登壇

9月9日、下記6項目について質疑・一般質問を行いました。項目のうち、近江八景と東海道でつながる大津市と草津市の景観連携について、だれもが一緒に育ちあえる保育の充実に向けた取り組みについて、大津市立図書館の今後のあり方について、大津市庁舎整備基本構想の実現性を再検証することについては、選挙公約「タニフェスト」の実現を目指して指摘提言を行いました。
 

 
質問内容、答弁内容は要約をしております。
正式な議事録ではございませんので、あらかじめご承知おきを願います。
 
○近江八景と東海道でつながる大津市と草津市の景観連携について

 
1点目、東海道の魅力を発信する統一案内看板のさらなる普及に向けた取り組みについて。
平成29年10月に公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会・同湖南地区委員会からモデル看板が両市に寄贈されて以降、平成30年11月には、びわこ大津草津景観推進協議会・東海道統一案内看板専門部会により同看板設置の手引きが作成され、現在、同看板は両市域のみならず、滋賀県内全ての宿場町(湖南市/石部宿 、甲賀市/水口宿・土山宿)に普及しています。びわこ大津草津景観推進協議会が継続して主催する「景観づくりチャレンジ隊」においては、建築士会協力のもと、両市の子どもたちによる東海道統一案内看板へのベンガラ塗り体験が継続されており、平成25年11月に調印された「びわこ大津草津景観宣言」の実現に寄与する事業であると高く評価をするものです。

 

今年度、草津市長は近畿2府5県の市町村61団体、協力会員として国土交通省近畿地方整備局、同府県、政令指定都市4市の12団体、計73団体が加入する「近畿地方都市美協議会」の会長を務めておられます。8月24日に開催された都市景観研修会では、東海道統一案内看板が紹介されており、今後もさらなる普及に向けて取り組まれることに期待をするものです。過日、私自身も三条大橋から日本橋へとつながる東海道の魅力発信を実現させるため、公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会の一員として、京都市都市計画局を訪問してまいりました。滋賀県内における取り組み事例や設置にあたっての留意事項などについて説明をさせていただき、東海道統一案内看板の普及に取り組む意義を再認識する機会となりました。

 

令和3年2月通常会議、私は東海道統一案内看板を全国の宿場町に設置いただけるよう、草津市と連携を図りながら取り組まれることを提言しました。近江八景と東海道でつながる大津市と草津市の魅力を全国に発信し、他の宿場町からも共感をえることは、次世代に理念を継承する上で重要と考えます。大津市からは、東海道統一案内看板の手引きを送付し、設置いただけるよう働きかけていくとの方針が示されましたが、今日に至るまでの間、具体的にどの様な働きかけが行われ、その成果はどの様なものであったのでしょうか。同看板のさらなる普及に向けた今後の方針とあわせて見解を求めます。
 
2点目、びわこ大津草津景観宣言のさらなる実現に向けた取り組みについて。令和4年5月、「近江八景と東海道でつながる大津市と草津市の景観づくり」が都市景観大賞/景観まちづくり活動・教育部門において優秀賞に選定され、令和2年3月には公益社団法人日本都市計画学会関西支部が主催する「関西まちづくり賞」を受賞しました。これまでの間、両市の連携にご尽力くださった関係者の皆様に心から敬意を表させていただきます。これは私自身の実感ですが、行政のみならず、両市の市民、両市の市議会、東海道のまちづくりに取り組む団体、大学、商工観光団体などが理念を共有し、両市の連携をより良い形で発展させることに取り組んできたことが評価につながったと考えます。

令和5年11月には「びわこ大津草津景観宣言」が両市市長によって調印され、びわこ大津草津景観推進協議会が設立されてから10年という節目の年を迎えます。令和5年度、大津市はどの様な方針のもとで「びわこ大津草津景観宣言」の実現に向けた事業に取り組んでいく方針なのか。これまで取り組んできた活動の成果とあわせて見解を求めます。

 

