谷ゆうじ 議会活動の軌跡〜8つの視点〜
医療事務等関連業務の適正化に向けた取り組みについて
質 問
 1点目、医療事務等関連業務における契約のあり方について。
 大津市は、長年にわたって同一事業者と随意契約によって契約を締結してきたが、どういう手続を経て事業者の決定に至っているのか。現在の事業者と契約に至った当初から現在に至るまでの選定経過を問う。また、大津市民病院入札等指名業者選定委員会要領によると、工事に係るものを除く、設計額300万円以上の委託契約の指名競争入札または見積もり照合の参加人の選択に係る事務を把握するとあるが、本業務においては、委員会でどのような議論がなされてきたのか、見解を問う。次に、契約日当日に受託者との間で疑義が生じ、委託金額が協議書によって変更された医療事務等関連業務の契約について問う。平成18年4月1日、大津市長は平成19年3月31日までを委託期間とした契約書を受託者と締結した。しかし、同日の4月1日、契約に疑義が生じたとして契約時間外、休日出勤する場合に発生する費用を委託者に支払う協議書が締結された。委託契約書における委託料は、契約時間外、休日出勤をあらかじめ見込んだ額であり、協議書にはその分を減額した上で基本月額が記されたが、年間通じて支払われた金額は減額分を超えるものであり、委託契約は当時の助役の決裁で締結されたが、協議書は決裁区分が明記されないまま、当時の医事課長の決裁で締結された。委託額に変更が生じるのであれば、変更契約書を締結すべきであったと考えるが、なぜ契約日と同日に疑義が生じ、協議書を締結するに至ったのか、見解を問う。 

 2点目、時間外手当の算定根拠について問う。総合案内における再来受付機の操作案内業務については、毎朝7時半から8時半までの間、別の業務に従事する委託職員が交代で勤務し、これに必要となる時間外手当が契約書に基づき支払われている。しかし、業務仕様書において、この業務時間は8時からと定められており、本来、受託者に支払われるべき時間外手当の対象時間は朝7半から8時までの30分間になると考える。受託者は、仕様書に基づいて各業務に必要となる人工を算出し、見積書で提示された金額で大津市は受託業者と契約していることから、再来受付機の操作案内業務における8時から8時半までの時間外手当は過払いに当たると考えるが、本市の見解を問う。また、業務仕様書において、初診カルテの受付申込時間は8時からとなっているが、受付業務の業務時間は8時半からとなっている。また、中央処置室における受付対応は8時20分からとなっているが、業務時間は8時半からとなっている。一体、大津市は何を基準に時間外と認め支払いを行っているのか。ちなみに平成21年度において医師事務補助業務を含めた医療事務等関連業務全体において支払われた時間外手当は1,000万円を超えている。仕様書を抜本的に見直し、契約のあり方そのものを見直す必要があると考え、見解を問う。

