【討論】

10月18日、9月通常会議に提出をされていた決算関連議案について採決が行われました。所属会派・志成会については、下記決算案について、賛成・反対の立場で討論を行いました。市政運営のさらなる改善につながることに期待をするものです。

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討論者:藤井哲也議員

議案第97号 「平成28年度大津市一般会計の決算の認定」に対して会派・志成会を代表して反対討論を行います。

決算審査をつうじて、多くの課題が明らかとなりましたが、特に以下3点について指摘し、反対討論といたします。

1点目、指定管理者に対するモニタリングについて。

指定管理者に対するモニタリングを実施する目的が所管課において正しく認識されているのか、疑問に感じられる事業が確認されました。期別毎におけるモニタリングの充実を図られるとともに、チェック項目についても、個別の事業内容に即したものとなるよう、所管課において積極的に見直しを図るべきと判断するものです。


なお、モニタリング結果と事務事業評価との整合が図られていない事業が確認されました。今後は施設設置者の視点のみならず、施設を利用する側の視点、すなわち、サービスを受ける側に立ったモニタリング状況のチェックが必要であると考えます。市民のニーズが提供サービスや維持管理に反映されているか、また、関係法令や指定管理者におけるコンプライアンスに問題はないか等について、第三者的な視点でチェックする体制の構築を提言するものです。


2点目、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業者選定委員会の設置について。

昨年11月通常会議で、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業者選定委員会の設置議案が提出され、本年8月下旬に同委員会の答申を受け、本市は大和リース滋賀支店と基本協定を締結するにいたった。

さて、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業者選定委員会であるが委員の過半数を市長の補助機関を構成する市職員が占めるなど、独立性が求められる本市の附属機関のありようが本件を通じて問われている。「附属機関等の設置及び運営に関する指針」の規程も他市を参考にしつつ改善が図られるべきであり、また、その運用にあっても議会や市民から疑念を持たれないように努めなければならない。

3点目、観光プロデューサーの出向負担金の支出について。

昨年11月に観光プロデューサー出向負担金に関して、私は大津市長に対して公金の返還請求を行った。代表監査委員と議選監査委員2名、公認会計士の4名の監査委員にあっては慎重な審議を行っていただき、本年2月に監査結果が出たところである。

その中で、監査委員は「本件協定締結にあたり、支出しようとする金額について明確な積算根拠もなく、妥当な額であるかについての十分な精査もなされずに協定が締結されたことは誠に遺憾であると言わざるをえない」とし、「本件措置請求に対する判断については、請求に理由がないものとの結論に至ったが、請求人が今回、措置請求するに至った経緯は、平成28年度の出向職員の募集に当たり、募集要領において、出向負担金は出向元が規定する給与等の額を超えることはできないとされているにも関わらず、その経費内訳を求めていないところにあると言える。」、「出向業務に関しては、労働法や税法等の関連法令に関して配慮すべき事項も多くあることから、市としてのルール化を図ることが必要」とされた上で、「いずれにしても、本件協定書の出向負担金の積算根拠を明確にし、消費税等の取扱いについても適正に処理されるとともに、今後、出向による嘱託職員の募集に当たっては、公平性、透明性の確保に十分留意されたい」と述べておられる。

 つまり市行政の統制機関である監査委員の統一見解として、「出向負担金の積算根拠を明確にし、消費税等の取扱いについても適正に処理される」べきとしている。

この監査意見に則り、本年2月通常会議一般質問にて、観光プロデューサーの出向負担金の積算根拠と消費税等の取り扱いについて問うたところ、本市は質問に対してまともに回答をしようとしなかった。大津市が積算根拠を明らかにしなったことによって、出向負担金のうち不適正に支出された額の正確な算定ができなかったが、いずれにせよ、本市が説明責任を果たさない限り、決算認定はあり得ない話である。

越市長は徹底した情報公開、行政改革を進めるとしているが、その実は、市民目線から外れてはいないかと危惧をしている。出向負担金の積算根拠を明らかにしないことや、市民意識調査をコストを理由として昨年度から実施していないが誰のための行政改革かも分からない、こうした姿勢を、市長は真摯に猛省をしなければならないのである。こうしたことは、市議会議員諸兄にも共感して頂ける部分だと考える。

なお、平成28年度は前・大津市総合計画の最終年度であった。

より効果的で効率的な予算執行を進めるために行政評価システムが本市でも取り入れられてきたが、ここ数年間、施策評価は実質的に形骸化していた。最終年度の昨年度事業についてようやく施策評価らしきものがなされ、数年間にわたり会派として施策評価の重要性を述べてきた観点から、一歩前進したと考える。

