暮らしと営みを支える

コロナ禍と物価高騰の影響を受ける市民・事業者への支援拡充

 新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の位置づけが令和5年5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行することになります。医療体制や医療費の公費支援のあり方が見直されることとなり、「アフターコロナ」という言葉を聞く機会も増えてきましたが、今も多くの市民や事業者がコロナ禍に伴う影響を受けておられます。
 物価が高騰する最中において、新型コロナウイルス感染症により売り上げが減った企業に実質無利子・無担保で融資された「ゼロゼロ融資」に対する元金の返済が始まろうとしています。金融機関による借り換え等の支援も行われていますが、事業の継続が困難となり、倒産・廃業される事例が増えてくるのではないかと危惧するものです。
 コロナ禍と物価の高騰は社会福祉事業の運営にも多大な影響を与えています。介護事業所においては、感染拡大期におけるサービスの利用控えと慢性的な人材不足が相まって、大変厳しい経営環境となっています。また、家庭環境などに起因して、安心して過ごすことのできる居場所を必要とする子どもたちへの支援を行う事業所においても、活動資金の確保が課題となっておられます。 国・県・関係機関と連携を図りながら、コロナ禍と物価高騰の影響を受けられる市民・事業者への支援が拡充されるよう、取り組んでまいります。

小規模事業者に対するICT・デジタル技術を活用した業務改善・効率化への支援充実

 新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、多くの小規模事業者が事業存続の危機に直面されました。また、仕入れ価格の高騰など、厳しい経営環境は今も続いています。コロナ禍による新しい生活様式のもと、オンライン会議や非接触型のキャッシュレス決済が普及をし、ICT・デジタル技術の可能性を実感できるようになったものの、これまでの間、小規模事業者の皆様から「何をどう進めていいのかわからない」「より具体的なアドバイス・支援はどこで受けられるのか」といった趣旨のご意見やご要望をいただいてきました。
 デジタル・トランスフォーメーションを略した「DX」という言葉が広がりをみせています。トランスフォーメーションには、変革・変化という意味があり、「DX」とは、ICT・デジタル技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念です。令和5年度、大津市においても事業者のデジタル化を支援するため、セミナーの開催を支援するための予算が措置されましたが、デジタル化のレベルに応じた切れ目のない支援が必要になると考えます。
 人手不足、事業拡大、働き方改革、事業継承など、小規模事業者の皆様が直面される経営課題は多岐に渡られると認識しています。私自身も経営者であるものの、デジタル機器やキャッシュレス決済は不慣れであり、自らの実感を込めて公約とさせていただきました。ICT・デジタル技術を活用した業務改善・効率化の成果を実感いただけるよう、取り組んでまいります。


子どもの健やかな成長

社会全体で取り組む児童虐待防止対策のさらなる強化

 令和5年4月1日、こども家庭庁の発足にあわせて「こども基本法」が施行されました。子どもを権利の主体として位置づけ、その権利を保障するための総合的な法律であり、今後、国及び地方公共団体は子どもや若者から直接意見を聴く仕組みや場づくりに継続して取り組むことになります。全ての子どもには、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切な養育を受け、健やかな成長や発達、自立が図られることなどを保障される権利がありますが、令和3年度、全国の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は207,660 件で過去最多を記録しました。同年度、大津市における児童虐待相談件数1,278件であり、身体的虐待488件、性的虐待21件、心理的虐待378件、ネグレクト391件と公表されています。
 大津市は「大津市子ども・若者支援計画(第2期大津市子ども・子育て支援事業計画)」において、虐待から子ども・若者を守る環境づくりを基本目標とし、①子どもの権利擁護②児童虐待の発生予防、早期発見③児童虐待発生時の迅速・的確な対応④社会的養護施策の推進を基本施策として掲げています。子どもの健やかな成長に影響を及ぼす児童虐待の防止は、社会全体で取り組むべき重要な課題です。令和6年度までを計画期間とする現計画に掲げられた基本施策の推進に資する指摘と提言を行うとともに、次期計画の策定にあたって、子どもや若者の意見が聴取・反映され、児童虐待防止対策のさらなる強化が図られるよう、取り組んでまいります。