 3点目、医療事務等関連業務のうち、指揮命令権がないまま行われていた医師事務補助業務について問う。平成20年度の診療報酬改定によって、医師事務作業補助体制加算が新たに設けられた。地域の急性期医療を担う保険医療機関において、病院勤務医の負担軽減及び処遇の改善に対する体制を確保することを目的とした加算で、医師、医療関係職員、事務職員等との間での業務の役割分担を推進し、医師の事務作業を補助する専従者を配置している体制を評価するものである。平成22年3月5日に厚生労働省保険局医療課長から発出された通知によると、医師事務作業補助者の業務内容は、医師の指示のもとに診断書などの文書作成補助、診療記録への代行入力、医療の質の向上に資する事務作業並びに行政上の業務への対応に限定するものであり、医師以外の職種の指示のもとに行う業務については業務としないことになっている。大津市民病院においては、組織的に医師事務作業補助を行うことを原則とすることで、当該事務を委託事務職員に担わせることができると判断し、平成21年5月に医師事務作業の補助を業務内容とした委託契約を初めて締結した。平成22年度においても同趣旨の契約を2度締結し、その都度、加算の取得には派遣に切り替える必要があると起案書に記されてきた。これは施設基準において派遣職員を含め、雇用形態は問わないが、指揮命令権が当該保健医療機関にない請負方式による職員の配置が認められていないからであり、大津市民病院は医師事務補助業務を委託した当初からこのことを認識していた。業務管理は別契約である医療事務等関連業務における管理担当者が行うことになっており、随意契約における理由の中にも事務調整が必要不可欠であると記されている。労働省告知第37号労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準において、具体的判断基準にもなっているが、請負による医療事務受託業務の場合、受託業務事業者が病院等の管理者または病院職員等から、その都度、業務の遂行方法に関する指示を受けることがないよう、受託するすべての業務について業務内容やその量、遂行手順、実施日時、就業場所、業務遂行に当たっての連絡体制、トラブル発生時の対応方法等の事項について書面を作成し、管理責任者が受託業務従事者に対し具体的に指示を行うことになっている。これまでの間、大津市民病院は指揮命令権を有しないままに、いかにして医師からの指示を業務従事者に伝え、業務仕様書に定められた医師事務補助業務を行ってきたのか。また、同一業務に継続して派遣労働者を受け入れることができる期間は3年が限度となっているが、今後、大津市民病院はどのような体制で医師事務補助作業の体制強化を図っていくのか、見解を問う。

 最後4点目、業務改善に向けたさらなる取り組みについて問う。受託者は、当該月に係る業務を完了したとき、書面により委託者に報告することが契約書で定められ、あわせて職員の業務従事状況、業務上での問題点、課題事項、教育の状況を報告することが業務仕様書で定められている。委託者は報告を受けたときは、速やかに当該月に係る委託業務完了の検査を行うことになっているが、大津市民病院は、どういう形でこの報告を受け、どういう体制のもと、どういう基準で検査を実施しているのか、別契約となっている医師事務補助業務とあわせて見解を問う。また、検査での指摘事項は、その後の円滑かつ効果的な業務の遂行に生かされるべきと考える。業務仕様書によると、業務上での問題点、課題事項については、内容の検討を行い、問題点についての実施の検分を行い、改善策を検討した上で報告することになっているが、診療報酬明細書の返戻をより削減するなど、具体的な成果を達成するためには課題の共有と改善に向けた明確な方針が必要になってくる。今後、大津市民病院は、どういう形でこれに取り組んでいくつもりなのか、見解を問う。
答弁:市民病院長
 医療事務等関連業務における契約のあり方について。その選定過程については、平成14年度に5社の参加のもと、プロポーザル方式による業者選定を行い、平成14年10月に現事業者と契約をしている。それ以降、現事業者が市民病院の業務に精通、熟知していることから、現在に至るまで、これまで随意契約にて継続している。

 当該委託に関わる大津市民病院入札等指名業者選定委員会での議論について。当委員会については、開催されていないが、当委員会の委員に決裁を持ち回り、説明を行い、決定したものである。

 平成18年4月1日付で締結した協議書の件について。本来は基本月額と契約時間外等の費用で契約すべきところ、年額で契約されている。このため、月々の支払いが困難になることから、別途協議書を締結して対応したものである。その対応としては、変更契約書を締約すべきであったと考えている。なお、平成19年度からは基本月額と契約時間外等の費用で契約している。

