【討論】

 9月30日、9月通常会議に提出されている議案のうち、決算関連議案を除く24議案について採決が行われました。志成会所属議員において、以下の討論を行いました。

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(山本 哲平議員より)
志成会を代表して、議案第148号平成大津市一般会計補正予算(第3号)の委員長報告に対して、賛成の立場で討論を行います。
おおむね必要な予算であるとの評価をさせていただくものでありますが、予算審査を通じて認識した諸課題について意見を申し上げ討論といたします。

まずはじめは商店街灯の撤去に関する補助金の返還費用についてです。
大津市の考えは、商店街灯の撤去に関して地元商店街や地元自治会の過失はゼロであり大津市が全額負担すべきというものであります。
明らかにその考えは間違いであり、それぞれにも一定の過失は存在をし、本来であればその割合に応じて費用負担をしていただくべきです。
なお今回の商店街灯の件につきましては、それぞれの過失がゼロという考えには納得はしませんが、撤去した際に現物を大津市が廃棄せずに保管しておけば国等から補助金の返還を求められることはなかった可能性があることや地元商店街並びに地元自治会との今後の関係性なども踏まえた総合的な 判断のもとで全額を大津市が負担することには一定の根拠は存在するものと考え賛成をしたいと思います。
国や県、あるいは市民や民間事業者など、他者と費用を案分すべき案件は今後も様々な場面で発生すると思います。そういった際にはしっかりとそれぞれの負担割合を算定し、それぞれの割合に応じて費用を負担することが原則であるとのことをあらためて申し添えさせていただきます。

次に公用車の相次ぐ事故を踏まえての交通安全講習の受講費用についてです。
当講習については運転の経験の少ない新規採用職員等に受けてもらうとのことであります。
今まで事故を起こしてきた方の年齢はさまざまであり、新規採用職員等を対象とすることには疑問があります。
全職員が事故を起こす可能性があることを踏まえると、受講の成果ができる限りに多くの職員にいきわたるようにすべきです。
受講の対象を新規採用職員等ではなく、各所属の運行管理責任者である所属長とし、所属長を通じてその成果を部下に伝える方法をとるべきではなかったでしょうか。
今回はこのような方法でさせてほしい、今後については今年度の成果を見て検討していくとの答弁が総務分科会でありました。
運転経験が未熟である新規採用職員を対象とすることにも一定の根拠はあると考え、今回の予算は認めたいと思いますが、今後については答弁にあったようにその成果をしっかりと見極め、よりよい成果が出る方法を引き続き検討いただきたいと思います。

次に中学校給食導入に伴う配膳室等整備の推進にようする費用についてです。
中学校側との調整不足により、調査に大幅な遅れが生じたことをまずもって省みていただきたいと考えます。
また、
平成2612月にまとめられた大津市中学校昼食のあり方検討調査においては、その概算整備費を885百万円とされましたが、必要となる工事範囲によって大幅に増加することが予測されます。
大津市長は当初、平成30年度中の実施を目標に掲げられていましたが、平成31年度以降のなるべく早い時期に実施できるよう、今後手続を進めていく方針を明らかにされています。
現在、大津市では市民病院の独立行政法人化など大きな財政支出が生ずる事業を多数抱えており、当事業もそれらと同様に大津市財政に大きな影響を及ぼすことは必至です。
平成31年という年度が独り歩きしないよう、工程のさらなる精査と明確な事業開始時期の早期公表をあらためて求めるものです。

次に市立中学校教員不祥事防止検討委員会の答申を踏まえた研修会開催経費についてです。
学校長を対象とした研修会を追加するための費用を計上されました。
それぞれの学校において、研修の成果が共有されてこそ生きる予算であることから、すべての教職員並びに委員会事務局職員に当事者意識をもっていただけるよう、教育長においては、留意いただきたいとあらためて申し上げます。

最後に秋葉台地区開発行為の適正化推進経費についてです。
本来、開発事業者において費用負担されるべきものを、安全対策を推進するという観点から、大津市が是正工事を行うにあたり、必要となる調査費及び設計費を計上されました。
緊急性の観点から、行政代執行はやむを得ないと判断するものですが、是正工事にはさらに多額の費用が必要となります。
今後、開発工事の許可に伴う審査にあたっては、事業者から提出される資金計画書及び資力信用調書に対する評価のあり方を見直されるべきと考えます。
また、大津市は茶臼山公園の敷地を関連区域として工事範囲に含めた計画とすることを事前相談の段階で認めていますが、意思決定過程が極めて不透明です。
6月通常会議の質問に対する議会答弁で明らかとなったところですが、公園緑地課並びに開発調整課に何の図面も書類も残らない形で方針の決定に至っています。
大津市としての責任のあり方について、第三者の視点を交えて検証されることを求めるものです。

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(藤井 哲也議員より)
志成会を代表して、今通常会議に提出されている議案及び請願のうち、議案第179号「大津市水道事業給水条例及び大津市下水道条例の一部改正」と、請願第6号「TPP協定を国会で批准しないことを求める請願」の委員長報告に対する反対討論をいたします。