公立保育園における保育・療育体制の充実

 令和2年3月、前市長のもとで検討が進められた大津市立保育園の民営化方針は白紙に戻されました。しかしながら、その影響は現在も公立保育園おける保育士の体制に影響を及ぼしています。大津市は令和4年度に19名、令和3年度に14名を正規職員として採用したが、令和2年度においては公立保育園としての存続が不確定な状況の中で募集が行われており、募集人数は若干名、採用された人数は1名でした。また、大津市立保育園の入所率は平成30年度から令和3年度にかけて減少傾向をたどり、令和4年4月1日時点における大津市立保育園の入所率は70.7%でした。4年前の同時期に比べて17.9%減少しています。
 必要とされる保育体制が整わないと、たとえ、定員に空きがあり、入所を希望する園児・保護者がおられたとしても受け入れることが困難となります。公立保育園は、保育を必要とする乳幼児一人ひとりの命と権利を守るセーフティネットとしての役割を担っており、大津市は「集団の中で共に育ちあい、一人ひとりの発達を保障する保育」の推進を目指しています。公立保育園において、保育・療育体制のさらなる充実が図られるよう、取り組んでまいります。


大地震に備える

災害対策の拠点となる本庁舎の防災力向上

 大津市役所本館・別館については、各階で構造耐震指標が目標値であるIs値0.9を大幅に下回っています。平成16年度に実施された耐震診断によってこの事実が判明してから既に18年以上が経過をしました。現在、庁内組織である大津市庁舎整備推進本部のもと、庁舎と公園の一体整備、新館の活用検討、明日都浜大津の活用を検討する3つのワーキングチームが設置されています。令和5年度新年度予算において、庁舎整備検討における詳細調査支援業務委託に要する経費が計上されているものの、検討にあたっての前提条件が庁舎整備推進本部において明確にされないと各ワーキングチームは効果的に機能しないと考えます。 特に庁舎と公園の一体整備については、関係法令上、原則、できないと定められています。代替地の確保をはじめ、都市公園としての機能を維持・担保するための方策について議論し、市民理解が得られるのか、また、都市計画の観点から問題ないのかなど、特例的な対応の是非や妥当性について、同時並行的に検討を深めていく必要があります。
 これは、私の実感ですが、庁舎整備基本構想において、優先して検討を行う候補地として皇子山総合運動公園(敷地の一部)、新しい視点で検討を行う候補地として、大津駅・県庁周辺が位置付けられましたが、そもそも、当該候補地に庁舎を整備できるか、できないのか、今もって確たる見込みを大津市は持てていないと評価するものです。庁舎整備基本構想の実現性を高めるためには、まずもって、庁舎整備推進本部とワーキングチームとの連携を効果的に図る必要があります。また、新しい視点で検討を行う候補地とされた、大津駅・県庁周辺での庁舎整備については、現時点において、ワーキングチームにおける検討の対象に含まれていません。市議会に対しては、令和5年度上半期中にそれぞれの候補地における可能性をまとめるとするスケジュールが示されていますが、不確定要素があまりにも多く、先行きは極めて不透明であると危惧するものです。大地震発生時に災害対応拠点となる庁舎の耐震性を確保することは、本市にとって喫緊の課題であると認識しています。災害対策の拠点となる本庁舎の防災力向上が図られるよう、一級建築士としての知識と経験を活かしながら取り組んでまいります。

避難所の早期開設に向けた被災建築物応急危険度判定士の事前配備

 私はこれまでの間、大規模地震発生時に指定避難所を速やかに開設できるよう、事前割当方式により、被災建築物応急危険度判定士(以下、同判定士)を学区単位で配備されることを提言してきました。大地震発生時、小中学校体育館を避難所として開設するにあたり、まずもって、施設管理者または避難所担当員を務められる市職員が安全確認を行い、判断がつかなかった場合においては、災害対策本部の意思決定のもと、建設部建築課からの依頼に基づき、同判定士が派遣されることになります。事前に定められた各支所において、支所長(初動支所班長)から応急危険度判定の依頼を受けていただければ、より迅速な避難所開設が可能となります。
 しかしながら、建築士会に所属する同判定士の登録者数は指定避難所の数に見合っておらず、避難所担当員研修や総合防災訓練への参加者数についても、ごく限られた人数となっています。大規模地震発生時においては、電話回線の混雑が想定され、また、建築課が執務をされる本館棟は庁舎として必要な耐震性能を有しておらず、機能空間が確保されない恐れもあります。同判定士の派遣依頼が訓練のとおり円滑に行えるものなのか、また、建築士会の側においても、混乱する状況の中、要請のあった避難所に人員を速やかに派遣することができるのか、危惧するものです。
 令和3年6月通常会議において、大津市からは、避難所施設に応急危険度判定士を事前に割り当てておくことは、人数の確保などの課題はあるものの、早期の避難所開設及び迅速な市民の皆様の避難に有効であると考えられることから、建築士会と相談していくとの方針が示されています。これを受けて、令和4年2月通常会議においては、指定避難所施設を対象とした応急危険度判定に協力いただける同判定士の登録制度を大津市として独自に創設することを提言しました。応急危険度判定士については、滋賀県知事が認定書を発行されており、大津市は名簿を保有していません。まずは、市内に在住または在勤されている建築士に対して、滋賀県が主催される研修への受講を働きかけ、同判定士の増員を図るところから開始する必要があります。
 指定避難所施設に見合うだけの同判定士に登録いただくには相当の年数を要すると見込まれます。しかしながら、認定を更新いただく上での動機づけとなるよう、滋賀県とも連携を図りながら、大津市が避難所開設にあたって抱える課題を情報発信していくことで、地域の防災対応力の強化に寄与する制度になるものと考えます。避難所の早期開設に向けた被災建築物応急危険度判定士の事前配備の実現に向け、引き続き取り組んでまいります。

