【登壇】

  2月28日、事前の通告に基づき、質疑一般質問を行いました。庁舎整備に向けた取り組みについては、到底納得のいく答弁ではなく、執行部内における意思決定過程には問題があると考えます。耐震化を目的とした本庁舎及び中消防署の整備が一日でも早く実現するよう、これからも指摘と提言を続けてまいります。

なお、再質問及びその答弁内容については、あらためて掲載をさせていただきます。

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びわこ大津市草津景観推進協議会による東海道統一案内看板の設置に向けた取り組みについて

びわこ大津草津景観推進協議会においては、対岸景観保全のための施策検討、旧東海道沿道の連続性ある景観形成、屋外広告物の統一した規制誘導を連携の柱としており、昨年10月に両市長出席のもとで開催された同協議会においては、景観基本計画の策定に向けた調査研究を平成29年度から開始するスゲジュール案が示されました。

平成28年11月通常会議において、現行の景観法では、複数の景観行政団体が連携して共通の景観計画を策定することや、市民、事業者等との協働の枠組みを持った景観協議会の設置ができないことを踏まえ、産学官関係団体の参画による組織運営が可能となるよう、景観法の改正を国に働きかけ、両市が一体となった景観協議会への移行を目指すべきと提言を行いました。
大津市は、景観法改正の必要性については検討を行いつつ、景観基本計画の策定には、市民、事業者等との協働の取り組みが重要であることから、地方自治法に基づく現行の体制の中で協働の仕組みづくりを行い、基本計画の策定を進めていくとの考えを示されましたが、明確な方針は同協議会において両市が共有されるに至っていません。
平成29年度大津市一般会計予算案においては、大津百町での景観啓発事業の実施と旧東海道沿道における両市統一案内看板の設置に向けた検討に要する予算が計上されています。大津市は委託事業「旧東海道案内看板デザイン作成プロジェクト」において、成安造形大学から提案のあった案を両市共同によるデザインとするため、今後、どういった取り組みが必要になると考えているのか。三者協働によるびわこ大津草津景観推進協議会の発展に向けた今後の展望と景観基本計画の策定に向けた今後の方針とあわせ見解を求めます。

答弁:都市計画部長

まず始めに、びわこ大津草津景観推進協議会による東海道統一案内看板の設置に向けた取り組みについてでありますが、今年度は、近隣の大学より、市民団体や事業者の方々の意見を反映した案内看板のデザイン案の提案をいただきました。
今後につきましては、案内看板デザインの決定及び民間活用による看板の設置・維持管理方法の検討や、それを協議する三者協働による専門部会の設置を目指してまいります。
具体的には、案内看板デザインを適切に活用・運用するため、商標登録や専門部会による整備方針の検討などを進めてまいりたいと考えております。
また、併せて、本市と草津市が連携して進める広域的な景観施策の基本的方針となる景観基本計画の策定につきましても、この案内看板の取り組みと同様に、産学官関係団体の参画による計画策定が必要であると認識しており、協働の組織づくりに向けて、草津市と協議を行ってまいります。
つきましては、今後できるだけ早い時期に「びわこ大津草津景観推進協議会」を開催し、これらの取り組みについての承認を得られるよう、草津市とともに検討してまいります。

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バリアフリーのさらなる推進に向けた取り組みについて

はじめに、社会体育施設におけるトイレの洋式化に向けた取り組みについて。
市民部が所管する市民体育館、市民運動広場、市民プール等を対象として、洋式便器の設置状況について調査を行いました。
このうち、市民運動広場においては、トイレの洋式化がほとんど図られておらず、私のもとには、高齢者の身体機能に対する配慮を求める声が寄せられています。
平成29年度大津市一般会計予算案においては、小学校におけるトイレの洋式化推進に要する予算が計上されています。取り組みの目的として、洋式トイレは、和式トイレに比べ臭いや細菌の発生が少なく清潔であること、また、災害発生時における避難住民の利用のしやすさ等をあげておられますが、これらは社会体育施設においても留意すべき事項であり、手すりの設置とあわせて計画的に洋式化を図るべきと提言をするものです。
大津市は新総合計画実行計画において、スポーツの普及・振興を施策に掲げています。足腰への負担が大きい和式トイレしか整備されていないことが原因となって、安心してスポーツが楽しめないことは、あってはなりません。大津市は今後、どういった方針のもとで社会体育施設におけるトイレの洋式化に取り組んでいく考えなのか。見解を求めます。

