登壇

12月5日、下記5項目について、質疑・一般質問を行いました。答弁内容については後日、あらためて公開させていただきます。(*12月8日、答弁内容を追記しました。読んでいただきやすいよう、一部、要約しています。正式な議事録ではございませんので、あらかじめご承知おきを願います。)
 
  

 

〇内部統制の構築とさらなる推進に向けた取り組みについて
 

大津市においては事務処理の誤りが相次いで発生しています。障害福祉サービス受給者証発送時の誤送付、小学校新1年生の学校給食費4月分の徴収誤り、国民健康保険高額療養費の算定誤りによる過大支給、介護保険料の賦課更正に係る遡及期間の誤り、物価高騰対策緊急支援給付金における誤送付など。これらはすべて、大津市議会が今年度になって報告を受けた不適切な事務処理事案です。それぞれの所管課において、再発防止策に取り組まれていると承知をしておりますが、不適切な事務処理は市民の信頼を損ねる行為です。
 
令和37月、大津市長は不祥事や事務処理の誤りが相次いだことを受け、大津市役所の仕事力「非常事態」宣言と題したメッセージを職員の皆さんに発出されました。同月に開催されたコンプライアンス推進会議において、大津市の仕事力は非常事態というべき深刻な状況だとの主旨で発言されたと認識していますが、今もってその状況に変わりはないと評価するものです。形骸化した仕組みや取り組みについては適宜、検証を重ねながら見直していく必要があります。内部統制の実効性と有効性を高めることはもとより、市民に対する説明責任を果たすことが重要と考え、以下、指摘・提言とあわせて質問を行います。
 
1
点目、コンプライアンスチェックシートの活用実態について。大津市では平成244月に「大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例」が施行され、当該条例を具現化していく基本的な取組として、平成253月に「大津市コンプライアンス推進指針」を策定しました。職員等の職務の執行に係る基本姿勢の堅持と社会環境の変革に対応する行政組織の醸成が柱として掲げられており、それぞれ、取り組むべき具体的方策が定められています。当該指針には、「コンプライアンスチェックシート」が添付されています。日常における振り返りでの活用を想定されているようですが、行動指針に基づくチェック項目に評価基準が見合っていないものが多分に含まれていると考えます。
 
現時点において、コンプライアンスチェックシートは会計年度任用職員を含む全ての職員を対象とし、大津市における内部統制の構築と推進に資するものとして、効果的に活用されているのでしょうか。取り組みが形骸化しているのであれば、あり方そのものを見直すべきと指摘するものです。コンプライアンスチェックシートの活用実態に対する評価と見直しの必要性について、見解を求めます。
 
リンク:大津市ホームページ 大津市コンプライアンス推進指針【PDF】
 
2
点目、事務処理ミス等の定期的な公表と大津市内部統制の構築に関する指針の見直しについて。平成263月、大津市は職員及び所属が内部統制の必要性を認識し、着実に取り組むことで、市民から信頼される大津市役所の実現を目指すことを目的として、「大津市内部統制の構築に関する指針」を策定しました。リスク管理に重点的に取り組むことで、内部統制の構築を推進していくことが示されており、着眼点として、所属におけるリスクはどのようなものがあるのか、洗い出すためには、過去の事例、他都市の事例や日常の職務を通じて気付くこと、感性が大事であり、誰にでもわかるリスクではなく、特に潜在化したリスクをいかに発見できるかがポイントであると明記されています。
 
このことを踏まえ、内部統制の構築とさらなる推進を図る観点から、本市で発生した事務処理ミス等の状況について、定期的に一覧にして本市ホームページで公表することを提言します。令和5年度から公表を開始された兵庫県川西市においては、職員の事務処理ミスなどの事案について、適切に対応・公表することにより、市の説明責任を果たし、市民の市に対する信頼を高めるため、原則、事務処理ミス等の対応状況を全て公表する方針を示されています。個人情報漏洩の有無や再発防止策についても明記されており、内部統制の推進に寄与するものと考えます。現在、県内外、多くの地方自治体において、同様の取り組みが行われています。大津市においても事務処理ミス等の再発防止、さらには発生の未然防止につなげることを目指し、事務処理ミス等の定期的な公表を継続して実施されることについて、見解を求めます。
 