答弁:都市計画部長
 

まず始めに、1項目めの近江八景と東海道でつながる大津市と草津市の景観連携についてのうち、1点目の東海道の魅力を発信する統一案内看板のさらなる普及に向けた取り組みについてでありますが、東海道統一案内看板設置に向けた働きかけとその成果につきましては、議員お述べの公益社団法人滋賀県建築士会と協働で開催する景観づくりチャレンジ隊のほか、令和2年3月に東京日本橋のここ滋賀で東海道統一案内看板のPR事業を行いました。また、令和3年度には、東海道の宿場町のある全国33の自治体に、東海道統一案内看板の手引きを送付し、設置いただけるよう働きかけました。現在、滋賀県下をはじめ、三重県三重郡朝日町を含めて33基が設置されており、取組が広がりつつあると考えております。今後も、草津市や公益社団法人滋賀県建築士会のほか、同事業に賛同いただける方々とともに統一案内看板のさらなる普及に取り組んでまいりたいと考えております。

 
次に、2点目のびわこ大津草津景観宣言のさらなる実現に向けた取り組みについてでありますが、「びわこ大津草津景観宣言」を踏まえて、両市で連携協力して景観に関する施策に取り組むため、令和3年3月に「びわこ東海道景観基本計画」を策定し、広域的な観点から良好な景観形成に取り組んでいるところであります。また、策定作業を進めている第2次大津市景観計画においても「びわこ東海道景観基本計画」を反映し、琵琶湖の対岸からの眺望に配慮した景観づくりを目指していきたいと考えております。令和5年度は、議員お述べのとおり、びわこ大津草津景観宣言から10年の節目となりますので、草津市とより一層連携を深める契機としてまいりたいと考えております。 

 

○市民生活に深刻な影響を及ぼす豪雨災害への対応力強化について
 
1点目、京阪電車石山坂本線軌道内への土砂流入を防ぐための取り組みについて。
令和4年7月19日、大雨に伴う河川や道路側溝からの溢水により、軌道内へ土砂が大量に流入する事態が発生しました。過日、京阪電気鉄道株式会社を訪問し、南滋賀三丁目に位置する大川踏切、穴太二丁目に位置する滋賀里12号踏切における被害状況について認識を深めてまいりました。写真は同社から提供を受けた大川踏切、滋賀里12号踏切付近の様子です。
 

【大川踏切/軌道を横断する大川】
 

【大川踏切/軌道内への土砂流入】
 

【滋賀里12号踏切/道路側溝・菊の尾川から流入する土砂】
 

【滋賀里12号踏切/県道伊香立浜大津線の様子】
 
全線での運休が上下線あわせて17本、部分運休が同じく20本発生するなど、市民生活に多大な影響を及ぼす事態となりました。昨年にも大雨による被害が発生しており、公共交通機関として、大変強い危機感を抱いておられました。

また、大津市役所側から皇子山総合運動公園・テニスコートに向かって軌道を横断する山上開渠と呼ばれる熊野川水路についても、土砂の流入によって河川断面が損なわれやすいことを危惧されていました。今年の5月に浚渫されたばかりでしたが、7月19日に降った大雨の影響により、線路下端付近まで土砂が堆積し、降雨が長引けばより甚大な被害につながる恐れがあったと知りました。
 

【山上開渠/5月23日 浚渫後】
 

【山上開渠/7月19日 大雨により線路下端付近まで堆積】

 
大津市においてはこれまでの間、京阪電車石山坂本線と近接する伊香立浜大津線ならびに砂防堰堤を管理し、治山事業を実施する滋賀県と課題認識の共有を図りながら軌道内への土砂流入対策を検討されてきたと認識しています。公共交通機関である同線の運休は世代を問わず、市民生活に多大な影響を及ぼすことになります。相次ぐ災害の発生を受け、大津市は今後、どの様な方針のもとでリスクの軽減に取り組んでいくつもりなのか。滋賀県との協議経過とあわせて答弁を求めます。

 

2点目、山中比叡平学区における大雨災害対策について。
令和4年8月8日、比叡平市民センターで開催された山中比叡平学区大雨災害対策会議に出席してまいりました。まちづくり協議会関係者、自治会関係者、自主防災会関係者が参加をされ、同学区内で課題となっている調整池の維持管理などをテーマに課題認識の共有と意見交換がなされました。

