【登壇】

 3月7日、会派代表質問に引き続き、質疑・一般質問を行いました。まずもちまして、質問内容を掲載させていただきます。質問項目のうち、中学校給食の実施に向けた取り組みについては、平成30年度中とされていた開始時期の妥当性について、あらためて見解を求めました。

教育長からの答弁は、平成31年度以降のできるだけ早い時期に実施を目指すというものでした。
この際、土地収用法に基づく事業認定など、用地の取得に見込まれる期間は一切明らかとされず、PFI法に基づく実施方針の公表、また、特定事業の選定(*)後において、3年から3年4ヶ月を必要することのみを明らかとされました。(*特定事業の選定:PFI事業として実施することが適切であるとして、当該事業を選定すること。)
財政規律に大きな影響を及ぼす事業であることから、次年度以降については、作業スケジュールを精査された上で進捗管理にあたっていただきたいと考えます。

参考:大津市議会HP 平成28年  2月通常会議( 3月 7日) 谷 祐治

参考:谷ゆうじHP 活動レポート 160106 「無理な工程」 

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01 大津びわこ競輪場跡地の利活用について

大津びわこ競輪場の跡地については、民間事業者のノウハウと資金を活用することを目指して検討が進められてきました。
民間活力導入にあたっての前提条件として、定期借地権の活用、都市計画決定の変更は行わない、20年以上の中長期的な期間での有効活用、当該地の一定程度は多目的広場として整備する、既存施設の解体撤去は民間事業者の負担で実施することをあげられ、平成28年2月7日には、滋賀学区自治連合会をはじめとする地元諸団体に対して、期待する多目的広場の規模感や機能などについて、2回目となるグループインタビューが行われています。

平成28年度当初予算案において、大津市は不動産鑑定手数料と跡地利活用の優先交渉事業者の選定支援業務費を計上されました。今年度中には民間活力導入の基本的な方針を決定されることから、現時点で設定されている評価の視点にもとづき、以下3点の質問を行います。

1点目、一定規模以上の多目的広場について。
民間活力導入の基本的な考え方については、公共施設対策特別委員会において、「競輪場跡地は、グラウンドゴルフや自治会の運動会において活用されるなど、地域住民の貴重な憩の場となっている。これらの実情を踏まえ、利活用後に整備される多目的広場が、現状と同等程度の機能を有する規模感等となっていることが期待される。」と説明を受けましたが、越市長は自らの選挙公約において、競輪場の民間活用によるスポーツ施設の整備を掲げられています。
市長が市民に約束された「スポーツ施設の整備」とは、多目的広場を整備することなのか、それとも、自らが掲げられた国体を見据えたスポーツの普及・振興、大津らしいスポーツイベントの開催に相応しい施設であるのか、見解を伺います。

2点目、周辺地域への一体性の配慮について。
競輪場跡地周辺の住民からは、周辺地域との一体性に配慮した上で活性化を図られたいとの強い要望が寄せられています。
近江神宮や柳ケ崎湖畔公園など、まちのシンボルである施設が複数存在する地域であることを踏まえ、民間活力の導入を図るにあたっては、ハード的な一体性のみならず、イベントなどのソフト的な連携が行われ、地域の一体性に寄与することが望まれるとの考えを明らかにされていることについては賛同するものです。
しかしながら、大津市自らが管理する都市計画施設の区域内に定期借地権を設定し、都市計画法53条を根拠として、用途を問わずに建築行為を認めることには違和感を覚えます。
民間の活力については、解体費用の負担という形だけでなく、むしろ、都市計画公園内において提供されるに相応しいサービスにおいて発揮されるべきと考え、大津市の見解を伺います。

3点目、優先交渉事業者の選定について。
大津市は公募を行った後、どういった選定過程を踏まえて優先交渉事業者を決定する方針なのか。
民間活力導入による評価の視点には、地域貢献や防災機能の確保も含まれることから、周辺住民や地域のまちづくりに関わる諸団体の意見も反映された上で決定されるべきと考え、大津市の見解を伺います。

また、既存建物の解体撤去が民間事業者の負担で実施可能であったとしても、当該事業者によって行われる、中長期的な土地利用が周辺地域と一体となったまちづくりに良好な影響を与えるものとならないのであれば、競輪場跡地の利活用に対する方針を見直すべきです。
大津市は事業者の選定にあたって、何を優先すべきと考えておられるのか、あわせて見解を伺います。

