足に際して必要となる追加支援について適切な対応を検討していく考えであります。
 また、法人移行後における毎年度の負担経費については、現在進められている業務改善や有識者からの意見や助言を踏まえた今後の病院経営の最適化などにより、収支改善効果を生み出し、抑制を含めた適正化を促していく考えであります。

答弁:市民病院長
 むつみ寮内にあります院内保育所の整備についてでありますが、むつみ寮は、議員お述べのとおり、大津市既存建築物耐震改修促進計画において耐震上の課題を解消する必要がある建物であり、利用している子どもの安全を確保するため、また医療スタッフが安心して働くことができる環境整備や医療スタッフ確保の観点からも喫緊の課題であると考えております。
 院内保育所の整備については、ケアセンターおおつの事業継承時期が現時点では明確でないものの、ケアセンター施設の活用を視野に入れ、院内のスペースを利用した整備も含めて検討してまいります。

再 問
 1点目、ケアセンターおおつの事業を民間に承継できる可能性について。補助金を出されれば、事業者のほうに用地を取得いただいて何とか実現できるのではないかというご答弁でした。先ほどの立地適正化の話じゃないですけども、これはどこに設けていただいてもいいというものでもないですし、質問の中でも申し上げましたが、市外化調整区域等におきますとやはり制約が出てくるわけでございます。ましてや、当然土地には価格というものがあるわけでして、大津市としてこれだけ準備できますよと言ったものが、事業者が用意しようとしている土地と見合っていなければ、残念ながら実現には至らない可能性も含まれているわけでございます。そもそも、何故中部ブロック以南に限定されているのかということも含めてもう少し詳しくお聞かせをいただきたいと思います。

 次、3点目、繰出金についてです。私、聞きましたのは、不確定要素がある中ではありますけれども、必要となる繰り出し金をどのように見込まれて、その財源をどのように確保していかれるんですかということを、定款を提出されましたので、お伺いをしています。お答えをいただいておりませんので、お答えをください。

 次、4点目、施設整備に与える影響についてです。ケアセンターの現施設が民間事業者の施設整備によってサービスが承継された場合に建物があいてくるので、そういったことも展望、視野に入れながら検討していくということでした。本当にそれでいいのですか。
 私、以前も申し上げ、今回の質問でも申し上げましたけれども、子どもの安全を最優先で確保されようとする姿勢が今回も感じられないんですよ。ましてや、ケアセンターおおつに代わる民間の施設が他の場所に開設をいただかなければ、現在の施設はこれからもケアセンターとしてサービスを提供され続けるわけですよね。
 しかも、説明申し上げましたが、耐震改修の計画、大津市既存建築物耐震改修促進計画の改定においては、むつみ寮は平成32年までに改修、すなわち解体をされるということを明確にされようとしているわけじゃないですか。もともとの施設整備計画でいきますと、別の建物を立てられるという計画だったと思うんですよ。それで予算要求も過去にされていますし、そういう方針できてたんですよ。それが、ケアセンターがひょっとしたらあきそうだから、管理棟とあわせて院内保育所までもうそこで一緒にやっていこうって。違うんじゃないですかね、大津市の姿勢として。
 改めて、本当にそういう姿勢でいいのかどうかを含めて、これは市長に見解を求めたいと思います。

答弁:市長
 むつみ寮についてでございます。こちらは、むつみ寮について、院長からご答弁しましたけれども、そのような姿勢でいいのかというご質問でした。こちらについては、むつみ寮の耐震性の課題については認識をしておりますし、議員お述べのとおり、子どもの安全というのが第一であると考えております。これまで、ケアセンターおおつについて、当初外に出るということもありましたので、それを利用するのがいいのではないかという考えもありましたけれども、現在ケアセンターおおつについて、いつ民営化をして外に出るということが明確ではありません。
 ですので、その点も踏まえてもう一度こちらについてはしっかりと子どもの安全を確保するための院内保育の手法について検討してまいりたいというふうに考えております。

