登壇

6月16日、下記3項目について質疑・一般質問を行いました。下記に質問内容ならびに答弁内容の要旨を掲載させていただきます。

 

 
令和4年6月通常会議 谷 祐治 質疑・一般質問 要旨
*正式な議事録ではございません。

 

〇大規模地震発生時において施設管理者等が避難所施設の安全性を確認するために必要となる平常時からの取り組みについて
 
令和4年5月、危機・防災対策課主催による避難所担当員を対象とした研修会が開催されました。公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会・同湖西滋賀地区委員会は大津市と災害時における避難所施設等のセーフティチェックに関する協定を締結しており、同会に所属される被災建築物応急危険度判定士も研修に参加されました。大地震発生時、小中学校体育館を避難所として開設するにあたり、まずもって、施設管理者または大津市職員である避難所担当員が安全確認を行い、その後、災害対策本部からの指示に基づき建設部建築課を経由して同判定士が派遣されることになります。大規模地震の発生に備え、大津市ならびに教育委員会が主体となって取り組むべき事前準備があるとの認識に立ち、以下、3点、指摘提言を行います。

 

1点目、大規模地震発生前における構造体等の現状を記録したカルテの作成について。

内閣府が示す「大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」において、建築の専門知識を有しない施設管理者等が避難所施設の被害状況をより正確に確認するためには、平常時におけるひびわれ等を事前に調査し、記録しておくことが必要と記されています。大規模地震による損傷か否かを判別するために欠かすことのできない取り組みと認識していますが、大津市においてはカルテが作成されておらず、定期的に更新する仕組みも構築されていません。避難所担当員を対象とした研修当日、参加された職員さんからも不安の声が聞かれました。
 
リンク:谷ゆうじ活動レポート 2022.05.20 避難所担当員研修
 
建築物や建築設備等の状況は人間の体と同様、様々な要因によって変化していきます。建築基準法では、防災上の観点から定期報告制度が設けられており、不特定多数の人が使用する特定建築物及び特定建築設備等について、所有者又は管理者は、その敷地、構造及び建築設備等の維持管理状態に関し、専門の技術者に調査又は検査させ、その結果を特定行政庁に報告することが義務づけられています。
大津市においては、建築課が当該点検ならびに法令では対象とならない建築物の任意点検を実施されており、地盤の沈下、コンクリートのひび割れ、鉄骨の腐食等の劣化状況について、3年以内ごとに調査されています。当該カルテを早急に作成し、内容の更新を適宜行っていくための仕組みを先に述べた法定点検の結果を反映させることで構築されてはと提言するものです。大津市は今後、どういった方針のもと、内閣府が指針で示す避難所施設における構造体等の現状を記録したカルテを作成していく方針なのか、見解を求めます。

 

2点目、避難所施設被害チェックリストの見直しについて。大津市は避難所施設の構造毎に「避難所施設被害チェックリスト」を作成しています。施設管理者や避難所担当員は地盤や建築物の損傷等に対するいくつかの設問に対し、一部の項目を除き、A・B・Cに区分された被害状況と照らし合わせて安全性を確認し、その結果を集計したうえで避難所の開設が可能か不可能かを判断することになります。Cの答えが一つでもある場合は「危険」と判断され、避難所の開設は不可、Bの答えがある場合には「要注意」と判断され、同じく、避難所の開設は不可、Aのみの場合は「安全」と判断され、避難所開設は可能となります。
 
いずれの結果であったにせよ、災害対策本部事務局に被災建築物応急危険度判定士の派遣を要請することになりますが、公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会・同湖西滋賀地区委員会に所属し、名簿に登録されている同判定士の人数は限られており、現状においては、応急危険度判定の実施までに相当な時間を要することも想定しておかなければなりません。B判定区分において、「少し」「わずか」といった被害状況が軽微と受け取れるような表現が用いられていますが、より迅速かつ被害状況に見合った判断が可能となるよう、避難所施設被害チェックリストの内容をあらためて見直されるべきと提言するものです。同チェックリストに対する現状の評価と今後の見直し方針について見解を求めます。

 