健康寿命の延伸

コロナ禍での外出自粛による高齢者の体力・免疫力低下(健康二次被害)の改善

 外出自粛が長引いたことによる「コロナフレイル」が社会問題となっています。コロナフレイルとは、新型コロナウイルス感染症予防のために、生活不活発(動かない状態)になった結果、体力や気力が低下して、一気に老化が進むことであり、健康寿命に大きな影響を及ぼすことになります。フレイルには可逆性という特性があり、自分の状態と向き合い、予防に取り組むことでその進行を緩やかにし、健康に過ごせていた状態に戻すことができます。運動機能向上、低栄養予防、口腔機能向上、認知機能低下予防、社会参加を図ることなどが重要であり、大津市においては、高齢者の健康づくりの拠点施設として、老人福祉センターの機能を充実させる方針が示されています。大津市が実施する健康寿命の延伸を目的とした事業が高齢者のニーズに見合ったものとなるよう、また、より効果の高いものとなるよう、取り組んでまいります。

良好な景観の保全と創造

草津市と共有するびわこ東海道景観基本計画を活用した良好な景観の保全と創造

 

 大津市と草津市による広域景観連携は平成22年4月に両市職員によって組織された「大津草津景観連絡会議」の設置がきっかけとなって始まりました。平成25年11月には両市市長による「びわこ大津草津景観宣言」の調印とあわせて「びわこ大津草津景観推進協議会」が設置され、平成28年4月には両市議会の議決を経て、地方自治法に基づく法定協議会への移行が実現しました。また、平成29年5月には、両市市長によって東海道統一案内看板ロゴマークに係る商標登録に関する協定書が締結されました。平成30年11月には、びわこ大津草津景観推進協議会・東海道統一案内看板専門部会によって、同看板設置の手引きがまとめられ、現在、滋賀県内全ての宿場町に普及しています。
 平成29年7月、広域景観連携の実績を踏まえ、草津市議会との連携推進が議長マニフェストに位置づけられたことから、取り組みを進めるための組織として「大津市議会・草津市議会連携推進会議」の設置を議長に提案。同年11月、両市議会を代表して座長に就任しました。景観基本計画の策定には景観協議会の設立が不可欠となりますが、景観法運用指針は異なる景観行政団体が共同して単一の景観協議会を組織することを想定していませんでした。国土交通省に対して見直しを求めるともに、両市議会議長から大臣宛の要望書が提出される際には、大津市議会・草津市議会連携推進会議の座長として、その必要性をあらためて申し述べました。(平成30年4月、景観法運用指針が改正)
 令和元年5月、びわこ東海道景観協議会が新たに設立されました。地方自治法に基づく協議会と景観法に基づく協議会の併設は全国初の取り組みとなります。びわこ大津草津景観推進協議会から示された基本方針を踏まえ、景観基本計画策定に向けた検討が行われ、令和3年3月、両市で開催された公聴会を経て、びわこ東海道景観基本計画が策定されました。(連携項目:魅力ある対岸景観の形成、東海道沿道のつながりある景観形成、屋外広告物による景観形成)
 令和4年度においては、近江大橋を挟んで両市を結ぶ県道18号及び東海道における屋外広告物の色彩基準(案)ならびに自家用広告物の大きさ・高さの基準について検討が行われました。両市とも屋外広告物条例にて景観誘導を行っており、これまでの景観誘導を継続しながら、両市共通の新ルールを上乗せして設定する方向で議論が進められています。実行性を持ったルールとなるよう、両市条例の規定を踏まえ、取り組んでまいります。また、令和5年は「びわこ大津草津景観宣言」が両市市長によって調印され、びわこ大津草津景観推進協議会が設立されてから10年という節目の年となります。びわこ東海道景観基本計画に定めだれた連携項目のもと、草津市とより一層連携が深められるよう、取り組んでまいります。  