今年度、大津市においては調整池の機能に関する調査結果を踏まえ、適宜、必要となる対策を講じていくとの方針を示されていますが、山中町では昨年に引き続き水害が発生しており、早急な対応が求められます。現時点における進捗と今後の具体的な取り組みについて答弁を求めます。
 
また、山中町を流れる鼠谷川には複数の流域から水が流れ込んでおり、砂防堰堤を管理し、治山事業に取り組む滋賀県とも連携を図りながら対策を講じていく必要があると認識しています。今後、大津市はどの様な方針のもとで水害対策に取り組まれていくつもりなのか。対策の実施に向けた課題認識とあわせて見解を求めます。
 
答弁:建設部長
 

1点目の京阪電車石山坂本線軌道内への土砂流入を防ぐための取り組みについてでありますが、本市といたしましては、これまでも、日常のパトロールに加え、今年度も5月には、京阪電車の施設を管理する担当者と協議、調整を行い、京阪電車の軌道と交差する熊野川の浚渫を実施しております。加えて、滋賀県に対しては、機会を捉えて、山間部からの土砂流出防止対策の促進、並びに、既存施設の適正な管理を要望してきたところです。
 
一方、7月19日の豪雨においては、主要地方道伊香立浜大津線ならびに、京阪電車軌道敷との交差部においても、大量の土砂が流出したことから、去る7月28日には市、県、京阪電車の3者による情報共有会議、8月31日には現場立会を実施し、現状の課題や今後の対策について協議を行ったところです。今後も、施設の適正な維持管理を図るとともに、関係機関と連携してまいります。
 
次に、2点目の山中比叡平学区における大雨災害対策についてのうち、1つ目の現時点における進捗と今後の具体的な取り組みについてでありますが、昨年8月の豪雨においては、山中町内を流れる鼠谷川が氾濫(はんらん)し、家屋への浸水をはじめ、河川の護岸の損傷など、被害をもたらしました。このことから、国の災害復旧費を活用しながら、順次、復旧を進めてきたところであり、本年7月19日の豪雨の際には、河川の溢水(いっすい)による冠水被害はありましたが、大きな護岸の損傷等は確認されませんでした。
 
今年度は、鼠谷川の支流の河川の補修と併せ、上流部に設置されている、3箇所の洪水調整池について、堆積物の状況等を順次調査しており、今後の治水対策について検討してまいります。また、洪水調整池に堆積した土砂につきましては、来年度から国の制度を活用した浚渫事業を予定しておりますが、今後の国の補正予算の動向にも注視しながら、出来るだけ早期の実施に努めてまいります。
 
2つ目のどのような方針のもとで水害対策に取り組むのか、また、対策の実施に向けた課題認識についてでありますが、これまでも、滋賀県をはじめ、関係機関と連携を図りながら、防災・減災対策に取り組んでまいりました。滋賀県に対しましては、機会ある毎に、鼠谷川流域における砂防事業の促進を要望するとともに、当該、鼠谷川の持つ流域が広範囲となるため、県が管理する河川への移管を要望してきたところであります。

今後も、地域の皆様と適時、情報共有を図るとともにともに、引き続き、関係機関との連携を図りながら被害の軽減に努めてまいります。
 
○だれもが一緒に育ちあえる保育の充実に向けた取り組みについて

 
現在、大津市においては、子ども未来局子ども・若者政策課によって、公立幼稚園・保育園の適正配置の検討が進められています。公の役割や地域の特性、人口推計などを踏まえ、今年度中に方針が示される予定となっていますが、保育体制のさらなる充実は本市にとって喫緊の課題と認識しています。令和2年3月、大津市立保育園の民営化方針は白紙に戻されましたが、その影響は現在も公立保育園おける保育士の体制に影響を及ぼしています。幼保支援課から提供を受けた資料によると、大津市は令和4年度に19名、令和3年度に14名を正規職員として採用されましたが、令和2年度においては公立保育園としての存続が不確定な状況の中で募集が行われており、募集人数は若干名、採用された人数は1名でした。