3点目、避難所担当員が配備されている小中学校の施設管理者ならびに他の公共施設の管理者を対象とした研修のあり方について。大津市は危機・防災対策課主催による避難所担当員を対象とした研修会を継続して開催していますが、小中学校が開校している時間帯においては、避難所開設の可否を学校職員に判断いただくことになります。今後は教育委員会と連携を図りながら、全市域を対象として、小中学校の施設管理者にも継続して研修を受講いただく機会を設けられてはと考えます。そのうえで、避難所担当員と連携を図りながら、安全確認の習熟度を共に高めていただきたいと期待するものです。また、現在、大津市において避難所担当員の配備は小中学校の体育館に限定されていることを踏まえ、指定管理者施設を含めた大津市が設置する他の公共施設においても円滑に避難所開設の可否が判断できるよう、取り組みを強化されるべきと考えます。

大津市は今後どういった方針のもと、避難所担当員が配備されている小中学校の職員ならびに他の公共施設の管理者を対象とした研修に取り組んでいくつもりなのか、見解を求めます。
 
答弁:危機管理監
 
1点目の大規模地震発生前における構造体等の現状を記録したカルテの作成についてでありますが、現在、本市では、避難所担当員の初動対応セットの中に施設の建築図面や建物内外の写真、過去の定期点検結果報告書を配備し、施設の損傷が大規模地震によるものかどうかの判断材料とすることとしていますが、カルテはまだ作成していません。
議員お述べのとおり、建築基準法に基づく定期点検等の結果を用いることで、カルテの作成・更新が円滑に進むと考えられることから、今後、避難所担当員が判断しやすくなるようにその活用を検討してまいります。
 
2点目の避難所施設被害チェックリストの見直しについてでありますが、内閣府の「大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」に添付されているチェックシートにおいては、項目ごとに「はい」か「いいえ」かの2者択一式でチェックすることとされており、建築の専門知識を有しない者にも一義的でわかりやすいと考えられることから、今後、本市において避難所の開設可否の判断が迅速かつ確実にできるよう、2者択一式の採用を含め、チェックリストの見直しを検討してまいります。
 
3点目の避難所担当員が配備されている小中学校の施設管理者ならびに他の公共施設の管理者を対象とした研修のあり方についてでありますが、本市では避難所担当員研修を毎年5月に開催しておりますが、これまで施設管理者は受講対象としていませんでした。今後は、同研修会への参加を要請することなどを含め、更なる取組に努めてまいります。
 
再質問
 

大規模地震発生前における構造体等の現状を記録したカルテの作成について。今後、法定点検の結果を反映できるよう、検討されていくとの答弁でした。大地震はいつ発生するかわかりません。早急な対応が求められます。早速、今年度から取り組んでいただければと期待するものですが、そのように理解してもよろしいでしょうか。
 
次に、研修のあり方について。教育委員会と課題認識を共有された上で議論されるべきと考えます。この点を踏まえて改めて答弁求めます。

 
答弁:危機管理監
 

定期点検結果報告書について、地震発生時の緊急点検時に活用しやすい内容について検討した上で、これを早期に活用していくため、今年度中から取り組みたいと考えております。
続きまして、教育委員会との連携のあり方について。例えば小中学校の管理者には学校長会の後に防災部局から説明のお時間を取っていただくことを考えており、教育委員会と協議していきたいと考えています。
 
 
〇共生社会の実現推進に向けた取り組みについて

 
1点目、大津市公共サインガイドラインの策定に向けた取り組みについて。大津市は様々な目的で公共空間に地図や標識などを設置しています。以下、これらを公共サインと総称しますが、適切に維持管理されていないものが市内各地で散見されます。一例として申し上げると、大津市民会館前に設置された音声・触知案内図については押しボタンが壊れたままであり、長等市民センター前の周辺地図については、劣化が著しく、もはや地図と言える状態にありません。また、地図表記の修正については、所管課の枠組みを超え、大津市として一元的に対応されるべきであり、誤った情報が発信されている現状は早期に解消されるべきと考えます。
 

 

 

 

 

 

 
公共サインの整備更新、また、適切な維持管理を行うにあたり、景観や周辺環境との調和に配慮することにあわせ、ユニバーサルデザインの視点を踏まえながら、新たに大津市公共サインガイドラインを策定されることを提言するものです。大津市は今後、どの様な方針のもと、誰にとっても見やすく、分かりやすい公共サインの整備更新、適切な維持管理に取り組んでいくつもりなのか。本市における公共サインの現状に対する評価とあわせて見解を求めます。
 