 時間外手当の算定根拠について。総合案内業務の仕様書では、8時から15時までの間、1階総合案内で1名、2階総合案内で1名、計2名で行うこととしている。一方、7時半から8時半までの1時間は、早朝より来院される初診、再診の患者様が集中し、混乱を防ぐために総合案内の人員では対応できないことから、これとは別途に2名を追加配置しているものである。したがって、8時から8時半までの30分間は、計4名の配置となり、指摘の30分間は過払いには当たらないものである。業務時間の開始は、外来を開始する8時半からである。業務開始前の受付対応については、スムーズな診察を行う上での事前準備として委託業者に対応してもらっている。今後、当該仕様書については、開始時間の取り扱いも含め、見直す必要があると考えている。医師事務作業補助体制加算は、医師の負担軽減、医療の質の向上を目的として平成20年度診療報酬改定時より始まった加算である。本院においては、当加算の取得に向け、組織的な推進体制を鋭意準備施行中である。院長直轄組織として、診療局長を室長とする医師事務補助推進室を設け、さらには医師事務補助作業の役割を評価するために副医院長を委員長とする役割分担推進委員会を本年度から設けている。現に作動しているところである。医師事務補助推進室には、医師事務作業補助体制加算研修を既に修了した職員2名を配置し、その職員の指導のもとに本日まで過渡的措置として委託による準備作業を進めてきたものである。また、当加算申請に必要な要件である情報セキュリティーポリシーの策定についても、今月完了し、近く本加算を取得する予定である。今後とも、本加算は病院経営にとって重要な柱として位置づけしており、業務従事者の増員等の体制強化を図っていきたいと考えている。なお、派遣職員については、今後の診療報酬改定を見極めた上で大津市民病院が雇用する方針である。

 業務改善に向けた、さらなる取り組みについて。従事者の配置状況や各部署で発生した問題、課題事項等については、医師事務補助業務も同様に、本来、受託者から提出される1週間単位の報告書で所属長が確認すべきところ、不十分であった点については否めない。日常業務での課題事項等は、受託者の統括責任者が、その都度、当該所属長と協議し、解決を図るとともに、原則月1回開催される定例会で課題を共有し、意思の疎通を図っている。今後は、特に診療報酬明細書の返戻の削減など、円滑に業務を行うためにも受託者と病院がともに克服すべき課題を共有し、病院として課題解決に取り組んでいく所存である。
再 問
 1点目、この業務の契約においては、大津市民病院入札等指名業者選定委員会にかかっていなかったということであるが、本来かけるべきであったのかどうかという認識について確認したい。

 2点目、大津市民病院は、何を基準に残業代を受託者に対して支払っているのか。金額については、契約書に書かれているが、どういう場合において、どういう残業を払うということが明確に契約書及び仕様書にはなかったと思うが、何を基準に残業代を払っているのか、確認したい。

 3点目、医師事務作業補助について、今の答弁であると、研修を受けた大津市民病院の職員の指示に基づいて医師事務作業補助を行っていたという認識でよいか。
答弁:市民病院長
 大津市民病院入札等指名業者選定委員会の議論について。これは、平成16年の2月に発足されているので、その時点では既にこの委託業者と締結していたということであり、その後、定期的なチェックがされずに、そのまま継続されて現在に至っているということである。これが事実である。

 2点目の時間外の算定について。私もチェックしたところによると、この医療事務等関連業務の業務仕様書の中に書いてある項目と、受付業務、一方では早朝から行う受付のさらなる7時半からの業務については、ばらばらに記載されているということがある。したがって、今後は仕様書の一本化、あるいは業務仕様書の中に細則として盛り込んでいく、そういうことを含めて、仕様書を含めた契約のあり方そのものを見直していく必要があると考えている。

 3点目の2名の医師事務補助体制の研修を修了した者は、もともとは病院の別の部署、すなわち診療情報管理室にいた、患者さんの個人の情報等に関してセキュリティーポリシー上も非常に有用な2人である。この2人を既に配置した、その傘下のもとに今回の委託業者の中からの5名を追加している。したがって、医師事務補助体制を、まず実地の場所で指導する2名が既に職員としていたということである。

再々問
 今現在は、人材派遣で契約しているので、指揮命令権を有していると思うが、その当時は、大津市民病院の側に労働に関係する法律を鑑みたときに、あくまでも業務受託者の管理者からの指示に基づいてしかそういう仕事ができなかったと思うが、その点、どういう認識でいるのか。

答弁:市民病院長
 医師事務補助体制は、今現在、準備段階中で、加算は取っていないわけである。したがって、本院としては、近々に加算を取る準備の中で、まず体制固めの中で委託業者から5名に入ってもらい、そこで準備をしてもらっている。それをもうすぐ取れるというところまで来たので、本年の11月1日付で、委託から派遣に替えているというところである。