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02 インバウンド観光の推進に向けた取り組みについて

1点目、大津版DMOの設置について。
大津市は「大津市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、大津の観光振興を戦略的に推進するための専門的な組織”大津版DMO “の設置について調査・研究を行う方針を明らかにされています。
ここでいうDMOとは、Destination Management / Marketing Organizationの略であり、行政、観光業者、地域住民らの立場が分断されている現状を踏まえ、地域全体の観光マネジメントを一本化する、着地型観光のプラットフォーム組織と認識しています。

本市においては、外国人観光施策に位置付けられ、平成28年度当初予算案においては、インバウンド国際観光推進事業費に含まれる形で検討経費が計上されています。
次期観光交流基本計画の推進に資する法人として機能することに期待をするものですが、大津市は従来型の推進体制によって実施されてきたマーケティングやマネジメントにどういった課題を見出し、DMOの設置に向けて取り組む方針を決定されたのか。
市内各地区観光協会や観光関連事業者などとの認識共有に向けた今後の方針と合わせて見解を伺います。

2点目、現地PR事業について。
大津市は平成27年度においてターゲットとされた台湾に加え、タイとフランスにおいて現地プロモーションを実施するための費用を平成28年度当初予算案で計上されていますが、そもそもなぜこの2ヵ国なのか。
観光客の量のみならず質についても追求していくとの事ですが、実現に向けてどう取り組む考えなのか。
また、事業の効率的な実施を図るため、外国人向けのモニターツアーやターゲット国に対するマーケティング調査を実施するとされていますが、今後もターゲットとする国を増やしていくつもりなのか、見解を伺います。


03 中学校給食の実施に向けた取り組みについて

私は、平成27年2月通常会議において、「大津市中学校昼食のあり方検討調査」において明らかとなった学校運営上の課題及び問題点などについて、その解決に必要となる検討を教育委員会はどういった方針のもとで行っていく考えなのか、確認するために質問を行いました。
教育長からは、「中学校給食の実施に向けて、学校現場における教育活動への影響、生徒指導等の増加に伴う教職員の負担など、解決しなければならない課題も多く、さらには学校にエレベーターや配膳室の整備も進めていく必要がある。このことについては、先日校園長会においても説明したところであるが、現場の教職員の意見を聞き、十分に協議を重ねながらより良い形で中学校給食が実施できるよう努めていく。」との答弁があり、平成27年6月通常会議においては、中学校給食の導入に向けた校舎内外の整備改修にかかる調査及び検討に要する予算が措置されたところです。

しかしながら、中学校給食導入に伴う各種設備配置等検討業務については、今年度末が契約工期であったにも関わらず、教育委員会と学校現場との連携が不十分であったことが原因となり、平成27年度2月補正予算において、平成28年度への繰越明許費が計上される事態となりました。
また、新年度予算案には、東部学校給食共同調理場移転新築事業における事業者選定に向けたアドバイザリー業務費が計上されていますが、市長が平成30年度中の実施を公言されるにあたって根拠とされた工程表においては、今年度内に特定事業の選定に向けた実施方針が公表される予定であったことからも、既に相当の遅れが生じています。

大津市長選挙を目前に控えた、平成28年1月6日の京都新聞記事によりますと、市長は「中学校給食については、今後2、3年で整備する」と公言されていますが、平成30年度中に開始することが不可能であることは、工程表において実施設計の期間を全く見込んでいないことからも明らかです。

私がこの質問を繰り返し行う理由は、設計業務や建築工事に必要となる期間が最低限確保されていなければ、PFIによる事業の実現そのものに影響を及ぼす恐れがあるからです。
中学校給食の開始を前提に就労を予定されている保護者等に与える影響を鑑みるのであれば、実現可能な開始時期を公表する責任が市長と教育委員会にはあるはずです。
平成27年6月通常会議において、教育長が今年度中にある程度のスケジュールを確定する旨の答弁されたことを踏まえ、あらためて実現可能な中学校給食の開始時期を伺います。