また、大津市立保育園の入所率は平成30年度から令和3年度にかけて減少傾向をたどり、令和4年4月1日時点における大津市立保育園の入所率は70.7%でした。4年前の同時期に比べて17.9%減少しています。

この結果に対して、支援が必要となる子どもの保育をより充実したものとするため、通常の職員数に加えて配置される職員数(加配職員)の割合は平成30度が31.4%であったのに対して、令和4年度においては40%となっています。だれもが一緒に育ちあえる保育の充実に向けて取り組まれていることを高く評価するものですが、必要とされる保育体制が整わないと、たとえ、定員に空きがあり、入所を希望する園児・保護者がおられたとしても受け入れることが困難となります。

大津市は大津市立保育園を紹介するホームページにおいて、以下のメッセージを発信しています。「障害のある子ども、発達支援を必要とする子ども、誰もがかけがえのない存在です。どの子どもにとっても集団は必要であり、友だちと一緒に生活やあそびを経験するなかで、うれしいこと、くやしいこと、かなしいこと、感動することなど、たくさんの思いを味わうことでしょう。一人一人の良さや力が発揮できて、友だちに認められ、みんな一緒に育ちあえるように保育の取り組みを進めます。」引用は以上となりますが、これからも大津市立保育園として、また、幼稚園においても、子どもたちにとって望ましい適正な集団規模のもと、だれもが一緒に育ちあえる公立園であってほしいと願うものです。

大津市は正規職員として採用されている現在の保育士数をだれもが一緒に育ちあえる保育の充実を図る観点からどの様に評価されているのでしょうか。計画的な増員に向けた次年度以降の方針とあわせて見解を求めます。
 
答弁:福祉部長
 

正規職員として採用されている保育士数の増員に向けた取り組みについてでありますが、公立保育園は、保育を必要とする乳幼児一人ひとりの命と権利を守るセーフティネットとしての役割を担っており、「集団の中で共に育ちあい、一人ひとりの発達を保障する保育」の推進を目指して、きめ細やかな保育を積み上げています。今後も引き続き正規職員の計画的な採用に努めてまいります。
 
再質問
 

大津市は正規職員として採用、雇用されておられる保育士数、まずもってその現状、人数をどのように評価されておられるのでしょうか。そのことを踏まえて、今後どのように増員を図られていくのを問うてるつもりでしたので、改めて答弁を求めます。

 

答弁:福祉部長
 
現状の保育士数を含めて、現在の状況をどういうふうに評価しているのだと、そういうことであったかと思います。初問でもお答えを申し上げましたように、本市の保育でございますけれども、集団の中でともに育ち合い、一人ひとりの発達を保障する保育を目指して、障害の有無にかかわらず、すべての子どもが同じようにともに育ち合い、一人ひとりの発達を保障する保育に取り組んでいるというものでございます。現場の保育士はもとより、我々も含めてでございますけれども、その理念に基づいて、しっかりと日々の保育を積み重ねてきているという状況でございます。
 
一方で議員のご紹介にもございましたように、公立保育園の入所につきましては、減少傾向にあるというところにつきましては、認識をしておりますし、この現象につきましては重く受けとめているところでございます。やはり、保育を必要とされるお子さんがおられる。それを公立保育所として、しっかりとした受け皿の体制が整わないことをもって、保育サービスの提供ができないというこの部分については、しっかりと受けとめて、認識をして、対応していかなければならないと考えております。そのことからも、今後、来年度以降ですね、含めまして、しっかりとした保育体制を必要とする職員の確保を含めて、計画的な職員の採用に努めていきたいというふうに考えております。

 

 

○大津市立図書館の今後のあり方について
 
1点目、「大津市図書館の基本的運営方針」の改定に向けた取り組みについて。

平成30年3月、大津市教育委員会は大津市立図書館が市民にとって最も身近な公共施設となることを目指し、「市民に寄り添い くらしを支える身近な知の広場 ~ひと・まちとつながる市民とともにあゆむ図書館~」を基本理念とする「大津市図書館の基本的運営方針」を策定しました。基本理念を実現するために位置付けられた3つの方針「くらしやまちを豊かにする知の広場としての図書館」「次代を担う子どもを育む図書館」「市民とともに成長する図書館」を支えるため、5つの活動目標(①市民の学びに応える図書館②だれもが利用できる図書館③魅力あふれるまちを支える図書館④子どもの育ちを支援する図書館⑤市民とともにつくる図書館)が掲げられており、大津市立図書館は当該目標を踏まえて「大津市図書館事業計画」を作成しています。