2点目、ユニバーサルデザインに配慮した公園遊具の設置に向けた取り組みについて。 令和3年12月通常会議における質疑・一般質問でも申し述べましたが、大津市は第4次大津市緑の基本計画のコラム欄に障害のある方や障害のある子どもたちの保護者、また、支援者の皆さんから寄せられた、公園で遊ぶときに困っていることや希望などを掲載しています。遊具について寄せられた意見を一部要約して紹介させていただきます。
 
・車いす利用者は、砂場の砂に手が届かない。テーブル式の砂場は、車いすを利用する子どもでも遊べる。・ほとんどのブランコは、車いす利用者には使えないが、ハーフバケットブランコであれば使える。・砂地や段差などは、車いすでは遊具に近づけないが、ゴム地であれば近づける。・車いすに対応した遊具は、障害のない子どもも楽しむことができる。ユニバーサルデザインの遊具は、障害に関係なく同じものをみんなで遊ぶことができるので良い。
 
そのうえで、大津市は「公園のバリアフリーとユニバーサルデザイン」をテーマとした当該コラムを下記の文章で締めくくっています。
 
平成 25 年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が制定されて以降、 障害のある方の社会的障壁を取り除くための合理的な配慮が求められています。数 cm の段差が、障害のある方が地域の方々と共に過ごすことのできない大きな障壁となっています。 障害のある方も障害のない方も、同じ時間を同じように過ごし、同じ感覚を共有することのできる公園のあり方が期待されています。
 
令和4年6月補正予算において、スポーツや運動に親しめる環境づくりの推進に要する経費として、清林パークほか8公園を対象として、市民の屋外活動支援を目的とした都市公園における公園遊具の更新等経費が計上されました。今回整備される予定の公園遊具はユニバーサルデザインに配慮された遊具なのでしょうか。
 
私は、第4次大津市緑の基本計画で紹介された、ユニバーサルデザインに配慮した遊具に関する市民意見をどの様な取り組みのもとで公園の施設整備に反映させていくつもりなのか、令和3年12月通常会議において、多くの市民が利用する皇子が丘公園での設置を念頭に見解を求めました。大津市からは、今後見込まれる同公園全体の維持管理経費が多額であるため、現時点においては、ユニバーサルデザインに配慮した遊具の整備までは困難であるとの見解が示されましたが、寄せられた貴重な意見は反映していく意思をあらためて示されました。
 
近年、多くの都市でユニバーサルデザインに配慮した遊具が設置されています。過日、議会局を通じて、東京都品川区、三重県松坂市、石川県能美市から資料提供をいただきました。
 

 

 

 

私は、皇子が公園や他の都市公園においても、大型遊具に限ることなく、ユニバーサルデザインに配慮した遊具を計画的に増設していくことで、第4次大津市緑の基本計画策定時に寄せられた意見を反映することにつながると考えます。
大津市は今後、どういった方針のもと、ユニバーサルデザインに配慮した公園遊具の設置に取り組んでいくつもりなのか、見解を求めます。
 
3点目、「大津絵の道」におけるバリアフリーの推進に向けた取り組みについて。過日、滋賀県立琵琶湖文化館の後継施設建設予定地と大津市歴史博物館をつなぐ「大津絵の道」の現状をバリアフリーの視点で調査してまいりました。明日都浜大津及び同施設から京阪三井寺駅方面に向かう陸橋においては、視覚障害者誘導用ブロックの色が統一されていません。理由は不明ですが、黄色に統一されるべきと考えます。また、琵琶湖疎水を横断する大津絵橋付近については、舗装の仕上げなどが異なることが影響して、段差が生じています。
 

 

 

 

 

 
現在、大津市においては、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトに取り組まれています。大津港港湾業務用地の一部に建設が予定されている新琵琶湖文化館と大津市歴史博物館を結ぶ「大津絵の道」を誰もが安心して快適に移動できる道として整備することは、町の魅力向上にもつながると考えます。先に提言を行いましたが、街路に設置された公共サインは適切に維持管理がなされておらず、「大津絵の道」の魅力を損ねているとすら感じました。
 