現・総合計画を年次評価する行政評価システムを現在、構築中とのことであるが、限られた財源の中で、総合計画が効果的・効率的に推進されるように、その制度設計にあたっては今後、議会の意見も十分に取り入れ、完成させなければならないことを申し述べる。

以上

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討論者:谷 祐治

議案第108号 平成28年度大津市水道事業会計の決算の認定について
議案第109号 平成28年度大津市下水道事業会計の決算の認定について
議案第110号 平成28年度大津市ガス事業会計の決算の認定について

志成会を代表して賛成の立場で討論させていただきます。
共通する事項については、一括して申し述べさせていただきます。

1点目、契約事務について。

委託や工事については、おおむね適正に発注されていたものと評価をいたします。

しかしながら、下水道事業会計における管渠補修工事については、特定の事業者に受注の偏りが見受けられました。随意契約を否定するものではありませんが、特定の工法を指定しての発注であることを踏まえ、契約過程の透明性をより高める必要があると考えます。

最小の経費で最大の効果が期待できる工事発注のあり方について、あらためて検討されることを求めるものです。

また、平成28年度においては、前年度に黒津地区における排水路雨水幹線整備において不適切な契約が行われたことを踏まえ、企業局あげて内部統制の強化に努めてこられたものと認識をしていますが、これからも人員配置の適正化に取り組まれるとともに職場風土のさらなる改善に努められることを求めるものです。


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点目、税務処理を含めた会計事務について。

前年度における包括外部監査においては、「消費税計算について、過去の税務署からの指摘に従い処理した過年度分の税務申告の中に、より有利な選択に見直す余地があった」との意見が付されています。企業局に確認を行ったところ、更生の請求手続きによって還付を受けたとのことであり、監査の意義をあらためて実感いたしました。精査のうえ適正に申告なされたことを評価するのですが、税法の改正状況については、必要に応じて専門性を有する税理士から指導を受けられるなど、市民の利益が損なわれることのないよう、引き続き努められることを求めるものです。

また、貯蔵品・固定資産管理を含む会計事務に関し、財務事務処理の誤りを包括外部監査委員から指摘を受けています。貯蔵品の管理をより一層適正に行う体制の整備とさらなるチェック体制の強化を合わせて求めるものです。

なお、平成28年度大津市公営企業会計決算意見書において、監査委員からは、水道事業会計における営業費用の資産減耗費の処理のあり方について、また、ガス事業会計において、固定資産除却費の計上のあり方について、指摘がなされました。適正な形で経営分析がなされるよう、引き続き努めてられることを求めるものです。

以上

討論者:山本 哲平 議員


議案第111号  平成28年度大津市病院事業会計の決算の認定についてに対して、志成会を代表して反対の立場で討論を行います。

決算審査等を通じて認識した諸課題のうち、特に大きな問題であると考えられる2点を述べて討論と致します。

まず1点目は、監査委員から指摘をされた土地の大幅な時価下落における注記の未記載の問題です。
決算審査を通じて、監査委員、健康保険部、そして分科会に参考人として出席された市民病院の職員からそれぞれの見解を伺いました。それらの意見を踏まえて、我々としては監査委員の意見で述べられているように注記の必要性はあったと判断しました。

地方公営企業としての最後の決算であり、時価下落額が多額である点などを重要視し、地方公営企業としての市民病院の財務状況等がどうであったかをしっかりと後世に伝える為にも注記は必要であったと考えます。

2点目は、経営アドバイザーの成果についてです。

平成28年から嘱託職員として日給20万円で月に1・2回、経営アドバイザーに来ていただいています。関連予算を審査した際には、経営アドバイザーを雇用することで大きく経営状況が改善するとの答弁がありました。しかしながら、実際の経営状況については補正予算での対応を余儀なくされるほどの厳しいものとなり、期待される成果が出たとは評価できるものではありませんでした。

病院の経営については、診療報酬などの国の医療政策に大きく左右される部分が多々あり、経営アドバイザーだけの問題であるとは言い切れないとは考えます。しかしながら決算審査を通じて経営アドバイザーの成果を具体的に確認しましたが、多額の給与を支払ってまで来ていただく必要があったかどうかについては疑問視せざるを得ないものでありました。

以上の2点を踏まえて、市民病院の決算の認定には反対すべきと考えます。

以上

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