市民センター機能のあり方

2月4日、市民センター機能等のあり方について、市民部から説明を受けました。年間総削減額を素案では4億2108万円であったものを実施案では、6億4800万円と算定されています。市民センターの職員数やサービス提供時間の見直しに伴って見込まれる削減費として説明を受けましたが、これに伴って増加する全庁的な人件費については、市民サービスに及ぼす影響を見極めたうえで精査されるべきであり、コミュニティセンターの維持管理に要する費用(まちづくり協議会への指定管理料)についても、持続可能な組織運営に見合うものとならなくてはなりません。ですので、現時点において、コスト削減をことさら強調されたところで、意味のある数字として評価するには値しないと考えます。
 
また、行政手続きのオンライン化など、支所の業務内容や業務量の見直しによるさらなる人件費の削減が今後の減額要素として見込まれていますが、これを実現するにあたって必要となる設備投資や維持管理に要する費用は増額要素でもあることから、なおさらのことです。
行政サービスを提供するにあたり、コスト意識を持つことは大切なことと考えますが、費用対効果に対する検証も不十分なまま、不確定な数字をことさら強調する必要はないと考えます。

 
わたくし、住まいする学区において、地域活動団体の長を務めております。
実感として申し上げますが、大津市から「様々な人材の発見・発掘が出来る場所」がコミュニティセンターだと言われても、まったくもってピンときません。

 
私の知る限り、各種団体とも、限られた人員体制のもと、様々な事業や活動を通じて、理想とされる社会の実現に取り組まれています。
活動を継続・発展させるため、人材の育成にどれだけご苦労されていることか…。
 
長年に渡る活動の成果として、大津市が想定する場所として機能する可能性を否定するわけではありませんが、「コミュニティ」という言葉だけを全面に出したところで、何がどう変わるわけでもなく、これまで公民館専門員が担ってこられた役割の大きさ等を踏まえて方針を示さなければ、「地域の主体的な学びの実践の場」にはなりえないと考えます。
 
また、防災面においても、「初動支所班の体制強化と地域自主防災会等との連携強化に取り組む」とありますが、避難所担当員が配置されているのは小中学校の体育館に限られています。
避難所を対象とする応急危険度判定(セーフティチェック)が少しでも円滑に行えるよう、私自身も建築士会の一員として取り組んでいますが、地区防災計画・避難所運営マニュアルの策定とあわせ、その実効性を高めていただくことは、喫緊の課題と認識しています。
 
大地震が発生した際、自宅最寄りの指定避難所へ自主的に避難をいただいても、直ちに避難所として開設されるわけではありません。
災害対策本部が開設する方針を示した施設については、避難所担当員(もしくは施設管理者)が安全と判断される、または、その判断がつかず、同本部⇒建築課経由にて応急危険度判定が実施され、安全と確認されるまでの間は、原則として開設には至りません。(避難所担当員、もしくは施設管理者が安全と判断され、避難所として使用された場合においても、後に応急危険度判定は実施されることになります。)
また、滋賀県が設置する施設についても避難所に指定されていますが、県・市の相互認識は十分ではありません。
 
支所の防災機能については、業務継続計画や受援計画の実効性を踏まえ、初動支所班に求められる体制が構築できるかを検証し、先に述べた避難所開設にあったての諸課題をあらためて精査したうえで再検討すべきと考えます。

 
追記:
大津市は当初、エリアマネージャーを配置する方針を掲げていました。
当時、私は防災対策特別委員会の委員長、本市土地利用のあり方を検討する政策検討会議の座長を務めておりましたことから、どういった役割を担われることになる職員なのか、執行部の皆さんと何度も議論をいたしました。
ですので、方針を撤回された時には「今までの議論は何だったのか…。」と思ったものです。
 
越市長1期目においては「地域経営会議」をエリアごとに設置する方針を掲げられていましたが、モデル地域を設けられることもなく、早々に方針を撤回されました。
この時も、どういった実感、根拠をもって掲げられた方針だったんだ…と思ったものです。
 
振り返りますと、越市政においては、庁内における政策形成過程において、市民意見等を踏まえた議論や検討が不十分なまま、先もって方針だけが示されることが多いと感じています。
 
私は、大津市庁議規程そのものの形骸化が要因の一つと考えています。
来る2月通常会議、市政の総合的な重要施策、新規事業等について基本方針を審議し、決定することを目的とする二役会議のあり方について問題提起するつもりです。

 

 

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