リンク:川西市ホームページ 事務処理ミス等の対応状況の公表
 
また、大津市内部統制の構築に関する指針は平成263月に策定されて以降、令和34月に改定が行われましたが、コンプライアンス推進室から行政管理室への組織名変更に伴う修正に特化したものでした。策定されてから10年近くが経過しようとしていますが、これまでの取り組みで明らかになった課題や成果を踏まえ、見直しを図るべきと考えます。内部統制構築に関する当面の運用スケジュールについては、掲載されている取り組みの時期が平成26年当時のものであり、現時点で必要のない情報です。また、地方公共団体を取り巻くリスク一覧についても、内部統制を取り巻く環境の変化や大津市において過去に発生した事務処理誤りなどを踏まえ、掲載内容をあらためて精査すべきでないでしょうか。改定に向けた今後の取り組み方針について、見解を求めます。
 
リンク:大津市ホームページ 内部統制の構築に関する指針について
 

 
3
点目、地方自治法に基づく内部統制制度の導入に向けた取り組みについて。平成313月、総務省は地方自治法に基づく技術的助言として、内部統制制度を導入及び実施する際に参考となる基本的な枠組みや要点等を示した「地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドライン」を策定しました。内部統制基本方針を策定した市長は、内部統制の整備状況及び運用状況について評価を行い、内部統制評価報告書を作成し、監査委員の審査に付すことが求められます。また、監査委員の意見が付された内部統制評価報告書は議会に提出され、内部統制に関する方針と同様、広く住民に対して公表されることになります。
 
現在、同省には、「内部統制制度の運用上の課題に関する研究会」が設置されており、当該ガイドラインの見直しに向けて検討が進められています。令和24月には、地方公共団体等における適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を図る「地方自治法等の一部を改正する法律」が施行されました。内部統制制度の導入が義務付けられたのは、都道府県及び政令指定都市であるものの、大津市と同じ中核市でありながら、地方自治法第150条第2項に基づき内部統制基本方針を策定され、内部統制評価報告書を公表されている市が既に数多く存在します。
 
リンク:総務省ホームページ 内部統制制度の運用上の課題に関する研究会
 
令和410月、総務省自治行政局行政課は地方公共団体における内部統制制度に係る調査結果を公表しました。大津市は地方自治法に基づく内部統制制度について、「県や他都市の状況を注視しているが、本市独自の内部統制制度を設け運用しているため、自治法に基づく内部統制制度の導入について、具体的なスケジュールは立てていない」との見解を示されており、そのうえで、「大津市内部統制の構築に関する指針に基づき、所属においてリスク点検シートを作成し、日常的にリスク管理を行っている。リスク管理に関する評価は行っていないが、年に一度、他所属の職員がモニタリングを実施し、点検を行っている」と回答されています。
 
事務処理誤りが相次いで発生している現状に鑑み、地方自治法に基づき内部統制基本方針を策定し、内部統制評価報告書を作成する他の自治体の取り組みについて検証を行い、本市における内部統制制度のあり方について、あらためて方針を明確にされるべきと提言するものです。総務省からの照会に対して、県や他都市の状況を注視していると回答されていますが、現状に対して強い危機感を持ちながら、検討を加速させるべきと考えます。内部統制の構築とさらなる推進に向けた今後の取り組み方針について、見解を求めます。
 
答弁:総務部長
 

1点目のコンプライアンスチェックシートの活用実態についてですが、コンプライアンスチェックシートは、日常的な振り返りにおいて活用するほか、毎年7月に実施しているコンプライアンス推進月間において活用することとしていますが、効果的な取り組みに十分つながっていないと認識しているところです。このことから、コンプライアンスチェックシートに代わる効果的な取組の実施も含めて検討してまいります。
 