大津市は「大津絵の道」の現状をどの様に評価しているのか。共生社会の推進実現に向けた今後の取り組みと合わせて見解を求めます。
 
答弁:都市計画部長
 

まず始めに、2項目めの共生社会の実現推進に向けた取り組みについてのうち、1点目の大津市公共サインガイドラインの策定に向けた取組についてでありますが、本市が設置した地図や案内板等は、所管課がそれぞれの目的に応じて設置し、維持管理を行っているのが現状であり、議員お述べのとおり、その中には経年劣化が著しいものや、現状では表記が誤っているものがあると認識しております。
地図や案内板等は誰にとっても見やすく、分かりやすいという情報伝達としての役割だけではなく、まちの景観を構成する重要な要素の一つであるため、今後、大津市の地図や案内板等のデザインや維持管理の指針について他都市の事例を参考に調査、研究するとともに、現在、策定作業を進めております第2次景観計画へ位置付けてまいりたいと考えております。
 
次に、2点目のユニバーサルデザインに配慮した公園遊具の設置に向けた取組についてのうち、1つ目の令和4年6月補正予算において計上した整備予定の公園遊具についてでありますが、長い期間故障中でありました清林パークの大型ローラーすべり台や、月輪大池公園の大型複合遊具の設置のほか、利用者の多い児童遊園地にブランコ等の設置を予定しており、今回につきましては、ユニバーサルデザインに特化した遊具の設置ではございません。

2つ目のどのような方針のもとユニバーサルデザインに配慮した遊具の設置に取り組んでいくのかについてでありますが、第4次大津市緑の基本計画に基づき、市民の皆様が多く利用される各地域の主要な公園などを対象として、ユニバーサルデザインに配慮した遊具の設置について検討をしてまいります。

 
答弁:建設部長
 

3点目の「大津絵の道」におけるバリアフリーの推進に向けた取組についてでありますが、「大津絵の道」は、その一部が、大津市バリアフリー基本構想の重点整備地区であるJR大津駅・京阪びわこ浜大津駅周辺地区における生活関連経路に位置付けられております。しかしながら、その現状については、視覚障害者誘導用ブロックの色の不統一や、舗装の経年劣化による段差などが生じていると認識しております。

このことから、今後、必要に応じて、適切に修繕や改修を行ってまいりたいと考えております。
 

再質問
 

ユニバーサルデザインに配慮した公園遊具の設置に向けた取り組みについてのうち、今後の方針についてです。第4次緑の基本計画において大津市の思いや課題認識は明確にされていると理解しています。その上で、もう一度お伺いしますが、どのような姿勢のもとで、先ほど答弁いただいた検討をされていかれるつもりなのか。
 
2点目、「大津への道」におけるバリアフリーの推進に向けた取り組みについてです。この度、調査のうえ、議場で現状をお伝えさせていただきましたが、職員の皆さん方にも普段からここが「大津絵の道」であるという認識のもとで点検をいただければと期待するものです。
今後、どういった取り組みのもと、また姿勢のもと、移動いただくにあたってより快適な道となるよう、取り組んでいただけるものなのか。もう少し詳細にお聞かせいただけないでしょうか。
 

答弁:都市計画部長
 

ユニバーサルデザインに配慮した遊具の設置につきましては、重要な取り組みであると認識をしております。ただ、このことに合わせて、設置する公園内での動線やバリアフリーなどの周辺環境が整っていることも必要であると思っております。このことを踏まえると、駐車場や園路、電源設備などが十分に完備してあり、職員が常駐する地区公園以上の公園などが望ましく、あわせて個別公園に対する利用者ニーズなども調査していかなければならないと考えております。そして、議員お述べの市民の皆様のご意見につきましては、令和6年度に予定しております、第4次緑の基本計画の中間見直しに合わせて、施策等に反映できるよう、遊具設置に係る周辺整備などについても調査して参ります。
 
答弁:建設部長
 

この「大津絵の道」は当時、浜大津整備計画のもと、浜大津から市役所前の陸上競技場、公園を結ぶ緑の多い道ということで、計画され整備されてきた位置付け等もございます。そういったことからも、先ほど初問でお答えしましたように、バリアフリー基本構想の生活安全道路でもあり、今後、国体・国スポ等もございます。来訪者も多く通られると思いますので、我々職員も、こういった経過を踏まえて、日常管理に取り組んでいきたいと思います。
 