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04 歴史文化を活かしたまちづくりについて

1点目、都市計画課と文化財保護課の連携体制について。
大津市は、平成28年度当初予算案において、歴史まちづくり法を見据えたまちづくり基礎調査業務委託料を計上されました。
これまで幾度にも渡って、歴史的風致維持向上計画の策定を提言してまいりましたが、歴史文化を活かしたまちづくりのさらなる推進に向け、新たな一歩を踏み出されたことは意義深いことと評価をするものです。
また、あわせて、歴史文化基本構想にかかる基礎調査業務委託料も計上されていますが、両調査は密接に関係することから、都市計画課と文化財保護課とはさらなる連携が求められます。
連携体制の構築に向けた取り組みと歴史的風致維持向上計画策定に向けた展望について、大津市の考えを伺います。

2点目、価値ある樹木を後世に引継ぐための取り組みについて。
大津市景観計画においては、古都大津の自然景観、歴史的景観を構成し、歴史的に地域住民によって地域のシンボルとして認識され、あるいは保護する必要性が認識されている樹木を対象として景観重要樹木の指定を行うと定められています。
また、これとは別に景観地域別の指定基準が定められており、地域住民などの共通認識のもと、景観重要樹木に指定することが望ましい対象を抽出し、その指定に努めることが明記されていますが、現時点においてその指定はなされていません。
大津市においては、景観法に基づく景観重要建造物7件の指定、また、大津市独自の取り組みとして、景観重要広告物11件の指定に取り組まれてきましたが、これまで景観重要樹木の指定がなされてこなかった理由について伺います。

景観重要樹木については、平成16年農林水産省令・国土交通省令第4号第1条において、地域の自然、歴史、文化等からみて、樹容が景観上の特徴を有し、景観形成区域の良好な景観の形成に重要なものであることと定められているものの、当該樹木の歴史的価値や文化的価値を問う趣旨ではないとされています。
しかしながら、近江八景・粟津の晴嵐の松並木のうち、名残を伝える三本の松の木については、歌川広重にも描かれた湖都の風景を象徴する樹木として、後世に伝える努力を惜しんではならないと考えます。

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江戸時代には、徳川家康の命によって植えられたおよそ600本の松並木が2キロに渡って続いており、幕末に記された名所旧跡の番付表において近江八景は、日本三景よりも上位に位置付けられていました。
当時、国内屈指の風景であったことは間違いのない事実であり、我が国の風景史にとっても価値のある樹木として評価すべきと考えます。

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【保永堂板】近江八景之内 粟津晴嵐 歌川広重画 大津市歴史博物館蔵

旧東海道沿道をはじめ、大津市内にはこの他にも歴史的価値のある樹木が存在しますが、大津市独自の取り組みとして、湖都の風景に相応しい樹木として、市民及び来訪者に周知することを目的とした指定制度を設けることを提言します。
歴史文化を活かしたまちづくりにも寄与すると考え、本市の見解を伺います。

05 防災力の強化につながる取り組みについて

1点目、市民センターにおける災害対応力の強化について。
平成27年6月通常会議において、私は、地域における自主防災組織は小学校区を活動範囲としていることから、全ての支所に地域防災センターを併設し、災害発生時における職員体制を協働によって補完する観点から、知識と経験のある自治体OB職員等から同センターの運営支援が受けられるよう、災害時支援協力委員制度を創設されることを提言しました。
これを受けて大津市は、地域防災センターについては、組織的な位置づけと職員の配置計画等についての課題整理を行ったうえ、機能の位置づけについて調査検討を行い、パイプ役となる職員OBの協力については、どういった形で他の自治体が協力関係を結んでおられるのか、今後検討を進めていきたいと答弁がなされました。
大津市は、地域防災センターとしての役割と災害時における対応人員の充足を目的とした災害時支援協力委員制度の創設について、どの様に検討を進めてこられたのか。市民センター機能のあり方に関する検討経過を踏まえ、あらためて答弁を求めます。

2点目、家具転倒防止対策について。
平成28年度当初予算案において、家具転倒防止器具取付業務委託費が計上されました。
災害時において支援を必要とされる高齢者や障がい者を対象とした家具転倒防止器具の設置について、支援を継続・拡充すべきと求めてきたことから、この度の予算計上を高く評価するものです。
設置率の向上を図るためにも、対象となる世帯へ情報を発信することが重要となりますが、大津市はどういった方針のもとで広報活動を行っていく考えなのか。

参考:谷ゆうじHP これまでの取り組み 防災・減災力の向上

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