2点目の事務処理ミス等の定期的な公表と大津市内部統制の構築に関する指針の見直しについてのうち、1つ目の事務処理ミス等の定期的な公表についてですが、事務処理ミスが発生した場合は、「事務処理ミス等の報告及び公表に関する要領」に基づき報告及び公表するとともに、職員用ポータルサイトの掲示板において情報の共有を図っているところです。
 
2つ目の内部統制の構築に関する指針の改定に向けた今後の取組についてですが、内部統制の構築に関する指針については、PDCAサイクルによるリスク管理を構築することにより、適正な事務の執行及びリスク管理意識の向上に一定の効果があったものと考えておりますが、策定から10年近くが経過していることから、見直しについて検討してまいります。
 
3点目の地方自治法に基づく内部統制制度の導入に向けた取り組みについてですが、本市では、地方自治法に基づく内部統制制度が令和2年度に整備される以前の平成26年度から、内部統制の構築に関する指針に基づく独自の内部統制制度を構築し、運用しております。当面は、運用の改善を図りつつ本市独自の内部統制制度により、実効性のある内部統制制度の構築を推進してまいります。
 
再質問
 

1点目、コンプライアンスチェックシートの活用実態に関してです。効果的に取り組めていなかったと振り返られ、そのあり方を検討していかれるとのことでした。新たなチェックシートを策定いただいて、同じように形骸化してしまっては意味がないと考えます。どのようなことに留意され、検討していかれるつもりなのか、あらためて答弁求めます。
 
2点目、事務処理ミス等の定期的な公表と大津市内部統制の構築に関する指針の見直しについてです。事務処理ミス等が発生した場合の対応要領に基づき、しかるべき手続きなりを取られているといった趣旨の答弁でした。職員用のポータルサイトで共用されているということでしたが、より分かりやすい形で市民と共有することが重要であると考えております。この点を踏まえて改めて答弁を求めます。
 
この細目、もう1点。指針が策定されてから10年近く経過しているので、一定見直しを検討していくといった趣旨の答弁でした。具体的にどういった点に留意をし、検討を行っていかれるつもりなのか、もう少し詳しく答弁を求めます。
 
最後、3点目、地方自治法に基づく内部統制制度の導入に向けた取り組みについてです。当面は現在の大津市独自の制度に基づき運用、改善を図っていかれるという趣旨で答弁いただいたと思うのですが、スケジュール感を持って取り組んでいただくべきと私は考え、指摘をさせていただきました。大津市が抱く危機意識を明確にしていただく上においても、私はこの点、重要かと考え、あらためて質問させていただきます。
 
答弁:総務部長
 
まず1点目、コンプライアンスチェックシートに関して、検討する上での留意点ということであったかと思います。現時点で具体的な内容は決まっていませんが、コンプライアンスチェックシートを作成するということが目的ではないというふうに考えてます。あくまでも、職員のコンプライアンスの意識を向上させて、市のコンプライアンスの体制を推進していくところ、そういったことが重要であると考えますので、そのことを念頭に、内容や活用方法を検討していきたい、そのように考えております。
 
2点目、事務処理ミスの公表、市民との共有ということでございました。これについても、先ほどの答弁とかぶる部分もあるかと思いますが、公表すること自体が目的ではないと思っています。大事なのは、再発防止こそが目的であると考えていますので、そのためには、まずは職員間の情報共有をしっかりとすることが重要であるというふうに考えますので、その方法については、改善を図っていきたいというふうに考えております。

 

3点目、指針の見直しの留意点ということでございます。谷議員からのご質問にあったように、平成26年度の当時のスケジュールが掲載されたままであったり、また、リスク一覧につきましても、国の研究会の報告書であるとか、ガイドラインから引用しているものの、実際に発生したリスク事案を反映したものになっていないという現状でありますので、こういった点の見直しから始めたいと考えております。

 