 

 

〇大津市庁舎整備推進本部会議において皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されるまでの経過と庁舎移転整備に対する大津市長の課題認識について
 
令和4年6月6日に開催された公共施設対策特別委員会において、庁舎整備用地基本構想の策定にあたり、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されたと報告を受けました。「おおよその候補地」は皇子が丘総合運動公園のほか、皇子が丘公園、大津駅・県庁周辺、JR唐崎駅前を含めた4カ所であり、本館の耐震化、免震化は行わず、移転建替えを基本とすること、また、新館について耐震性に問題がないことから、企業局を中心に活用する方針があわせて示されました。
 

 

 

 

 
リンク:大津市議会HP 公共施設対策特別委員会(6月6日)資料 「庁舎整備基本構想の策定について」PDF  

 

大津市庁舎整備基本構想策定懇話会(以下、基本構想策定懇話会)で示された活断層の近くでの庁舎整備は原則さけるべきとの意見等を踏まえ、取得した隣接旧国有地を活用して庁舎を建てる場合には、別館、北駐車場の解体、それに伴う仮庁舎の整備、駐車場の確保が必要となること、また、土砂災害の対策工事も必要となるなど課題も多いことから、現地以外への移転建替えを基本とすると説明を受けました。市民1万人を対象としたアンケートの実施を目前に控えています。おおよそであれ、市民にとってみれば、「候補地」であることに変わりはありません。以下、大津市庁舎整備推進本部において皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されるまでの経過と移転整備に対する大津市長の課題認識に関連して、以下3点、質問を行います。

 

1点目、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定するまでの経過について。令和4年6月1日に開催された大津市庁舎整備推進本部会議(以下、推進本部会議)において、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定をされました。大津市庁舎整備推進本部の本部長は、所掌事務を円滑に処理するため必要があるときには、本部にワーキングチームを置くことができると要綱で定められており、ワーキングメンバーは、職員のうちから市長が任命し、又は委嘱すると規定されています。関係法令を踏まえた整備の可能性や留意事項の確認については、ワーキングメンバーが所属する部局内においても綿密に情報を共有し、組織としての意思疎通を十分に図りながらワーキングチームを機能させる必要があります。
かつて、中消防署の更新整備に係る候補地選定にあたり、執行部内における検証が不十分であったことを指摘しましたが、現時点において、ワーキングチームそのものが推進本部に設置されていません。
 
令和4年2月通常会議で答弁された「管財課が中心となった関係課との連携」は具体的にどの様な形で図られてきたのでしょうか。私は、これまでから、庁舎整備に向けた庁内組織体制の強化を求めてきましたが、関係課が一丸となって庁舎整備に取り組めるよう、推進本部内にワーキングチームを早急に設置されることを提言するものです。
令和4年6月1日に開催された推進本部会議において、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」と決定されるまでの検討経過とワーキングチーム設置に向けた方針について答弁を求めます。

 

2点目、都市公園内に庁舎を整備することの大津市長の課題認識について。大津市は推進本部会議での議論を踏まえ、皇子が丘総合運動公園のほか、皇子が丘公園、大津駅・県庁周辺、JR唐崎駅前を「おおよその候補地」として選定しました。このうち、「大津駅・県庁周辺」以外の候補地については具体的な敷地を示しているものの、JR唐崎駅以外は、都市公園であることを踏まえ、現法規制等での必要規模の建設可否をそれぞれ「不可」と評価されています。であるにも関わらず、おおよそであれ「候補地」にあげられているということは、「何某らの前提」を解決すれば現在、都市公園である敷地に庁舎を整備できると大津市は判断されたわけです。大津市は先の公共施設対策特別委員会において、都市公園の面積を減じて庁舎整備用地として転用を図ろうとした場合、都市公園法の規定に基づき、代替機能として同規模の一団の土地を確保する必要があるとの見解を示しています。旧隣接国有地の他、現庁舎建物を解体した後の敷地を想定されているようですが、滋賀県都市計画審議会からの答申を受け、滋賀県が計画決定するまでの時点において、都市公園として供用開始できる目途が立っていなければならないと認識しています。
 
