【委員長報告】

3月23日、防災対策特別委員会委員長として、議長に所管事務調査等の結果について報告(中間報告)を行いました。

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防災対策特別委員会 中間報告

当委員会は、防災、危機管理対策に関する諸問題を調査するため、平成 28 年5月の招集会議において設置され、今年度は、本市災害時受援計画をはじめとして、市民センター機能のあり方が防災関連計画に及ぼす影響、緊急輸送道路 網のあり方、要支援者の支援体制と地域における課題など、業務継続計画の実効性を高める災害時受援計画の策定と本市の防災、危機管理対策の課題解決を目的とし、さまざまな観点から調査・研究を行いました。  その概要を報告いたします。

まず、大津市災害時受援計画について報告します。
大規模災害時の避難所運営など、市だけでは対応できない業務の受け入れに必要な体制などを事前に定め、他の自治体や関係機関などからの、人・物資の支援を最大限に生かすことのできる計画となるよう、調査を行ってまいりまし た。
大津市職員で対応する業務量については、地域防災計画や業務継続計画など をもとに精査され、不足する人員については、他都市から応援を受けることになりますが、受援対象業務シートについては、大津市が被災地での応援業務を通じて得た経験が反映されたものとなっていますが、業務シートは一度作成したら終わりではなく、より実効性を高められるよう、他都市での災害や本市の災害対応の体制等を踏まえ、内容を適宜見直す必要があります。
また、次年度以降、災害廃棄物仮置場候補地の抽出や災害時物流マニュアルの策定に取り組む方針が示されていますが、その進捗状況に応じて災害時受援 計画を適宜更新されるなど、その実効性を高めることに継続して留意することを求めるものです。

次に、市民センター機能のあり方が防災関連計画に及ぼす影響について報告します。
この 2 年間の調査を通じて、公共施設マネジメントと危機防災を所管する総務部、そして、市民部を中心とした執行部内における課題精査は不十分であったと評価するものです。
基幹支所にエリアマネージャーが配置されるという見込みのもと、防災関連 計画に及ぼす影響について調査を行ってきましたが、市民センター機能のあり方を巡る方針の転換によって、前年度から継続して行ってきた調査の前提は覆ることになりました。
大津市は平成 35 年度から、全ての市民センターをコミュニティーセンターへ移行する方針を素案において示していますが、行政機関共有用災害要援護者名簿の共有や保管が地域の団体が主体となって担いきれるものなのか、地域の実状を踏まえた対応が求められると判断するものです。
今後、市民センターの再編の議論を進めていくにあたっては、学区における 防災拠点としての機能をしっかりと果たし、地域の防災力が低下しないよう留意することを求めます。

次に、緊急輸送道路網のあり方について報告します。
本市地域防災計画において「滋賀県緊急輸送道路ネットワーク計画」を基に、 災害時の緊急輸送活動を円滑に実施するための緊急輸送道路を位置づけており、大津市道については、市庁舎や主要な防災拠点を連絡する「第2次緊急輸送道路」のうち、現在7箇所、距離にして約8キロを指定しています。
委員会では 維持管理の現状や、緊急輸送道路沿いの建築物の耐震改修の補助制度について、調査・研究を行いました。
緊急輸送道路網については、県道や国道、高速道路との接続状況に留意をしたうえ、安全対策を講じていく必要があることを確認いたしました。
防災上、必要となる道路については、計画的に整備を進めるとともに、横断歩道橋や橋梁についても、国が定める基準に基づき、早急に点検を行ったうえで、必要に応じて適切に維持補修されることを求めるものです。

 
最後に、要支援者の支援体制と地域における課題について報告します。
避難行動要支援者の支援体制と福祉避難所を巡る諸課題については、龍谷大 学社会学部・筒井のり子教授をお招きして所管事務調査を行いました。「近年の 災害における要配慮者の避難実態と課題及び福祉避難所について」をテーマに ご講演いただきましたが、避難行動要支援者名簿については、大規模災害発生時において、円滑な活用を図ることができるのか、被災地における事例を検証しながら、市民センター機能のあり方とあわせ、公助の関りについて予断なく検討する必要があります。
対象者が多数に及ぶことから、真に支援を必要とさ れる方のさらなる精査が必要になると考えます。
一方、一部の福祉避難所については、バリアフリー化が図られておらず、トイレについても、福祉避難所となることを想定して整備されていないことから、 早急にそのあり方を見直す必要があります。
また、一次避難所についても、障がい者や介護を必要とされる高齢者の利用が想定されることから、誰もが安心して利用できる避難所の運営が求められます。
そして、平成 28 年の熊本地震では、障害の特性が正しく理解されず、やむなく車中泊などを余儀なくされていたという事例を踏まえ、避難所運営マニュア ルの精査を求めるものです。

以上が当委員会の調査概要でありますが、近年、豪雨災害や台風による被害が相次ぎ、本年2月には政府の地震調査委員会が南海トラフ沿いで、マグニチ ュード8から9の大地震が30年以内に発生する確率が70%から80%に高 まったと発表しました。 これまでの防災対策・体制では十分であるとは言えない点も多くあり、今後、 発生しうる災害に対しての備えの充実や、大津市地域防災計画に基づく個別計画などの実効性をより一層高めていく必要があります。
本委員会としても、大津市の防災力向上に向け取り組みを注視していく必要があると考え、次年度も引き続き調査研究を進めてまいりますことを申し上げ、当委員会の中間報告と いたします。

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夕刻からは、仮称)大津市土地利用基本条例の策定に向けた政策検討会議に出席
条例の方向性を確定させるうえにおいて、節目となる会議となりました。

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