そして3点目。スケジュール感、危機意識ということでのご質問であったかと思います。これも繰り返しになりますけれども、内部統制というのは、導入をすることが目的ではないというふうに考えておりまして、あくまでも手段であって、各自治体の実情や特性に応じて、その体制の整備と運用を行うべきものと考えております。そして、検討時期ということでございますが、常に内部統制が構築していて、また内部統制が保たれているということは言うまでもございません。そして同時に、それが有効に機能しているかどうかということも、もちろんであるというふうに思っております。内部統制というのは、継続的に見直しを行いながら、構築していくものであるというふうに考えます。形式的かつ一時的な対応を図るのではなく、長期的な視点に立って、取り組んでいくことというのも重要であると考えます。そういった視点に立って、検討してまいりたいというふうに考えております。
 
再々質問
 
事務処理ミス等の定期的な公表に関してです。再発防止が目的ですという趣旨で答弁をいただきました。私は、合わせて、市民に対する説明責任をより果たしていただくことが、ひいては再発防止に繋がると考えております。この点を踏まえて、もう一度、答弁を求めます。
 
答弁:総務部長
 
先ほど答弁で申し上げました、事務処理ミス等の報告及び関する要領、これは平成30年度に作成したところでございます。これについてはですね、本市で発生した事務処理の内部報告、そしてまた外部公表に関する基準を定めることによって、事務処理ミス等による影響の拡大の防止、それとあわせて、市政の透明性の確保を目的に作成したものでございます。この目的に沿って、今後もこの要領に基づき、公表してまいりたいというふうに考えております。 
 
 
〇誰もが安全に安心して利用できる公共施設の環境整備に向けた取り組みについて

 
令和59月、大津市は大津市障害者差別解消支援地域協議会、大津市障害者自立支援協議会差別解消部会との協同により、本市独自の「障害者に対しての合理的配慮の提供事例集」を作成しました。場面ごとに想定される事例とその解決のための合理的配慮の提供事例が掲載されており、本市ホームページで公開されています。合理的配慮とは、社会の中にあるバリア(障壁)を取り除くために何らかの対応を求められた時に、負担が重すぎない範囲で対応することを意味しており、令和6年4月1日からは国や地方公共団体のみならず、民間事業者に対しても合理的配慮の提供が法的義務として課せられることになります。
 
当該事例集には、これまで実施されてきた大津市公共施設バリアフリーチェックでの気づきが掲載されています。今年度においては、勤労福祉センターと旧大津公会堂において実施され、これまでの間、大津市障害者差別解消支援地域協議会構成団体のうち、障害者差別のないおおつをめざす会、大津市障害児者と支える人の会、大津市身体障害者更生会、大津視覚障害者協会、大津市ろうあ福祉協会、滋賀県建築士会大津地区委員会等の団体が参加をされ、生涯学習センター、北部地域文化センター、和邇文化センター、大津市立図書館、大津市歴史博物館・市民文化会館、大津市民会館・大津公民館、におの浜ふれあいスポーツセンター、瀬田公園体育館において実施されてきました。平成30年に開始されて以降、建築士会の一員として、継続して参加してきましたが、対象施設におけるバリアフリーの推進と合理的配慮の提供に大きく寄与するものであったと評価するものです。
 
しかしながら、なぜ、当該チェックにおいて指摘されるまでの間、課題認識が共有されず、必要な対応が図られてこなかったのか、疑問に感じることが多々ありました。今年度、対象施設となった勤労福祉センターにおいては、車いす使用者用駐車場に呼び出しボタンが設置されているものの、利用者に「ボタンを押して下さい」と案内されながら、事務室で呼び出し音を確認できる状態にないことが判明しました。また、当該駐車場においては円滑な乗降に必要となる区画幅が確保されていないにも関わらず、近接して駐輪場が応急的に整備され、移動の妨げとなる障害物も設置されていました。この他、いくつもの課題が確認されましたが、施設設置者や管理者による日常の点検で確認できる課題に対して、対応が図られてこなかったことを私は重く受け止めています。
 