答弁:副市長
 ケアセンターおおつのマーケットサウンディングの中で、補助金につきましてどうかということにつきまして、ご答弁申し上げます。マーケットサウンディングの中では、基本的にどのような補助といいますか支援をというようなことを聞きますと、大体皆さん、特養で私ども補助をしておりますけども、ああいったようなものをお願いしたいというようなことを聞いておるところでございます。
 それから、中部ブロック以南というふうに限ったのは、逆にマーケットサウンディングの中で11事業者さんにお話を伺ったんですけれども、その方たちにどういったところで開設を希望しますかと言いましたところ、ほとんどが中部ブロック以南のところでの開設を希望しておりますというようなお話でございました。ただ、場合によっては、例えば、市が何かこういうことで求めるんであれば、例えばここの用地でやってくださいということであれば協議には応じると言いますか、検討はしますというようなことは伺っておりますけれども、基本的には希望を聞いたところ、そういうことであったと、中部ブロック以南の希望が多かったということでございます。

答弁:総務部長
 市民病院、ケアセンターへの繰出金について、再度のご質問にお答えしたいと思います。 見込みとどうして出すのかという2点だったと思います。まず、見込みの額の確定の前に今回、市民病院とケアセンターにつきましては独立行政法人に移行することになりまして、両事業とも法人の事業として位置づけをさせていただいているところでございます。そういうことでございますので、ケアセンターの事業も病院事業も同時に、また同様に法人事業として移行するにあわせて、やっていくということでございます。

 支援内容につきましては、基本的に法に規定が出ておりますけれども、第6条の財産的基礎を有し得る法人となるべきということで、そういった考え方に立っているところでございますが、見込額の具体化につきましては、これも法で定めております中期目標の中で、例えばサービス業務の質の向上、運営の改善、効率化、財務改善を中期目標に定めることになっております。
 こういった、現在、病院事業、それとケアセンターおおつの抱えている課題をどれだけ、どういった形で圧縮するのか中期目標の中で明らかにした上でどれだけの支援が必要かというところも確定していきたいというふうに考えております。形としては出資であったり、負担金という形で出資することになると思いますけれども、額の規模に応じて財源についてもその中で検討してまいりたいというふうに考えております。

再再問
 市長のほうから、院内保育所についてはもう一度検討いただけるということでしたが、財政支援、要は大津市が主体となって設置いただける可能性も含めてなのか答弁を求めます。

 次に繰出金についてですが、この議会に定款を提出されているのですよ。中期目標ですか、その時にまた精査されるとおっしゃていますが、それはないんじゃないんですかね。やはり一定の目途なりを示していただかないと、極論、財源ないのに独法化を目指すのという話にもなりますので、もう少しお答えいただけませんでしょうか。

答弁:市長
 まず、1点目の院内保育について、大津市が主体となって設置をするのかというご質問であります。こちらについては、病院の独法化も控えておりますことから、それも見据えた対応が望ましいのではないかと考えております。いずれにしても、ケアセンターおおつのことが、今次期が分からないという状況ですので、もう一度再検討をしたいと思っております。

答弁:総務部長
 現時点での考え方で申し上げさせていただきますと、独立行政法人につきましては、先ほど申し上げた第6条の規定があるわけでございます。その解説を読ませていただきますと、まずは債務超過であってはならん、これは企業活動をするうえで当然でございまして、スタートからその形はダメなわけでございますので、そこはしっかりと整理は当然するというところでございます。

 現在、病院においては、毎年約19から20億円の繰り入れをしているところでございます。ケアセンターにおきましては、平成26年度は約2億円、それと今年度は、今回補正で上げさせていただいていますが、それにさらに資金が不足する見込みの部分を足して補正をお願いしているような状況でございます。そういった繰り入れを今させていただいているところが、独立行政法人化後は基準の中には繰り入れが大半になってくるかと思うのですけれども、それについては基準でございますので、現在で言いますと繰り入れ、独法化後になりますと負担金の支出という形で出資することになるかなと思います。
 それ以外には債務超過を解消した上で、あとどういった形で法人化後に経営されていくのか、そこのところについては、先ほど申し上げているようなところで、中期目標の中でしっかりと形を表していただいてどういった形でどういった財政的支援が希望で必要なのか、そこはしっかりと話し合っていきたいというふうに考えております。

再々再問
  地方独立行政法人への移行を目指されていますが、いずれにしても大津市として主体的に責任を持って、院内保育所の整備に関わっていっていただけると理解してよろしいでしょうか。改めて見解を伺います。

答弁:市長
 まず、当然ですね、地方独立行政法人に移行する前は大津市として責任を持って関わることだと思っています。また、独立行政法人に移行した後も、それはしっかりと協議をしていきたいと思っております。