 

この項目の質問に先立ち、令和3年度事業計画を対象とした活動目標ごとにおける自己評価と図書館協議会による外部評価結果を確認しました。「大津市図書館の基本的運営方針」が掲げる基本理念の実現に資する指摘、提言がなされており、大津市立図書館が大津市総合計画実行計画はもとより、大津市教育振興基本計画に位置付けられた大津市生涯学習推進計画、大津市子ども読書活動推進計画、大津市文化振興計画等の推進に大きく寄与し、影響を及ぼす存在であることを再認識いたしました。

しかしながら、これら計画との関係性が「大津市図書館の基本的運営方針」においては明確にされておらず、改定時期も明らかにされていません。関連する各種計画と整合性をはかり、大津市立図書館の運営を通じて当該計画の推進に寄与するためにも、図書館協議会の意見を踏まえながら、適宜見直しを行っていくべきと考えます。今後、大津市教育委員会はどの様な方針のもとで「大津市図書館の基本的運営方針」を改定していくつもりなのか、見解を求めます。
 

 
2点目、大津市立図書館本館の再整備に向けた検討について。大津市長は自らの選挙公約において、「活力と魅力あふれる大津~なぎさ公園魅力向上プロジェクト~」を掲げ、このなかで、「図書館と市民会館の再整備の検討」を明記されました。現在、大津市においてはなぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトに取り組まれており、びわ湖浜大津駅周辺に立地する文化、芸術、社会教育に関する広域施設に求められる機能や役割について調査を実施されています。

私は、大津宿場町構想となぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのあり方に関連して、令和3年9月通常会議、大津市立図書館本館の移転整備に向けた取り組みについて指摘提言を行いました。その際、清水副市長は(仮称)新・琵琶湖文化館の整備を契機として、図書館を含む市有広域施設それぞれが相乗効果を発揮するために、今日に求められる機能や取組について、調査、整理をしていくとの主旨で答弁をなされましたが、現時点においてその結果はどの様なものであったのでしょうか。

 

また、令和4年8月31日付で大津市議会公共施設対策特別委員会に明らかにされた大津市庁舎整備基本構想(たたき台)において、「優先して検討を行う候補地」とされた皇子山総合運動公園ならびに市民アンケート結果を踏まえて「新しい視点で検討を行う候補地」とされた大津駅・県庁周辺それぞれにおいて、図書館機能が複合化の対象となる公共施設機能に含まれています。

佐藤市長は自らの任期期間において、公約に掲げられた図書館の再整備に向けた検討をどの様な方針のもとで実現されていかれるつもりなのか、見解を求めます。
 
答弁:教育長
 

1項目めの、大津市図書館の基本的運営方針の改定に向けた取組についてでありますが、本市図書館では、平成30年3月に、社会構造の変化や高度情報化の進展など、図書館に求められる役割が多様化してきていることを受け、本市の実情に即した基本的運営方針を策定したものです。基本的運営方針は、『図書館法』や『図書館の設置及び運営上の望ましい基準』などの図書館関係法令、また、『大津市総合計画』や『大津市教育振興基本計画』のもとに整備し、公共図書館にとって、時代が変わっても求められる普遍的な役割を果たしていくものとして位置付け、「市民に寄り添いくらしを支える身近な知の広場~ひと・まちとつながる市民とともにあゆむ図書館~」を基本理念に、その実現を目指す指針としているところです。
 
また、令和2年度より、当該基本的運営方針の実現に向けた5つの活動目標と主な取組を推進するための、大津市図書館事業計画を作成するとともに、活動目標ごとの評価について、自己評価と図書館協議会による外部評価を実施し、PDCAにより、毎年度、運営を改善し、図書館サービスの向上に努めております。このようなことから、基本的運営方針及び事業計画は、図書館が人や地域、学校とつながることで、本を通した人づくりやまちづくりを支援する役割を果たすものであり、現在、市の施策を推進する各種計画との連携を図りながら事業を展開しているところです。
 