 
大津市が設置する公共施設は市民の財産です。共生社会のさらなる実現を図るためにも、だれもが安全に安心して利用できる施設環境をハード・ソフトの両面から整えていく必要があります。指定管理者制度が導入されている施設については、共生社会のさらなる実現を目指し、障害者差別解消法に定められた合理的配慮の提供が行われているか、施設所管課によるモニタリングの評価項目に含めることを提言するものです。大津市独自の提供事例集のさらなる充実にもつながると考え、見解を求めます。
 
また、当該モニタリングを実施されるにあたり、施設所管課職員の皆さんには、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進に必要となる正しい知識を持っていただくことはもとより、社会的障壁を解消していくためには、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことを意味する「心のバリアフリー」について、理解を深めていただく必要があると考えます。大津市は今後、どの様な方針のもとでこれらの実現に取り組んでいかれるつもりなのか。大津市が設置する全ての施設を対象とした、全庁的な取り組みとあわせて見解を求めます。
 
答弁:総務部長
 

1点目のモニタリングの評価項目に合理的配慮の提供に関する項目を設けることについてでありますが、指定管理施設のモニタリングについては、その基本的な考え方及び標準的な実施方法を定めた「大津市指定管理者制度導入施設モニタリング指針」に基づき、各施設所管所属及び指定管理者において実施することになっており、当該指針については、毎年度、年度末において見直ししております。本年9月に、福祉部から「障害者に対しての合理的配慮の提供事例集」の施設窓口における備え置き及び、来庁者への理解の促進について通知されたことを受けて、当該指針及びモニタリングチェックシートなどの改訂に向けて検討を深めております。
 

2点目の「心のバリアフリー」について、理解を深めるための取組みについてですが、本市におきましては、平成28年4月の「障害者差別解消法」の施行を受け、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する大津市対応要領」を定め、職員に対して障害のある方や高齢の方の立場に立ち、丁寧で寄り添った応対ができるよう、ユニバーサルマナー研修や障害者差別解消法に係る研修を実施しております。
また、昨年度からは、新たに障害のある方の職場体験の受け入れを実施し、職員の障害者への理解を深めるとともに、当事者の視点から市に対するご意見をいただくなど、相互の理解と対話を重視した取組みを始めたところです。
 

再質問
 
モニタリング指針の見直しについてです。答弁で改定に関して、検討を深めておられるといった表現で答弁をいただきました。もう少し具体的に、その検討を深めているという意味をご説明いただけないでしょうか。
 
答弁:総務部長

 
モニタリング指針見直しの具体的な状況ということでございますが、まず、施設所管所属、そして、指定管理者がお互いに共通認識の上、そういった管理運営ができるよう、この指針に示すモニタリングチェックシートを見直すことが大事であると思っています。その中で評価項目があるのですが、そこにユニバーサルデザインに関する項目を追加するということを検討しているところです。

 

 
〇山中比叡平地域を運行するバス路線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて

 
令和51123日、山中比叡平学区まちづくり協議会の主催にて、京阪バスを利用して宇佐山城跡をハイキングする事業が開催されました。バス利用者を増加させることを目的に実施された事業であり、バス路線の存続とダイヤ改正による増便を願われる多くの地域住民が多世代に渡って参加をされました。山中比叡平学区まちづくり協議会においては、これまでから同趣旨の事業に取り組まれており、今後も開催していかれるとうかがっています。地域住民による主体的な取り組みが、安心して住み続けられるまちの実現につながることを願い、以下2点、質問を行います。
 

 

 
1
点目、児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画の実現に向けた今後の見通しと必要となる取り組みについて。山中比叡平地域を運行する京阪バス大津比叡平線、京都比叡平線において、路線の再編成、ダイヤの改正が行われてから1年近くが経過をしました。大津市教育委員会においては、皇子山中学校の生徒の学校生活に支障が出ないよう、学校の行事等に対応した臨時バスの増便を手配されており、運行する日時については、地域住民との間で共有がなされています。一般利用者の乗車も可能であり、日常生活を支える取り組みとして評価するものですが、多くの地域住民が多世代に渡り、さらなる増便の実現を切に願っておられます。 
令和52月、交通事業者に対して、児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画とするための協議の場を設定いただくよう、大津市と教育委員会の連名で要望書が提出されており、増便を含むダイヤ改正については、山中比叡平学区公共交通対策協議会において、地域住民、交通事業者、大津市の三者によって対応が検討されています。児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画の実現に向けた今後の見通しと必要となる取り組みについて、見解を求めます。
 