2点目、大津市が開設する施設を対象としたバリアフリーの推進に向けた取り組みについて。平成286月通常会議において、大津市が開設する施設を対象としたバリアフリーの対応状況については、一元的に管理を行い、施設利用者や専門家の意見を反映させながら、計画性をもって充実に取り組むべきと提言しました。大津市においては、公共施設管理者に配布するチェックリストの作成に向けた取り組みが進められていますが、その後の現地調査においても、障害者福祉センターにおける階段の手摺や大津駅観光案内所の誘導・警告ブロックにおいて不十分なバリアフリー対応が確認されました。担当課の迅速な対応により、改善が図られることになりましたが、だれもが安心して利用できる公共施設の整備に向け、決意を新たにしたところです。

内閣府においては、障害者差別解消支援地域協議会設置の手引きにおいて、障害者差別の解消に向けては、発生した事案への対応だけでなく、障害者差別がおこらない地域づくりをしていくことが重要であるとの見解を示しています。障害者差別の解消に資する取り組みの共有・分析を促進する観点から、障害者差別解消法第17条に基づき立ち上げが予定されている障害者差別解消支援地域協議会のもと、実務者会議、いわゆるワーキンググループを設置し、大津市が開設する施設を対象として、バリアフリーの状況や障壁を解消しきれない場合における合理的配慮のあり方などについて、協議検討することをあらためて提言します。大津市は自らが開設する施設のバリアフリーをどの様な方針のもとで推進していく考えなのか、見解を求めます。

3点目、JR大津駅の駅ビルにエレベーターが設置されていないことについて。JR大津駅の駅ビル「ビエラ大津」には、高齢者や障害者等が2階飲食店へ円滑に移動するためのエレベーターが設置されていません。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令において、飲食店は特別特定建築物に該当し、新築、増築、改築又は用途変更に係る部分の床面積が 2,000 ㎡以上のものは、政令で定める建築物移動等円滑化基準に適合させなければならないと定められていますが、用途変更の対象面積がこれに満たなかったため、エレベーターは設置されなかったものと認識しています。
特定行政庁としての対応には限界があったと考えますが、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例に基づく指導助言は、JR西日本不動産開発株式会社にどのような形で行われたのか。エレベーターが設置されないことが明らかになった時点における、執行部内での課題認識とあわせて見解を求めます。
また、今後は、大津市独自に基準を設け、公共性が高いと判断される一定規模以上の建築物については、必要に応じて設計の段階から、障害者、難病患者、高齢者、乳幼児を連れた方、妊産婦およびけがをさられた方など移動に配慮が必要な方の意見が施設整備に反映できる仕組みを制度化することを提言するものです。だれもが自らの意思で自由に行動でき、安全で快適に生きがいを持って暮らすことができる、福祉のまちづくりの推進に資すると考え、検討に向けた本市の見解を伺います。

答弁:副市長

JR大津駅の駅ビルのエレベーターについてのうち、「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例」に基づく指導・助言についてでありますが、まず、この条例は、生活環境のバリアフリー化促進のために制定された滋賀県の条例であり、事業者は、施設建築時に知事への届出を行い、施設を条例に定められたバリアフリーの基準に適合させるよう努力する義務があります。また、市長はこの手続きについて、知事から委任を受け、事務を行っております。
次に条例に基づく指導・助言の経過についてでありますが、事業者であるJR西日本不動産開発株式会社から、平成28年9月2日に、この条例に基づく届出が提出され、審査を行った結果、平成28年9月9日に、「エレベーターの設置」を含め、7項目について、文書による事業者への指導・助言を行いました。しかしながら、事業者によるエレベーターの設置の対応は取られておりません。
次に、エレベーターが設置されないことが明らかになった時点における執行部内での課題認識についてですが、エレベーターなどのバリアフリー設備を設置することが望ましいと認識しておりましたが、民間の商業施設に対して本市が負担をして、バリアフリー対策を行うことは困難であると考えておりました。