ちなみに、現在、近江神宮外苑公園に位置する「ブランチ大津京」はあくまで暫定利用という条件のもとで整備されたものであり、立地する範囲は戦前に都市計画決定されたままの状態となっています。供用を開始された都市公園の敷地に建築されたものでなく、この度、大津市が皇子山総合運動公園ならびに皇子が丘公園で庁舎を整備しようとする前提とは大きく異なります。

大津市はワーキングチームを設置することなく、何をどこまで想定されたうえで、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」を決定されたのか。現法規制等での必要規模の建設可否を「不可」とされながら、優先して検討を行うとされた法令上の根拠と可能となる上での前提条件ついて答弁を求めます。また、そもそも多目的広場(通称、四面グラウンド)をはじめとする公園機能に及ぼす影響をどの様に評価され、庁舎整備に必要となる敷地の範囲を決定されようとしているのか。あわせて見解を求めます。

 

次に、皇子が丘公園についても「おおよその候補地」に含められた理由について。建築基準法施行令の規定に基づき、一敷地一建物の原則が存在します。原則、一つの敷地には一つの建築物しか建築できないという決まりであり、用途上不可分の関係にある場合に限って、二以上の建築物を建築することが認められています。庁舎にとって皇子が丘公園体育館とプールは用途上不可分でなく「可分」の関係であり、同一敷地に建築することは出来ないと判断するものです。

現法規制等での必要規模の建設可否を「不可」とされながら、当該敷地を「おおよその候補地」とされた法令上の根拠と可能となる上での前提条件ついて答弁を求めます。
 
答弁:総務部長
 

1点目の皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」と決定されるまでの検討経過とワーキングチームの設置についてでありますが、「優先して検討を行うおおよその候補地」としたことについては、令和3年度から取り組んでいます「庁舎整備基本構想」の策定検討において整理しています立地条件や「庁舎整備基本構想策定懇話会」からのご意見を参考に、選定したものです。庁舎整備推進本部のワーキングチームについては、今後、検討の段階に応じて設置してまいります。
 
2点目の都市公園内に庁舎を整備することの課題認識についてのうち、1つ目の皇子山総合運動公園、2つ目の皇子が丘公園の前提条件等についてでありますが、おおよその候補地については、立地条件、庁舎整備に必要な敷地面積の規模、庁舎整備に向けて将来的に取得の可能性のある公有地を条件として選定しました。現段階では、公園機能も含め、それぞれのおおよその候補地の課題について整理を行ったところでございます。
 
再質問

まず1点目、皇子山総合運動公園を優先して検討を行うおおよその候補地として決定されるまでの経過について。今後の検討の段階に応じてワーキングチームの設置を検討するとの答弁でした。私、初問で管財課が中心となった関係課との連携は具体的にどのように図られてきたのでしょうかということを問うています。ワーキングチームを設置されない中で関係課、いわゆる組織としての連携、現時点でどの様に図られているんでしょうか。図られた上で、公共施設対策特別委員会に対して説明をなされているのでしょうか。
 
私、質疑・一般質問の通告を行うに当たり、自分なりに関係課の皆さんにお時間をいただいて、調査をさせていただきました。私の実感です。連携が図られていたとは思えません。繰り返すようですけれども、都市計画部であれば、都市計画課、公園緑地課、建築指導課など、関係する課がおありですよね。本来ならば、先ほど来申し上げている推進本部で部長さん方々が杉江副市長のもとで検討される前に、それぞれの課の中で十分に様々な可能性を検討いただいた上で、市議会に対して説明をいただくべきではなかったんでしょうか。

改めて伺います。現時点において、ワーキングチームの設置は必要とないと判断されている

理由をお聞かせいただけないでしょうか。繰り返すようですけれども、私は、今このタイミングでもワーキングチームの設置を宣言いただきたいと考えておりますので、今、私が先ほど申し上げたことを踏まえて改めて答弁を求めます。
 

2点目、都市公園内に庁舎を整備することの大津市長の課題認識についてです。敷地の規模や取得の可能性、現在、公園として使用されている皇子山総合運動公園についても、皇子が丘公園についても底地は国有地あるというふうに認識をしています。そういった点も踏まえて、唐崎の土地についても国有地であることから、取得の可能性は高いと判断されたと理解をさせていただきました。
 