2
点目、京都比叡平線における新たな補助制度の構築に向けた取り組みについて。大津市は国の地域幹線系統補助及び関係自治体の協調補助を新たに確保するため、昨年度から滋賀運輸支局、滋賀県と継続的に協議を重ねるとともに、京都運輸支局や京都府及び京都市とも連携を図られ、運行支援の実現に向けて協議を重ねてこられました。令和52月通常会議における答弁において、負担割合について協議をされていること、また、交通事業者から令和6年度における補助を要望されていることを踏まえ、予算要求の時期までには間に合うよう、対応していく方針が示されています。
令和5年6月通常会議においても見解を求めましたが、予算要求の時期を迎えていることを踏まえ、京都比叡平線における新たな補助制度の構築に向けた今後の見通しについて、あらためて見解を求めます。
 

 

答弁:建設部長
 
1点目の、今後の見通しと必要となる取組についてでありますが、山中比叡平学区公共交通対策協議会において、地域からは、増便を含むダイヤ改正の要望があり、地域住民・交通事業者・行政の三者が協働し、対応を協議しているところであり、交通事業者からは、ダイヤ編成の仕組みなどについて、説明が行われたところです。引き続き、同協議会を通じて、地域住民の要望をもとに協議してまいります。
 

2点目の、京都比叡平線における新たな補助制度の構築に向けた今後の見通しについてでありますが、昨年度から国の地域間幹線系統補助及び関係自治体の協調補助を新たに確保するために、国、滋賀県、京都市及び京都府に働きかけ、調整を進めてきております。今年6月には、滋賀県及び京都府の協議会から国に対して、当該路線の国庫補助の確保に向けた生活交通確保維持改善計画が申請され、9月に同計画が認定されたと伺っております。引き続き、関係自治体と運行継続に向けた協調支援について協議してまいります。
 
答弁:教育長
 

1点目の、児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画の実現に向けた今後の見通しと取り組みについてでありますが、教育委員会といたしましては、昨年12月のダイヤ改正を受け、皇子山中学校の学校行事等に対応した臨時バスの増便を手配しており、その運行日時については、山中比叡平学区まちづくり協議会と情報を共有し、地域の方にもお伝えしているところです。今後も、生徒の学校生活に支障が出ないよう、適切な通学手段の確保に努めてまいります。
 
再質問
 
1点目の、児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画の実現に向けた今後の見通しと必要となる取り組みについてです。これからも地域住民の要望に基づき、協議をしていくという姿勢をあらためてお示しいただきました。今後の見通しと必要となる取り組みについてということで、答弁を求めさせていただいております。今後も地域住民、交通事業者、大津市等の3者で対応検討いただけるということではあるのですが、さらに取り組む必要があることがございましたら、あらためて答弁求めたいと思います。
 
答弁:建設部長
 
当該協議会につきましては、地元の方からも定期的に、できれば34ヶ月の間隔でもって、開催をというふうにお話をいただいているところでございます。前回が7月ということでございまして、それからもう3、4ヶ月以上経っておりますので、近々、最後の協議の場を持つということで今、お話を進めているところでございます。
 
再々質問
 
今のご答弁は今後、こうした協議の回数をもっと頻繁に持っていくといったような趣旨の答弁でよろしかったでしょうか。
 
答弁:建設部長
 
協議会等につきまして地域の方から、例えばダイヤの問題とか、そういうものが、当協議会の場においてご意見として出ております。このような課題、ご意見についても話せる場でもございますので、これからも当該協議会等についての開催を進めてまいりたい、開催していただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 
 