JR大津駅の駅ビルのエレベーターについてのうち、2点目の公共性が高い市独自の建築物に対する障害者等の意見反映の制度化につきましては、本市では、「バリアフリー基本構想」策定時などに、障害者団体や高齢者団体の代表者に参画していただくとともに、「まちあるき点検調査」にも参加いただき、貴重なご意見をいただいております。
ただ、個々の建築物について、設計段階から障害者等の移動に配慮を要する方々から直接ご意見をいただくことは、障害者や団体等の負担も含め、対応が困難なことも予想されます。
このことから、ご提案の市独自の制度につきましては、来年度に設置予定の「障害者差別解消支援地域協議会」において、関係団体のご意見も伺い、対応が可能かどうかも含めて検討してまいります。

答弁:市民部長
バリアフリーのさらなる推進に向けた取り組みについてのうち、1点目の、社会体育施設におけるトイレの洋式化に向けた取り組みについてでありますが、本市といたしましても生涯スポーツの普及・振興のためには社会体育施設におけるトイレの洋式化は必要であると考えております。今年度は和邇市民体育館のトイレを男女1基ずつ洋式化したところでありますが、今後も、施設の利用状況を踏まえ、順次洋式化を進めていき、利用者が安心してスポーツを楽しんでいただけるよう努めてまいりたいと考えております。

答弁:福祉子ども部長
大津市の施設を対象としたバリアフリーの推進に向けた取り組みについてでありますが、このことにつきましては、来年度設置予定の、障害者差別解消法に基づく「障害者差別解消支援地域協議会」が、障害当事者、行政機関を含めた地域における様々な関係機関の参画のもと、障害者差別を解消するための取り組みを効果的かつ円滑に行うネットワークとしての役割を担うものでありますので、本市の施設のバリアフリーの推進に関しましても、この協議会を活用し、その協議等を踏まえながら、取り組んでまいりたいと考えております。
このことから、この協議会における有効な協議方法についての運用を検討する必要があり、議員お述べの、この協議会における会議設置や協議内容に係るご提案の趣旨も踏まえて検討し、協議会の議論が有意義なものとなり、その役割を果たすことによって、本市の施設のバリアフリーの推進につなげられるよう、努めてまいりたいと考えております。
 

庁舎整備の推進に向けた取り組みについて

1点目、庁舎整備基本方針の策定について。
平成29年度大津市一般会計予算案において、庁舎整備基本方針策定業務に要する費用、2268千円が計上されました。
議会配布資料によると、旧国有地を含む地域が土砂災害警戒区域に指定されたことから、中消防署及び第2別館の配置、また、隣接旧国有地の使途について再検討するものとし、本庁舎各棟の配置及び庁舎敷地の利用パターンを分析し、庁舎整備の基本方針を取りまとめることを業務内容とされていますが、予算編成時に作成された仕様書案と徴取された参考見積における業務量には相当のかい離があると判断するものです。
そもそも、参考見積を徴取された法人においては、登記簿謄本の目的に建築設計に関する業務は含まれていません。
担当課に予算積算根拠としての妥当性について確認したところ、庁舎整備における民間活力導入の可能性について検討したいと考えられたことから、
官民連携事業に関する業務に長けた当該法人に基本方針の策定も含めた形で参考見積を徴取されたとのことでした。
二役査定を踏まえ、庁舎整備基本方針策定業務に要する費用のみが計上されるに至りましたが、大津市は当該業務を平成
295月から平成303月にかけて実施する方針であり、基本計画の策定は平成30年度以降になることが見込まれます。

