谷ゆうじ 議会活動の軌跡〜8つの視点〜
大津市国土利用計画と同都市計画マスタープランを推進するための条例制定について
質 問
 大津市国土利用計画基本構想のもと、土地利用に関して必要な事項を定めた第4次大津市国土利用計画においては、市域を自然的地域、都市的地域、湖岸地域、歴史的地域の四つに区分し、適正かつ合理的、総合的な土地利用を進めるための基本方針を定めている。このうち都市的地域においては、各基本計画に基づく総合的できめ細かい土地利用の促進を共通施策の一つとし、都市計画マスタープランの推進を図るとしているが、これを実現するためには、市民、事業者、行政の三者が担うべき役割をいま一度明確にし、大津市における土地利用の基本的な事項を定めた条例を策定することが効果的であると考える。本市の見解を問う。

 現在、大津市においては、土地利用に関するさまざまな条例、要綱等が存在しているが、体系的に整備されていないのが現状である。例えば、大津市生活環境の保全と増進に関する条例施行規則において、大規模建設等事業を対象に求めている事前配慮事項は、大津市環境基本条例第9条に基づき、平成11年3月に策定された大津市環境配慮指針によるものであり、景観行政団体となった今も、都市景観課だけでなく、快適な環境保全の観点から環境政策課も関係課となっている。また、本市における無秩序な都市化を防止し、都市としての機能発展を促進するため、土地利用に関する総合調整を行い、適正な土地利用の実現を図ることを目的に設置された大津市土地利用問題対策協議会は、条例でなく規程により設置されている。副市長が会長を務めるこの協議会の庶務は政策調整部企画調整課において処理されており、付議事項については、土地利用の総合企画に係る調整に関する事項、土地利用の総合調整に関する事項、重要な開発事業等に係る指導方針または実施方針に係る事項、市長の特命事項、その他会長が必要と認める事項となっている。なお、このうち法令、大津市国土利用計画、大津湖南都市計画等により、概ね適当と認められる場合については、協議会に報告することをもって付議にかえることができ、平成21年度においては付議事項8件、報告事項7件という開催結果であった。当該年度における資料のすべてを精査したが、協議されている内容は、まちづくりや地域環境に大きな影響を与えるものばかりであった。協議会が今日まで果たしてきた役割は評価するものの、より効果的に大津市国土利用計画及び同都市計画マスタープランを推進するのであれば、土地利用の基本的な事項を定めた条例の中で協議会が果たす役割を明確に位置づけ、その上で土地利用関係法令の確認や適正な土地利用の誘導を図るべきだと考えるが、本市の見解を問う。

 平成19年9月定例会において、「本市が掲げる理念になじまない土地利用が増加すると予測されるが、住民参加や土地利用調整などを柱とする条例がない中、どのような策を持ってこの問題に取り組んでいくのか」、大津市土地利用問題協議会の位置づけとあわせて見解を問うた。その際の答弁は、「住民参加や土地利用調整に係る取り組みについては、現行制度の地区計画をはじめ、建築協定や緑地協定、さらには古都大津の風格ある景観をつくる基本計画に基づき、地域住民の皆様に参加いただき、合意形成を図りながらルールづくりに取り組んでいる。土地利用問題協議会においては、公共事業をはじめ、民間の開発などに際し、無秩序な都市化を防止し、都市機能の発展を促進するため、特に重要と判断されている開発行為などについて、市としての土地利用の総合的な調整と判断を行っている。今後とも、だれもが住みたい、また住み続けたくなるようなまちづくりを目指し、適正な土地利用が図られるよう努めていく」という趣旨のものであった。

 保全と創造で時を結ぶ新近江八景ルールの提案が、市街地の高度利用のあり方検討委員会からなされ、さらなる高度地区の拡充が図られようとしているが、今後、適正な土地利用が市民参加のもとでより一層図られるよう、どのように努めていかれるつもりなのか。本市における土地利用の現状に対する評価を踏まえ、見解を問う。
答弁:都市計画部長
  三者が担う役割を明確にする土地利用の基本的な事項を定めた条例の策定について。本市都市計画マスタープランにおいては、市民、事業者、行政の対話による協働のまちづくりとして三者の役割を定めており、今日までその方針に基づき、都市計画道路網の見直しや市街地の高度利用のあり方検討など、都市計画の案の作成段階から市民の皆様の意見を反映するとともに、適切な情報公開に努めてきたところである。三者が担うべき役割を定めた条例を制定することについては、現在、本市全体の協働のあり方を検討しているところであり、三者が担う役割については、この検討結果に基づき、施策展開をしていきたいと考えている。