〇大津港周辺の恒常的なにぎわい創出に向けた取り組みについて

 
現在、大津港周辺においては、令和9年度の開館に向けて、県立琵琶湖文化館後継施設の整備が進められており、また、今年度においては、びわ湖疏水船延伸便実証運行が行われるなど、歴史と自然を活かしたまちづくりが県市連携・官民連携によって展開されています。この様な状況のもと、大津市は令和599日から1119日までの間、滋賀県に協力を得ながら、大津港公共港湾施設のうち、修景緑地等のあり方や課題を整理することを目的として、「RePort OTSU/BIWAKOリポート・大津/びわ湖」と題した社会実験を実施されました。検証の対象として、①港湾区域・河川区域・公園区域である大津港エリアの利用ルールや許認可手続きの規制緩和の可能性、②大津港エリアで多様なアクティビティを生み出す活用の担い手の発掘、継続的な活用の可能性、③平日の昼間や朝・夜など今まで利用が少ない時間帯における活用の可能性、④大津市内・びわ湖圏域などエリア全体と相乗効果を生み出す活用の可能性を掲げられ、今後、その結果をもとにして、継続的に活動できる仕組みや連携体制の構築に繋げていく方針を示されています。
 
令和52月通常会議における質疑・一般質問において、大津港周辺のにぎわい創出に向けた社会実験の実施にあたり、業務委託の目的と検証内容について確認を行ったところ、大津市からは大津港公共港湾施設の規制の一部が緩和されたことから、まずは、本市において費用負担を行い、社会実験を実施していきたいと考えていること、また、この結果を踏まえ、今後の取り組みにおいて、県が果たす役割についても協議を進めていきたいとの見解が示されました。大津市は大津港周辺のにぎわい創出に向けた社会実験によって明らかになった課題と成果を現時点でどの様に評価されているのか。次年度以降における取り組みの展望とあわせて見解を求めます。

また、恒常的なにぎわい創出にあたっては、港湾管理者である滋賀県とのさらなる連携が必要不可欠となります。今後、大津市が滋賀県に期待する役割について、あわせて答弁を求めます。
 
答弁:都市計画部長
 

1点目の大津港周辺のにぎわい創出に向けた社会実験によって明らかになった課題と成果についてでありますが、今回の社会実験では、従来実施されてきたイベントに加え、夜間照明やファニチャーなどの設置、規制緩和によって可能となった火気を使用したイベントや湖上マーケット、青空図書館など様々な取組を展開してまいりました。これらの取組については、許認可手続きの窓口を一本化したことにより事業実施者からは好評をいただいております。また、夜間照明やファニチャーなどを設置したことにより利用者が倍増するとともに、イベントとは異なる人の流れや利用状況が見られるなどの成果がありました。一方で、イベントを実施した事業者からは、電気や水道などの整備を求められるとともに、一部の既存噴水設備やあづま屋、樹木などが制約となるといった新たな課題が見出されました。また、次年度以降における取組の展望につきましては、今後、社会実験の結果の検証をさらに進め、修景緑地等の課題や活用の可能性等を滋賀県と共有しながら、恒常的なにぎわい創出に向けて、地元や民間事業者も含めた推進体制の構築を検討してまいります。
 
次に、2点目の滋賀県に期待する役割についてでありますが、大津港周辺では、新・琵琶湖文化館の開館やびわ湖疏水通船事業の大津港延伸などが予定されており、議員お述べのとおり、恒常的なにぎわい創出にあたりましては、県とのさらなる連携が不可欠であると考えております。これまでから港湾管理者である滋賀県とは、継続的に意見交換を行っているところでありますが、今後も連携を深める中において県市が互いに担うべき役割を具体化してまいりたいと考えております。
 
再質問
 
まず1点目、社会実験によって明らかになった課題と成果に関してです。ご答弁でイベントとは異なる人の流れがあったということをご説明いただきました。具体的にはどういった人の流れであったのかをあらためて教えください。
 