基本設計・実施設計を進めるためには、本館棟を免震工法で整備する上での構造上の課題整理を早急に行うべきであり、解体を予定されている別館棟についても、本館棟とあわせ建築物としての価値が高く評価されていることを踏まえ、対応を検討していく必要があります。
整備手法の可能性を調査することを否定するものではありませんが、それ以前に優先して検討すべき課題があることを、大津市はあらためて認識されるべきと考えます。
庁舎の整備スケジュールについては、平成2811月通常会議において、庁舎整備基本方針やその後に策定する庁舎整備基本計画の中で検討するとの見解が示されていますが、合併特例債の発行期限である平成32年度は目前に迫っています。緊急防災・減災事業債についても、現時点における発行期限は同年度となっていることを踏まえ、大津市は耐震化を目的とした庁舎整備の早期実現と財政負担の軽減をいかにして図る考えなのか。私からの指摘提言に対する見解とあわせて答弁を求めます。
また、庁舎整備基本方針策定業務については、専門知識や技術的な見識が必要となる業務であるにも関わらず、建築課には何の相談もされないまま予算の計上がなされています。執行部の英知を結集し、効果的に取り組みを進めるためにも、庁舎整備に特化した庁内組織を立ち上げることを提言するものです。大津市は検討体制の強化にいかにして取り組む考えなのか、見解を求めます。

最後に中消防署の整備に向けた取り組みについて。
消防局長は平成
2811月通常会議において、土砂災害警戒区域に指定された隣接旧国有地は、中消防署の設置場所として最適地とはいえず、市民理解を得ることは難しいとの見解を示され、市長自身も消防局の意見に十分に配慮しながら、庁舎整備基本方針や庁舎整備基本計画の中で検討していくと答弁されました。
しかしながら、移転候補地の選定については、事業者に委託できるものでなく、大津市自らが主体性をもって取り組んでいかなければなりません。消防署は庁舎の中で最も安全が求められ、なおかつ、災害時において最も重要な施設であるとの認識を示されたのは、他ならぬ大津市長です。
本来であるならば、市政運営の最優先課題であるにも関わらず、大津市の対応には危機感が感じられません。
あらためて質問しますが、中消防署管内において、消防局が適地と考える候補地は、大津びわこ競輪場跡地以外に存在するのかしないのか。また、現時点で適地が存在しないのであれば、大津市としてどのような対応を図っていく考えなのか。これまでの検討経過を踏まえて答弁を求めます。

答弁:総務部長

庁舎整備の早期実現と財政負担の軽減についてでありますが、平成27年度に実施した「隣接国有地を活用した庁舎整備検討支援業務」において、本館棟については、耐震性および機能性から絞りこんで、更にイニシャルコストを比較して、免震改修としたものであります。
議員ご指摘の本館棟を免震工法で整備する上での構造上の課題整理についての必要性は認識しておりますが、まずは、庁舎整備に大きな影響を与える土砂災害警戒区域等の指定が加わったことから、2―C案を基本とする一定の整備方針の見直しを行うこととしております。
議員ご指摘の課題につきましては、庁舎整備基本方針の策定後に進めていく基本計画等で、検討してまいりたいと考えております。
また、財源負担の軽減については、湖誠会の竹内議員の代表質問で答弁いたしましたとおり、合併特例事業債は活用期限が平成32年度までとされていること、平成29年度からは、多大な費用を要するごみ処理施設の改築更新事業が本格化すること、さらには、旧耐震基準の市町村庁舎の建替え事業を対象とした[仮称]公共施設等適正管理推進事業債が平成29年度より創設される予定であることなどの情勢を総合的に判断して、合併特例債については、目前に迫っているごみ処理施設改築への活用を目指すこととし、庁舎整備につきましては、今後の整備スケジュールにも照らしながら、新たな地方債や既存の緊急防災・減災事業債のような有利な財源の活用を念頭に検討してまいります。
次に、検討体制の強化についてでありますが、現在も、建築に関する建設部と、土壌汚染に関する環境部と連携して進めております。
今後、庁舎整備の検討の進捗に併せ、関係する部局も増えてくることから、順次、その段階に応じた体制や連携の検討が必要であると考えております。

答弁:消防局長

庁舎整備の推進に向けた取り組みについてのうち、中消防署の整備に向けた取り組みについてでありますが、消防局では、これまで、中消防署の整備に向けた候補地について、本市が所有する市有地を複数調査してまいりました。
現時点では、中消防署の整備に適した候補地の絞込みには至っておりませんが消防局といたしましては、中消防署の整備について、来年度策定されます庁舎整備基本方針の検討を注視し、敷地面積、迅速に出動するための接道、市内4消防署体制の位置的なバランスなどを考慮しながら引き続き調査検討してまいります。