議案第179号「大津市水道事業給水条例及び大津市下水道条例の一部改正」は、
平成29年4月より、大津市企業局が供給する上水道料金を平均で19%アップしようとするものです。
本会議での一般質問や会派での審査を通じて、将来にわたっての安定的な供給を確保するために、一定の料金値上げはいたし方ないと評価したものの、東海道沿線の近隣中核市や、滋賀県内の近接都市と比較した際、一般的な家庭における上下水道料金が最も高くなることは市民生活や地域の経済活動に与える影響を考慮すると、段階的な改定が相応しいと考えます。

一般質問の答弁において、「仮に2段階で料金改定を実施した場合、2回目までの料金収入が現在の計画より減少し、その減少する料金収入を2回目の料金改定以降の収入に含める必要があるため、お客様の負担が後年度に重くなることから、2段階での実施は好ましくないと考えております。」とのことでした。
しかし具体的にどの程度後年度に負担が重たくなるのか、附属機関「大津市水道事業経営検討委員会」における審議や、市議会での審議においても十分な説明がなされなかったと認識しています。
本来、市民や事業者が負担すべき水道料金は、必要且つ最少限度の額でなければならないはずです。そうしたことから、企業局の経営効率化の今後4年間ないし8年間の進捗状況によっては、あらためて料金改定の必要が生じてきます。
また草津市では想定した以上の利益が出たことから、水道料金を値下げして市民還元がなされていますが、本市においても同様に市民還元がなされる可能性があるのかを予め確認したところ、現在そうしたことは考えていないという回答でした。
こうしたことを踏まえ、今後4年間、企業局の経営効率化がなされることを見極め、次回見直しのタイミングで、必要且つ最少限度の範囲で改定されることが適当だと判断したことから、本議案の委員長報告に反対するものです。

次に、請願第6号「TPP協定を国会で批准しないことを求める請願」は、「農林水産分野の重要5品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」という国会決議に反するものであり、TPP協定の批准を行わないよう政府関係機関に意見書の提出を求めるものです。
TPPについては経済連携ではありますが、環太平洋地域の安全保障にもつながるもので、戦略的互恵関係を築く観点からも大変重要なものと認識していますが、国民生活や経済、将来の社会保障制度に与える影響も同時に国家として考えなければならないことは言うまでもありません。

これまでのTPPの交渉を見ると評価すべき点が多いものの、本請願にある通り国会決議にかなうものではありませんでした。政府は「総合的なTPP関連政策大綱に基づいて実行される措置」とあわせて、「国会決議の趣旨に沿っていると国民に評価されることを期待する」という表現にとどめています。
実際、農林水産分野の重要5品目に限らず、全体で見ても、自動車の輸出関税は20年後にようやく全廃されるなど日本にとって大きく譲歩した内容のものと考えます。
ひるがえって自治体においては、TPP協定における公共調達分野の自由化により地域雇用や経済に与える影響が懸念され、本市においては「小規模・中小企業振興基本条例」などによって、市場の自由化に対する防波堤を張れていない現状にあっては、「ラチェット条項」などが含まれるTPP協定に率先して賛成の意を表明できる状態ではありません。

こうしたことを踏まえ、TPPの批准を急がないことを政府に求める本請願の趣旨に賛同するもので、委員長報告に対する反対するものです。

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志成会を代表して、議案第147号 大津市総合計画基本構想を定めることについて、賛成の立場で討論を行います。

討論に先立ち、現大津市総合計画基本構想における「将来都市像」をあらためて述べさせていただきます。

私たちは、大きく変化する時代の中で、ともに力を合わせて大津のまちの魅力と活力の向上に努め、今日の豊かな生活を更に質の高いものとして次代に引き継いでいくため、次の将来都市像を掲げてその実現に取り組みます。

「人を結び、時を結び、自然と結ばれる 結の湖都 大津」 

大津市はこれまでの10年間、今申しあげた決意のもとで、まちづくりに取り組んできました。
次期基本構想においては、将来都市像を「ひと、自然、歴史の縁で織りなす 住み続けたいまち 大津再生 ~コンパクトで持続可能なまちへの変革~」と定められましたが、「結の湖都 大津」の実現を目指した価値観は、次代に継承されるべきものと認識をしています。
今後、「縁」や「大津再生」に込められた思いは、大津市政におけるすべての施策に反映されることになりますが、越市長におかれましては、「結の湖都 大津」の実現に向けた決意をもっと積極的に発信いただきたかったと評価をしております。

次期構想の推進にあたっては、市民、事業者と共に将来都市像の実現が図られるよう、まずは執行部の気持ちを目指すべき方向に向けていただきたいと考えます。
志成会所属議員においても、まちづくりの基本理念に対する理解をより一層深め、新たな決意のもと、施策の推進に寄与する提言・提案を行っていくことをお約束し、賛成討論といたします。

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