 土地利用の現状に対する評価を踏まえ、適正な土地利用が図られるよう、どのように努めていくのかについて。本市における土地利用の現状については、都市計画法上の土地利用のもととなる用途地域は、都市計画マスタープランやその上位計画である国土利用計画に基づいて定め、法に基づく都市計画基準や運用指針にも合致しており、社会経済情勢の変化や市民ニーズにも対応して、臨機応変に見直しをしている。また、建築物の高さの最高限度を定める高度地区は、昭和48年より住居系用途地域に指定しており、本年度に商業系、工業系用途地域についても指定を検討しているところである。さらに住民自らの発意による地区単位のルールを定める地区計画の決定や、建築協定等の締結についても、大規模な開発地はもとより、松原四丁目地区などの既成市街地においても定めている。景観協定についても、本堅田地区において締結されるなど、適正な土地利用の誘導がなされていると認識しているが、今後も都市計画マスタープランに掲げた景観や中心市街地活性化などの問題解決のために努力をしていく。

 市民参加の一層の推進については、三者が担うべき役割と同様に施策展開をしていきたいと考えている。なお、土地利用に関するさまざまな条例、要綱等が存在しており、体系的に整備されていないという指摘については、市民の皆様にわかりやすく理解していただくことが重要であるので、条例や要綱の整備や見直しに向けた調査を進めていきたいと考えている。
答弁:政策調整部長
 大津市土地利用問題対策協議会の果たす役割について。大津市土地利用問題対策協議会は、平成元年に特に無秩序な開発を防止するため要綱に基づき設置され、同9年、規程に変更し、現在に至っている。この間に大津市の土地利用に関する総合調整が図られてきたと考えている。同協議会の運営要領においては、土地利用の総合企画に係る調整、土地利用の総合調整及び重要な開発事業等に係る指導方針または実施方針等の内容を定め、大津市国土利用計画、大津市都市計画マスタープラン等との整合を図る中で、土地利用についての適否を判断し、本市の適正な土地利用を目指すものであり、その設置趣旨に基づいて一定の役割を果たしてきたと考えている。こうした大津市土地利用問題対策協議会が担ってきた役割の位置づけについては、今後、本市の土地利用に係る条例や要綱等の整備に向けての調査等が進められる過程の中において課題の一つと考えており、一点に捉えていきたいと考えている。
再 問
 両部長からは、一定、調査や研究を始めていただけるという答弁であったと理解しているが、1点再度、都市計画部長に問う。

 先ほど平成19年9月定例会における大津市の答弁を引用した。三者が担う役割については、現在、協働における推進をどのようにして図っていくかという条例が検討されているので、それを踏まえてまた考えていくということであったが、大津市都市計画マスタープランにおいても、市民参加のまちづくりの方針というものがしっかりと定められている。平成19年の大津市の答弁をどのように理解、また踏まえられて今のような答弁をされたのか。具体的に、現在、協働の推進の条例の検討をされているが、都市計画マスタ―プランの中で、三者の役割は一定明記されている。この調整を図っていく上において、先ほどの答弁が生かされるのではないかと考えているので、見解を問う。
答弁:都市計画部長
 都市計画マスタープランの中に、まちづくりにおいて市民協働で行っていくということを明らかに明記しているし、現実的にはまちづくりをする場合に、市民の皆さんと一緒にやっていかないとまちづくりはできないので、これまでからその市民協働の精神は十分我々は達成していると思っている。

 しかし、条例の体系化という関連で言えば、条例というもので言えば、これは例えば将来的にまちづくりに関する条例を条例化していこうとするならば、同時に自治の基本となる条例である、例えば男女共同参画や情報公開やパブリックコメントや、あるいはその他の様々な行政手続や、そういう条例などとの整合は必ず必要になってくると思っている。その場合にやはり市民協働の理念や精神というものは尊重しながら、条例の体系化の中に生かしていかなければならないだろう。そういう意味で、私は今回検討しておられる市民協働のあり方のルールのその結果を踏まえて考えていきたいと、このように申し上げたつもりでいる。