大津市都市計画マスタープランの実現に向けた取り組みについて

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点目、ジュネーブ構想の必要性について。
平成
2811月に開催された「大津市総合計画・大津市都市計画マスタープランまちづくりフォーラム」において、同プラン案策定専門部会部会長から、かつて大津と琵琶湖はジュネーブとレマン湖に例えられたと紹介され、私自身も大津市の魅力を再認識いたしました。
しかしながら、新年度予算公表の直前になって、歴史や風土、そもそもの都市計画が異なることに対する検証も十分に行われないまま、市長自らが唐突に構想名を掲げられたことに、私は強い違和感を覚えました。

JR大津駅から琵琶湖岸までの中央大通りの地形、琵琶湖岸からの景観が同地を連想させることに由来するそうですが、眺めとしての景観と人々の暮らしや営みに根ざして形成される文化的景観とでは、まるで本質が異なります。
私は、他都市の良好なイメージだけを先行して印象付けることは、構想名だけが独り歩きし、次期大津市都市計画マスタープランがまちづくりの目標として掲げる、「古都大津の自然、歴史、文化を生かした魅力あふれるまちづくり」の妨げなってしまうのではないかと、危惧しています。
スイスのジュネーブには、国際連合の諸機関など多くの国際機関が所在し、世界各地から多くの観光客が訪れる都市であると認識していますが、大津市議会においては、昭和33年3月11日、「大津国際文化観光都市建設に関する決議」が全会一致で可決され、皇子山ハイツの跡地に国立国際会館を誘致する運動が官民一体となって展開されました。
同会館は京都市宝ヶ池に建設され、現在に至っていますが、国立ユースホステルセンターが大津市に整備されたのは、これら取り組みを経てのことです。誘致運動に使用されたパンフレットを見る機会があったのですが、大津市が目指す未来のまちづくりが描かれており、国際文化観光都市を目指す意気込みが伝わってくる内容でした。
時代は変われども、市民・事業者・行政が理念を共有して取り組めるビジョンを持つことは、大切であるとの考えを新たにしたものです。

先の大津市都市計画審議会において、ジュネーブ構想は大津市都市計画マスタープランを実現するひとつの手段であるとの見解が会長から示されましたが、同プランの精神・構想に沿ったものとする必要があることに加え、このような形で構想を打ち出すことは、最終的に市民や事業者と合意形成を図っていくうえで近道にならないと発言されました。
この
2点については、審議会として注意しておきたいと公言されたことを、市長は重く受け止められるべきと考えます。

次期都市計画マスタープランにおいては、「自然、歴史、文化を生かす 観光やにぎわい交流の創出」が理念に掲げられています。
世界的に知られた国際都市との比較を前提とする構想を掲げるのであれば、国際文化観光都市としてのこれまでのあり様や琵琶湖周辺の文化遺産が「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産-」として日本遺産に認定された意義などについても、市民・事業者と共に理解を深め、同プランに掲げられた
理念をまちづくりに反映させるべきと考えます。大津市長は中央大通りや湖岸なぎさ公園のさらなる利活用の図るため、なぜ、ジュネーブ構想の策定が必要になると判断するに至ったのか。私からの指摘提言を踏まえて答弁を求めます。

2点目、ジュネーブ構想及び大津宿場町構想を打ち出すまでの合意形成のあり方について。ジュネーブ構想の検討にあたり、大津市はJR大津駅前周辺からまちなか、湖岸における既存ストックを対象とした利活用の可能性、また、市場性について調査を行う目的で新年度予算案に1,200万円の予算を計上されました。同構想の素案に位置付けられたプロジェクトの大半は、大津市中心市街地活性化協議会のもとに設置されている大津駅周辺等活性化プロジェクト会議や湖岸デザインプロジェクト会議で実施検討されている事業であり、大津宿場町構想においても、町屋等歴史的遺産活用プロジェクト会議での成果が基盤となって策定されることになると認識しています。