行政サービスの向上

大津市LINE公式アカウントのさらなる機能充実

 大津市は令和元年8月にLINE公式アカウントを開設して以降、令和2年6月には水道・ガス開閉栓、令和3年4月には大型ゴミの収集をLINEでの手続きによって申し込むことが可能となりました。トーク方式での申請手続きは大変分かりやすく、市民の利便性向上、行政事務のさらなる効率化に資する取り組みでると評価するものです。
 国は令和3年4月に地方公共団体がLINEのサービスを利用する際に適切と考えられる利用方法をまとめたガイドラインを提示しました。政府機関や地方自治体等における業務でのLINEサービスに関する調査結果を踏まえて作成されており、公式アカウントを活用する場合に確認すべき事項等が記されています。LINE上における行政手続きにおいて、マイナンバーカードを利用した本人確認が可能となっていることを踏まえ、大津市においても当該ガイドラインを遵守し、情報セキュリティ対策の徹底を図りながら、「持ち運べる市役所」の実現を加速させるべきと考えます。行政サービスのさらなる向上が図られるよう、LINE公式アカウントのさらなる機能充実に向けて取り組んでまいります。

行政手続きのオンライン化(電子申請)促進

 現在、国においてはデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づき、令和7年度までに地方公共団体の業務システムの標準化・共通化を図ることを目指しています。利便性向上に資する手続については、マイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を可能にするとともに、それ以外の各種行政手続についても、地方公共団体におけるオンライン利用促進指針を踏まえ、積極的にオンライン化を進めていく必要があります。大津市は令和4年度に策定した庁舎整備基本構想において、自治体DXの推進を掲げています。次期大津市デジタルイノベーション戦略のもと、行政手続きのさらなるオンライン化によって、市民・事業者の利便性向上、また、本市における業務の効率化がより一層図られるよう、取り組んでまいります。

共生社会の実現

バリアフリー基本構想における重点整備地区の拡充

 平成23年度、大津市は令和2年度までの10年間を計画期間とする大津市バリアフリー基本構想を策定しました。JR大津駅・京阪浜大津駅周辺地区及びJR膳所駅・京阪膳所駅周辺地区を重点地区に定め、バリアフリー化の推進を図ってきましたが、計画終期における地区全体の整備率は62%であり、さらなる整備を推進するため、令和6年度まで計画の延伸が図られることになりました。
 大津市においては、大津市障害者差別解消支援地域協議会の構成団体参加のもとで公共施設のバリアフリーチェックが実施されています。参加者から様々な指摘や合理的配慮に向けた提言がなされるなど、私自身も滋賀県建築士会所属の一級建築士として参加するなかで、バリアフリーを推進する必要性と重要性を実感してきました。次期大津市バリアフリー基本構想においては、ターミナル駅でもあるJR・京阪大津京駅周辺及び同石山駅周辺エリア等についても重点整備地区に位置付け、計画的かつ効果的にバリアフリーの推進が図られるよう、取り組んでまいります。

地域の暮らしを支える公共交通の維持・充実

 令和4年12月、山中比叡平地域を運行する京阪バス大津比叡平線、京都比叡平線において、路線の再編成、ダイヤの改正が行われました。京阪バス株式会社(以下、京阪バス)からは、このまま収支状況が改善されなければ、当該地域の輸送を廃止せざるを得ないとの見解が示されています。令和5年度、大津市は大津比叡平線を対象として、補助金算定の際の基準となる標準単価の地域区分を見直しました。今後、児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画となるよう、京阪バスと協議が進められることになります。
 また、京都比叡平線に対しては、国及び関係自治体からの補助金を新たに確保するため、目標とする令和6年度を見据えながら、京都市、滋賀県、また、京都運輸局、関係機関と協議が進められています。路線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤの改正が実現するよう、取り組んでまいります。