2点目、滋賀県に期待する役割についてです。今後も協議されていかれるという趣旨で答弁をいただいてるのですが、現時点で県でしか担っていただけない役割について、どのように評価され、要望等をされておられるのでしょうか。この点を踏まえて改めて答弁を求めます。
 
答弁:都市計画部長
 
1点目、課題と成果についてのうち、イベントでの人の流れについてというようなことでございます。初問でもお答えさせていただきましたように、夜間照明やファニチャーなどを設置することによって、人がいないところに対する人の集まりとか、その利用状況が変わってきているというようなことで、ファニチャーとか夜間照明を設置することによる効果について、今述べたことでございます。
 
2点目について、県でしか担えない役割というようなことでございます。こちらにつきまして、今回の社会実験のポイントといたしましては、今まで市民や事業者からの活用ニーズが十分にこたえられていなかった修景緑地及び周辺につきまして、この県市連携により、港湾区域、河川区域、公園区域を一体的に活用したことが大きな収穫だったと思っております。県でしか担えない役割といいますのは、やはり、港湾施設というのは、県の施設でございますので、これを一体的に利用するということが、大きな今後の課題だということで思っております。

 

 
〇住宅用火災警報器の取り付け支援と設置率向上に向けた取り組みについて

 
令和511月、大津市消防団滋賀分団の一員として、住宅用火災警報器の設置及び適切な維持管理の促進を目的とする防火訪問に参加をしました。昨年度からアンケート項目が大幅に見直されたこともあり、対面での調査を円滑に実施することができました。住宅用火災警報器は、自動火災報知設備やスプリンクラー設備が設置されているマンション等を除き、全ての住宅に設置が義務付けされています。既存住宅を対象に設置が義務化されてから12年以上が経過をし、大津市において設置率は令和54月時点において85.9%と公表されていますが、令和24月時点における設置率は85.1%であり、3年が経過して0.8%の増加に留まっています。この間、相当数の住宅が新築されたことを鑑みると既存住宅における設置率は高止まりしていると評価するものです。
 

 
総務省消防庁は、令和元年から3年までの3年間における失火を原因とした住宅火災について、住宅用火災警報器の設置効果を分析され、100件あたりの死者数において、同警報器を設置している場合は、設置していない場合と比べて死者数が半減することを公表されています。また、住宅用火災警報器の設置は火災の早期発見につながり、居住者や近隣住民の避難や初期消火など、一連の活動により、被害を最小限に留めることにもつながることから、今後も設置率のさらなる向上に資する取り組みを継続して行っていく必要があると考えます。防火訪問に参加をして、設置されていないと回答された住民の多くは高齢者でおられました。住宅用火災警報器を定期的に点検し、交換の目安が10年であることをあわせてお伝えをしたものの、さらなる働きかけや取り付けに対する支援が実施されないと設置いただけないのではないかと感じました。

 
現在、大津市消防局においては、消防署を窓口として、住宅用火災警報器の取り付け相談や取り付け支援を行っておられます。しかしながら、ホームーページで案内が行われておらず、市民への周知が不十分であると評価するものです。また、この度、大津市消防団による防火訪問で使用されたアンケートの回答用紙には、個別の住所を記載する欄がなく、その結果から、設置されていない世帯を把握することができません。今後、大津市はどの様な方針のもとで、住宅用火災警報器が設置されていない世帯を把握され、設置が困難と判断される市民への支援につなげていかれるつもりなのか。設置率向上に向けた今後の取り組み方針とあわせて見解を求めます。
 
答弁:消防局長
 

現在、消防団に実施いただいている一般住宅の防火訪問において、住宅用火災警報器の未設置世帯を把握できるような方法を工夫してまいります。

次に、住宅用火災警報器の設置が困難な世帯に対する取り付け支援については、これまでから消防署において取り付けに関する相談や支援を行っており、広報おおつ等でお知らせしていましたが、今後は市ホームページについても積極的に活用してまいります。

引き続き、住宅用火災警報器の設置率向上について地域の消防訓練等、あらゆる機会をとらえ、周知に努めてまいります。

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