両構想の策定にあたっては、大津市中心市街地活性化協議会のもとに設置されているプロジェクト会議との連携と相互理解が必要不可欠となりますが、どのような経過を踏まえて必要となる予算を計上されたのか。また、大津市民会館についても可能性及び市場性調査の対象に含まれていますが、何か特別な意図があってのことなのか。あわせて答弁を求めます。

3点目、歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取り組みについて。
都市計画部と教育委員会との連携のもと、歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画の策定を目指し、坂本地区を中心とした基礎調査に必要な予算が計上されました。
大津市全域の文化財を保存・活用していくためのマスタープランである、歴史文化基本構想の策定に要する予算についても、平成29年度から31年までを事業期間として債務負担行為の設定がなされたところであり、歴史文化を活かしたまちづくりを進めるうえにおいて、大きな一歩であると高く評価するものです。
5次大津市国土利用計画(案)においては、歴史的地域の見直しが行われたところですが、大津市は今年度に基礎調査を実施している大津百町エリアとあわせ、今後どういった方針のもとで歴史的風致維持向上における重点区域の設定を想定するつもりなのか。これまで国土交通省と行ってきた協議経過とあわせて見解を求めます。

4点目、立地適正化計画策定に向けた取り組みについて。
医療・福祉・子育て支援など都市の活動に関して重要な機能を都市計画に位置付け誘導していくためには、これら施策と立地適正化計画が一体となって解決すべき、都市が抱える課題とまちづくりの方針を設定・共有していかなければなりません。
大津市においても誘導区域の検討に先立ち、必要となる課題解決のための施策方針の設定に取り組むことになりますが、本市においては、金融機関なども含めた多様な職種の民間企業、大学、行政が事業検討や事業発掘をテーマとして対話することを目的に設置された「大津市版地域プラットフォームに関する円卓会議」とも情報の共有を図りながら取り組む必要があると考えます。
次期大津市都市計画マスタープランについては、次期大津市総合計画基本構想で描かれる将来都市像の実現に向け、総合計画や国土利用計画に加えて政策調整部が進行管理を行うことになりました。大津市はどういった方針のもとで立地適正化計画の策定を全庁的な取り組みとしていくつもりなのか。

答弁:市長

大津市都市計画マスタープランの実現に向けた取り組みについてのうち、なぜ、ジュネーブ構想の策定が必要になると判断するに至ったのかについてですが、市民ネット21の代表質問で答弁いたしましたとおり、中央大通り及び湖岸なぎさ公園の利活用について、地形的に似ているスイスレマン湖畔に位置するジュネーブの道路や湖岸を利用し、かつ、歴史的地区を残したまちづくりの手法なども参考に、恒常的なまちのにぎわいを創出するため、調査・検討を行うことに至ったものであります。
湖を活かし、文化的な景観を残したまちづくりを参考にするということで、そのままジュネーブと同じようなまちなみをつくると言うことではありません。
「ジュネーブ構想」とは、市民の皆様とともに進めようとしているまちづくりについて、わかりやすく理解していただくために必要であると考え、言葉としてあらわしたものであります。
今後、地域や事業者の皆様と合意形成を図りながら、大津ならではの自然、歴史、文化を生かしたまちづくりについて検討し、水辺を生かしたにぎわいと活気のある大津をこれからつくりあげていきたいと考えています。

ジュネーブ構想は、次期都市計画マスタープランのまちづくりの理念である「自然、歴史、文化を生かす 観光やにぎわい交流の創出」を実現する為のものであり、また議員お述べの、国際文化観光都市の決議の主旨にも沿っており、大津市史をひもとくと過去にも近畿観光圏を「東洋のジュネーブ」たらしめると言う構想が有った事とも通じるところがあります。
そして、琵琶湖の水の文化が日本遺産に認定された意義についても理解を深めながら、地域や事業者の皆様とともに取り組みを進めてまいります。

