【安全面と採算性】

 大津市と京都市上下水道局並びにびわ湖大津観光協会及び京都市観光協会にて議論が進められている「琵琶湖疏水クルーズ(仮称)」の実現に向けた検討状況について調査を行う。公文書公開請求により開示を受けた計3回の会議録に基づき担当課に聞き取りを行いましたが、現時点においては不確定要素があまりにも多く、安全面と採算性を考慮して民間事業者が参入することが可能なプロジェクトであるのか!?慎重な検討が必要であると感じました。

3月28日に行われた第3回「琵琶湖疏水クルーズ(仮称)検討プロジェクトチーム」の会議録を一部抜粋して掲載します。

〇琵琶湖疏水クルーズ(仮称)事業実現に向けた課題について

①運行コース
(運行時間について)

大津市・観光担当課:山科に乗下船場を設けることで、客が自分の時間に応じたコースを選択できることになる。

京都市・山科区役所:観光客が増えることに対する住民の理解が必要。

(上りか下りか、それとも両方か)

大津市・観光担当課:当初から申し上げているとおり、大津-京都間を往復しないと、本市における観光メリットがないため、往復とすべきであると考える。トンネル内は今後要検討だが、十分楽しめる。第一トンネルから琵琶湖方面を見通す景色が絶景である。

京都市・観光担当課:第1に「安全面」、第2に事業者が「採算性」を考慮して決定すべき。

大津市・観光担当課:事業者が上り(京都から大津へ)をどう考えるのか。大津から京都へ下った船を大津へ戻す場合に、トラックに積み込む「陸路」を選択するのか、それともさかのぼって帰る「水路」を選択するのか。また、「水路」を選択する場合、京都から客を乗せて帰ってくるのか、空でかえってくるのか。事業者の意向を確認する必要があるので現時点では、決めつけないで全ての可能性に対応すべき。ただし、しつこいようだが、本市としては往復とも乗客を乗せるべきと考える。

京都市・上下水道局経営企画:今後は、トンネル健全度調査の結果と安全面での確認が必要。また、採算が取れるかも重要。

京都市・上下水道局疏水事務所:岡崎で乗船した。水の流れに沿った下りはスムーズだが、カーブは流される感じ。上りは(担当課に表記内容を確認したところ、会議録の表記は「下り」であったが、正しくは「上り」)流れに逆らって行くので波が立つ。今回の第一疏水も、水があふれ出るのが一番よくない。往復は非常に難しいのではないか。テストを繰り返す必要がある。現在も職員研修で下りは乗せることはあるが、上りは人を乗せた経験がない。山科の諸羽辺りは操船上非常に危険。また、疏水の京都側は公園になっている部分があり、公園利用者にしぶきがかかるなど公園の管理上に迷惑がかかる。遊歩道になっている部分もある。

②運行時期

京都市・上下水道局経営企画:トビケラが大量発生する時期(6~9月)、停水期(1~3月)を考慮する必要あり。

大津市・観光振興課:残る期間(4~5月、10~12月)の限定運行でよいのでは。

びわ湖大津観光協会:人がたくさん来る時期に行う。通年ではなく、逆に「プレミアム感」を売りにして、さらに付加価値をつけていくと高価でも利用される。

京都市・観光担当課:岡崎十石船は、3月下旬からゴールデンウィーク明けまで毎日運行している。桜の季節は夜間も運行。フル乗船で1日1,300人。現実は、期間中で15,000人から16,000人程度。桜が終われば1日100人程度。5月のツツジで少し盛り返すも1日500~600人程度。

京都市・上下水道局経営企画:上下水道局としては、単に観光だけでなく、琵琶湖疏水そのものの理解を深めてほしいと考えている。

大津市・観光担当課:本クルーズで観光客が増えた場合、特に必要なのは「地元のおもてなし力」の向上。京都市民は小学4年で琵琶湖疏水について学ぶと聞いているが、大津は不明。地元小学校(長等)は別として、市内全体を見回したとき琵琶湖疏水に関する興味は低いのではないかと感じている。また、転入者も多い。この事からすると、大津・京都両市民に琵琶湖疏水に関心を持ってもらうことが重要ではないか。市民にもっと知ってもらうこと。例えば、桜や紅葉の観光シーズン以外の時期に、教育委員会と連携して、小学校の校外学習に取り入れてもらうのはどうか。学校教育の一環として連携するのはどうか。

びわ湖大津観光協会:学校との連携は良いと思う。

京都市・上下水道局疏水事務所:トビケラが山科区域に出ないように防虫ネットや防虫灯を設置している。設置中は航行できない。 疏水路に入ってくる藻は、大津市や滋賀県のおかげで減った。因果関係は不明だが、藻の減少とともにトビケラも減少している。

~抜粋終わり~

今後は、トンネルの安全性を確認する「健全度調査」の結果を持って具体的な検討が進められることになります。
琵琶湖を管理する滋賀県の動向にも注視しながら、今後も調査を継続してまいります。

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