繰り返すようですが、皇子山総合運動公園、皇子が丘公園、現法規制等での必要規模の建設可否は「不可」とされています。唐崎は「可」です。私、初問で申し上げさせていただきましたが、大津市は法令上の根拠、どのように精査された上で「おおよその候補地」を公表されるに至っているのでしょうか。前提条件がおありだと思うのですよ。その前提条件についての議論を執行部内において十分にしていただき、有識者による懇話会や特別委員会での議論に臨んでいただければと期待するものです。
 
もう一度伺います。皇子山総合運動公園ならびに皇子が丘公園に関して、建設の可否、共に「不可」とされながら候補地とされているのであれば、どういった前提がクリアされれば、建設可能になると判断されてるのか。もう少し詳細にどの様に検討されてきたのかお答えいただけないでしょうか。

 
答弁:総務部長
 

まず1点目、現時点で関係課との連携は働いているのか。それと、ワーキングチームの今すぐの設置を、それと3点目、法令上の根拠を精査したのか、おおよその候補地の検討について、前提条件はどうであったのかという3つのご質問であったかと思います。

まずこの3つのお答えをさしていくいただく前に大前提の条件があるというふうに考えています。まず今回、それぞれのおおよその候補地におけます課題の整理をまず行ったというところでございます。そして、今後、段階を踏んで課題を整理していくということで、まずは入口に立ったということでご理解をいただきたいというふうに思っております。
 
その中で、まず、現時点での関係課との連携ということでございます。都市計画部などの関係課との課題・情報については、まず共有をしているという段階でございます。そしてワーキングチームの今すぐの設置ということでございます。私、初問で答弁をさせていただきました。検討の段階に応じてということで答弁をさせていただきました。様々な場面でご意見を頂戴し、検討していく場合がございます。また、検討する内容も大きいもの、小さいもの、熟度のあるもの、図っていくものということがあるなかで、現段階でスタートラインに立った中で、今後、段階に応じて設置してまいりたいというふうに考えております。
 
そして最後、法令上の根拠、精査について、法令上の根拠、精査にかかって、おおよその候補地の前提条件をどう、どうやって出したかということでございます。これにつきましては、先般、公共施設特別委員会での資料でも今日の投映資料にはありませんでしたけれども、説明させていただきました。まずは、庁舎整備用地としての担保性、利用計画の有無、二つ目、行政機能の集約を意識した距離感、そして三つ目、ネットワークの拠点としての中心性、そして公共公共交通機関や幹線道路によるアクセス、そして最後、ハザードの状況であります。
 

答弁:市長 
 

私からも改めて、谷議員の再質問にお答えをしたいと思います。まず今、総務部長が申し上げた通り、入口に立ったという認識でおります。そういった中にあって、やはり懇話会の中でも、まず、本館の耐震性能の不備について、市民への周知がまだ不足していると。そしてまずこの予定しております市民1万人を対象とするアンケートの中で、やはりまず現庁舎の課題について、しっかりと理解をしていただきたいと。そのためには、やはりこれからの整備の概ねの方向性、そしてまた、どういった場所を企図しているんだということを一定お示しせねばならぬという中で、今回、およその候補地というものが導き出されたと理解をしてます。例えば議員お述べの通り、法令上の根拠を示せということでありますけれども、やはりこの間の議論も大切にしたいと考えております。
 
例えば皇子が丘公園につきましては、平成17年度に、当時、市庁舎の移転先を考える市民の会という皆さんが、皇子が丘公園でこの歴史豊かな土地でそして環境の整ったところで、分散型の庁舎で整備をせよと市に要望されました。こういったこれまでの経緯から、しっかりと、今の現状に合わせた形での、おおよその候補地ということでありますので、この中で、市民の皆さんの合意形成が図れれば、そこに対してしっかりと、法令上の根拠というのを導き出す工夫というのを、これは議員お述べの通り、ワーキングチームを設置して、していかなければいけないと。まずは我々、この、庁舎整備に向けて、市民の皆さんと合意形成を図る第一歩としての今があると理解をしておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

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