【反対討論】

10月2日、9月通常会議に提出された議案のうち、決算関連議案を除く議案及び請願・意見書について採決が行われました。議案のうち、旧大津びわこ競輪場用地を民間事業者に貸し付けるための議案については反対をいたしました。採決の結果、賛成多数で可決をされましたが、私は、下記理由をもって、反対すべきと判断いたしました。

181002.jpg


議案第128号 財産の無償貸付について、議案第129号 財産の減額貸付について、志成会を代表して、反対の立場で討論いたします。

当該議案は、旧大津びわこ競輪場用地を民間事業者に貸し付けるための議案です。
今議会における質疑一般質問、ならびに総務常任委員会でもあらためて指摘を行いましたが、中消防署の移転用地がいまもって選定されていません。

平成29年12月、大津市は中消防署の更新整備に係る候補地として、別所合同宿舎、皇子山総合運動公園国体記念広場及び同多目的広場(通称、4面グラウンド)、大津市伝統芸能会館駐車場、大津市役所別館敷地業務用駐車場を選定されました。
平成30年2月通常会議において、それぞれの候補地の実現性について検証すべく、関係法令や防災上の観点を踏まえ、大津市に見解を求めましたが、いずれも候補地も実現性に乏しいと評価せざるをえない答弁内容であり、今議会においても、総務常任委員会で検討の進捗を確認いたしましたが、
そもそも、国有地(別所合同宿舎、皇子山総合運動公園国体記念広場及び同多目的広場)に関しては、財務省側の意向を踏まえなければ、絞り込みのしようもありません。

現時点においても、大津市議会に対して、候補地の選定に進展があったとの報告はありません。私は、大津びわこ競輪場跡地の利活用方針を議論するにあたり、中消防署の用地が選定できていないなかで、そのすべてを民間事業者に対して長期に貸し付けるべきでないと考え、他に用地は確保できるのかと確認を行いましたが、大津市消防局は絞り込みに至っていないといった趣旨の答弁に終始され、今日に至っています。
仮に、現時点において、大津市が交渉する相手側の意向を踏まえ、水面下で候補地の選定に向け、検討や折衝を行われていたところで、用地取得に至らなければ、その事実すら明らかにされることはないのではないかと、危惧するものです。

大津市議会は1年前の平成29年10月2日、「必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求める決議」を全議員賛成のもとで決議しています。

決議の内容をあらためて読み上げさせていただきます。

必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求める決議

庁舎関連整備を目的に取得された隣接旧国有地については、平成 28 年3月に熊野川土砂災害警戒区域に指定され、個別解除の可能性や対策工事の内容などについて滋賀県に照会がなされるも、同年8月には、敷地内における対策工事では解除できないとの結論に至っている。  

現在、大津市においては、平成 27 年度に実施された庁舎整備検討業務で示された、本館は免震工法、別館は取り壊し、その上で中消防署を含む新棟を整備することを前提とする案のもと、基本方針の策定が進められているが、平成 28 年 11 月通常会議において、土砂災害警戒区域に指定されている隣接旧国有地については同署の設置場所として最適地とは言えないとの見解が示され、平成 29 年9月通常会議においても、建設候補地について調査検討していくとの答弁が繰り返されている。

今年度、庁舎整備基本方針を策定するにあたり、遅くとも本年9月までに中 消防署移転候補地の選定を終えているはずであったが、現時点において大津市は適地を見出せておらず、その目途すら示されていない。 中消防署用地の選定ができていないままで庁舎整備基本方針を策定することは、大規模災害発生時における対応力や庁舎整備基本計画の実現性に影響を及ぼす事態となりかねず、この状況を看過することはできない。

よって、本市議会は、必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、大津市長に対し、早期に中消防署用地を選定することを求めるとともに、その選定に当たって、適地と判断した理由について本市議会及び市民に対し明らかにすることを求める。

以上、決議する。

平成 29 年 10 月2日  

大 津 市 議 会

施設の解体を民間事業者に委ね、敷地の賃料が大津市の収入になったとしても、市有地以外において土地を確保するためには、相当な費用を要することになります。
しかしながら、それでも、中消防署の整備にふさわしい用地が早期に確保できれば良いのですが、その目途すら議会に明らかにされないのであれば、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業土地使用貸借契約書第9条が定める、市において貸付土地を公用に供する必要が生じた時には契約を解除できることをもって、市長は政治判断をなされ、方針を転換されるべきと考えます。

本庁舎の耐震化にも影響を及ぼす、中消防署移転整備用地の選定がいまだ実現しないなか、その候補地となりえる大津市民の財産が民間に貸し付けられることに強い危機感を覚えるものです。
事業者に対する補償等の問題が生じることは認識をしておりますが、市民の安全は何ものにも代え難く、災害対応拠点の整備は最優先で取り組むべき喫緊の課題です。
よって、議案第128号及び第129号については、大津市議会として可決すべきではないと考えます。

以上をもちまして、当該議案に対する反対討論といたします。

«
»