答弁:都市計画部長

大津市都市計画マスタープランの実現に向けた取り組みについてのうち、ジュネーブ構想及び大津宿場町構想がどのような経過を踏まえて必要となる予算を計上されたのかについてでありますが、本市では、中心市街地活性化協議会、及びその部会となる各プロジェクト会議と連携し、オープンモールやびわガーデンなどの事業に継続的かつ積極的に取り組んでいます。
平成29年度当初予算は、中心市街地活性化事業を基本に、道路や公園など公共空間の活用、また湖岸の利活用や町家の利活用策をさらに継続、発展させるために、新たな視点も加えて、検討するための予算を計上したものです。
次に、大津市民会館につきましては、中央大通りとなぎさ公園が交わる位置にあることや、ジュネーブ構想において既存のストックの利活用を行うことから調査対象としています。

次に、歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取り組みについてでありますが、本市の歴史と文化を活かしたまちづくりは大変重要であると考えており、歴史まちづくり法を見据えた取り組みを推進するにあたり、国土交通省の助言に基づき、現在、中心市街地活性化区域周辺のエリアを対象とした基礎調査を行っているところです。
これまでに国土交通省から、当計画の策定にあたっては、全市域に存在する歴史・文化遺産や伝統行事などの調査が必要であること、また、重点区域の設定の方針については、歴史まちづくり法において要件となっている重要文化財などがあり、伝統的な地域の活動が存在するエリアであることが必要であるなどの助言をいただいております。
したがいまして、重点区域の設定につきましては、歴史文化基本構想を踏まえつつ、全市域にわたる調査を行ったうえで、重要文化財の分布状況や地域の活動の状況等から総合的に判断する必要があると考えております。

次に、立地適正化計画の策定に向けた取り組みについてでありますが、本市は、人口減少・少子高齢化に対応した持続可能なまちづくりをめざしていることから、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の都市構造が必要であり、その実現のための計画として立地適正化計画は大変重要な計画であると認識しております。
そのため、今年度から2カ年で、立地適正化計画の基礎調査を行うとともに、公共施設マネジメントの取り組みや福祉・医療施策との整合を図り、解決すべき課題を明確にする必要があることから、庁内関係部局との連携を図ることが大変重要となってまいります。
このことから、都市計画マスタープランの高度化版である立地適正化計画に向けた取り組みについては、都市計画部が中心となり、マスタープラン案策定庁内作業部会に医療・子育てなどの担当部局を加えた体制強化を図り、横断的な組織体制で取り組む方針であります。


大津市ガス事業中長期経営計画について

次期大津市中長期経営計画案においては、翌年度から始まるガスの小売り全面自由化を見据えた対応策として、PFI法に定める公共施設等運営権制度を活用した運営方式(以下、コンセッション方式)について導入の可能性を検討していることが明記されています。
しかしながら、新年度予算案において予算が計上されている、ガス事業における官民連携手法導入等に関するアドバイザリー業務については、大津市企業局とパートナー事業者が共同出資する官民連携出資会社を設立し、この法人に公共施設等運営権を設定したうえ、ガス事業を行わせるために必要な支援を専門的な観点から受けることを目的としており、いわばコンセッション方式ありきで委託されようとしています。
大津市企業局においては、当該事業スキーム案の具体的な検討その他のガス事業の新たな運営手法を調査審議することを目的として、「大津市ガス事業のあり方検討委員会」を設置するための予算も計上されましたが、委託事業者からの支援のもと、大津市企業局の意向を追認する形で検討が進められないか、危惧を抱くものです。
今さら申し上げるまでもなく、中長期経営計画は公営企業である大津市企業局が経営戦略として策定するものであり、ガスを購入する市民・事業者から理解が得られるものでなくてはなりません。
なぜ、大津市企業局はコンセッション方式ありきで検討を進めようとしているのか。

答弁:公営企業管理者

「コンセッション方式ありきでの検討について」でありますが、本構想に至る過程で、包括委託や指定管理者制度など、考えられる様々な手法についても検討を行ってまいりました。
その結果、お客様へ低廉な料金水準による持続的な、より質の高いサービスの提供ができる事業運営形態の構築が必要であると考え、現在、官民連携による運営形態が有力な手法として検討しております。

 

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