まちの活性化

スポーツ施設が集積する皇子が丘公園・皇子山総合運動公園の魅力向上

皇子が丘公園

 皇子が丘公園は昭和36年に大蔵省から無償譲与を受けて開設された総合公園であり、体育館やプール、グラウンドなどが整備されています。年間を通じて多くの市民が利用されており、大津市は緑の基本計画において、市民などのレクリエーション活動や健康増進、利用促進に努めるため、皇子が丘公園などのあり方を検討するほか、スポーツの利用やユニバーサルデザインへの対応を促進するとしています。
 しかしながら、平成30年に同計画が策定されて以降、具体的な検討は行われておらず、令和2年度、同公園を対象として公園施設長寿命化計画が策定されたものの、プール棟においては、必要な耐震性能を有していない建物が今もって存在しています。また、大津市は緑の基本計画において、誰もが安心して利用できる、ユニバーサルデザインに配慮した遊具の設置を求める市民の意見を紹介しながらも、設置されるに至っていません。
 大津市はスポーツ推進計画において、スポーツを楽しむ環境の充実を基本方針に掲げ、身近なスポーツ施設の充実を施策としています。下記に記す皇子山総合運動公園の今後のあり方検討を踏まえ、市民が楽しく運動・スポーツができる環境が整えられるよう、また、ユニバーサルデザインにより配慮された公園となるよう、取り組んでまいります。

皇子山総合運動公園

 大津市は令和4年度に策定された庁舎整備基本構想において、皇子山総合運動公園を優先して検討を行う候補地と位置付けました。国体記念広場、多目的グラウンド、テニスコートが位置するエリアが敷地として想定されています。庁舎整備に係る市民アンケートが実施されて以降、スポーツを愛好される市民の皆様から、公園の機能に及ぼす影響などについて、ご質問やご意見を数多くいただきました。大津市が代替地として想定する、臨時駐車場(隣接旧国有地)等でどの程度の公園面積を確保することができるのか。また、皇子山総合運動公園との一体性を考慮した上で、損なわれる機能を担保することができるのか。このことは、庁舎整備用地として活用できる公園の面積や建物規模にも大きな影響を及ぼす要因となります。
 皇子山総合運動公園は大津市を代表する運動公園であり、陸上競技場や野球場などが整備されています。現庁舎本館・別館は必要とする耐震性能を有しておらず、災害対応拠点となる庁舎の整備は喫緊の課題であるものの、皇子山総合運動公園をどの様な方針のもとで再整備し、魅力あるものとしていくかが示されないと、市民理解は得られないと考えます。近接する皇子が丘公園と皇子山総合運動公園とが相乗効果を発揮しながら魅力を向上させることができるよう、取り組んでまいります。

県市・官民連携で取り組む大津港・なぎさ公園周辺の賑わい創出

 令和3年度から4年度にかけて、大津市はびわ湖浜大津駅周辺市有施設の利活用検討に係る調査を実施しました。大津市民会館 ・大津公民館 ・旧大津公会堂 ・スカイプラザ浜大津 ・大津市立図書館において、施設利用者を対象としたアンケートが実施され、利活用及び整備のあり方について、下記5項目が示されました。実現にあたっては、滋賀県ならびに民間事業者との効果的な連携が不可欠であり、ビジョンを明確にして共有する必要があります。

今後の方向性(検討の際に考慮する点)
令和4年度 総務常任委員会配布資料より転載


(興行適性の活用)

大津の文化拠点エリア、交流結節の有利性を生かす


(周遊性の向上)

購買・飲食施設のスポット配置や市有施設との複合化を図る


(駐車場不足への対応)

駐車、エリア内移動の経路・手段の最適化を図る


(機能配置の最適化)

エリア内のホール機能、会議室機能を整理・再編する


(施設間の連携)

(仮称)新・琵琶湖文化館、大津湖岸なぎさ公園、大津港などとの相乗効果を高める


 大津市は令和2年度、大津湖岸なぎさ公園及びその周辺の魅力とにぎわい創出を目的として、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトを立ち上げました。現在、大津港周辺においては、令和9年度の開館に向けて、県立琵琶湖文化館後継施設の整備が進められており、令和5年度においては、琵琶湖疏水船延伸便実証運行、また、修景緑地を活用して、賑わいを創出するための実証実験が予定されています。滋賀県ならびに民間事業者との効果的な連携によって、大津港・なぎさ公園周辺の賑わいが創出されるよう、取り組んでまいります。