【公立幼稚園のあり方基本方針】

 大津市教育委員会が策定をした「公立幼稚園のあり方基本方針」を熟読する。幼児教育に対する想いが込められた基本方針であり、直面する課題に向き合う覚悟が記されています。

当該基本方針が本文の「おわりに」に記されたように、子ども達の幸せにつながるものになることを期待するものです。以下、長文ですが、感銘を受けましたので転記させていただきます。

 

公立幼稚園のあり方基本方針 

「おわりに」

 

 検討委員会において様々な議論をする中で、これからの公立幼稚園は、制度的な差異や変動を超えて、将来の大津市を担う「人」を育てる「最初の場としての教育」の保障のため、幼児教育の質の向上と子育て支援の拡充を進めていくことへの思いをあらためて強く持ちました。

 まずは、大津市の幼児教育における、あるべき姿としての理念をもち、その理念の実現に向けて、保育者や保護者、地域の人々みんなで語り合い、幼稚園と保育園の教育・保育の一体的な展開について大津市の幼児教育のビジョンを示す必要があります。また、幼稚園や保育園で保育に長くかかわってきた人々の声と叡智を集め、大津市の子ども達にふさわしい教育・保育の内容と指導方法について議論を重ね、全ての保育者の専門性を高める取り組みも必要です。

 次年度からの実施計画の策定については、地域関係者や保護者の公立幼稚園への思いを十分に受け止め、「幼児期の教育にふさわしい環境」の観点から、保育や地域の状況に応じて段階的で柔軟性のあるものにしたいと考えます。

 一方で国の新制度に伴い、本市でも「子ども・子育て支援事業計画」の策定に向けた取り組みが始まります。待機児童解消対策や母親の就労支援がクローズアップされ、直近の量的拡大と拙速な判断で、幼児教育の質の低下や子ども達の育ちが歪められることのないように、本基本方針や実施計画の内容を新たに事業計画に反映させ、地域の特性に応じた、子ども達のための施策の実現ができるようにしなければいけません。

 さらに、本市では、独自の教育方針の下で大津市の幼児教育を担っている私立幼稚園と、待機児童解消に大きな力となっている民間保育園との関係への配慮や、福祉子ども部に設置が予定されている幼保連携推進室との連携も必要です。あわせて実施計画の策定は、小学校との関係やまちづくり全体にも関連することであり、地域関係者や関係部署との調整も欠かせません。その他にも検討を必要とする多くの困難な課題がありますが、本基本方針が、将来の大津市全体の幼児教育の水準の向上とすべての子ども達のしあわせにつながるものでなくてはならないと思っています。

 

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