しかしながら、現在、基本的運営方針の策定から4年が経過し、市民ニーズの多様化やICTの急速な進展、新型コロナウイルス感染症の影響など、図書館を取り巻く社会情勢が変化している状況に鑑み、時代に即した方針となるよう見直してまいりたいと考えております。


答弁:政策調整部長
 

2項目めの大津市立図書館本館の再整備に向けた検討についてのうち、1点目の、調査、整理の結果についてでありますが、図書館をはじめとする市有施設の利活用及び整備の在り方を検討する際の資料を得ることを目的として、昨年11月から本年7月にかけて調査を実施し、図書館については、駐車場の確保、読書や休憩のためのスペースの設置など、機能の向上が望まれているなどの結果を得たところであります。
 
2点目の、どの様な方針のもとで実現するかについてでありますが、本調査の結果を踏まえるとともに、庁舎整備基本構想策定に関する市民アンケートにおいて、文化施設などとの複合化を求める声も一定数あることから、引き続き、市民や施設の利用者のニーズを把握しながら、様々な可能性を考慮して検討を進めるべきと考えております。
 
再質問
 
佐藤市長は自らの任期において、図書館の再整備に向けた検討をどの様な方針のもとで実現されていかれるのかということについて。佐藤市長におかれましては4年が任期となっておられます。残された任期等を踏まえていただいて、今後の庁舎整備のあり様に関する検討を踏まえられ、任期というものを意識された中で、どの様な方針のもとで検討されていかれるのか、もう一度、お聞かせいただけないでしょうか。
市民アンケートの結果を引用されているのですが、何かそのことと、図書館を複合化することの必然性というものが私には実感として持ってないのです。アンケート結果を改めて見てるのですけれども、なぜ図書館を複合化の対象とされているのかが、理解しきれていません。この点踏まえて、答弁をいただけないでしょうか。
 
答弁:政策調整部長
 
インフラはどのような場所に、どのように設けるか。また、その機能などをどのようにしていくかによって、将来のまちの姿が変わると考えています。図書館、庁舎、いずれも将来において、持続可能なまちづくりに欠かせない公共のインフラであることから、市民と利用いただく方のニーズをしっかりと、把握をさせていただきながら、様々な可能性を考慮して検討を進めていくことが必要であると考えております。

 

再々質問
 
再質問の趣旨が伝わっていないと思いますので、もう一度、簡明に伺います。佐藤市長マニフェストですので、ご自身の言葉でスケジュール感を合わせて、どのような思いで今後検討されていかれるのか、ご答弁いただけないでしょうか。

 

答弁:市長
 
マニフェストとおっしゃいましたけれど私マニフェストという言葉使っておりませんので、市長選挙にあたっての政策集の中で図書館、市民会館の複合化の検討ということでうたわせていただいております。これは新図書館についても市民会館についても更新が検討なされるべき時期である。そして時代の背景からすれば、公共施設の複合化というのは、もちろん検討の中に入れるべきだという中でお示しをさせていただいております。
 
一方で、先日も「図書館を考える大津市民の会」の皆さんと懇談をさせていただきました。大津市図書館こんな図書館たらいいな。夢の図書館、理想の図書館。皆さんのご意見まとめてお聞かせいただきました。この中に図書館一つとっても、市民の皆さんの思い、多々ございます。なぎさ公園の中に新しい図書館作ってくださいという声もありました。琵琶湖に向かってデッキがはり出す、憩いの場のある図書館がいいっていうことを提案していただいてるかと思います。小川が流れて木々に囲まれ、鳥や昆虫と一緒に楽しめる図書館がいい。大きな木の下にベンチがあったらいい。一方で駅から徒歩10分以内。大きな駐車場がないと駄目。という、「図書館考える大津市民の会」の会員の中でも、これだけ様々な思い、願いがございます。そういった中にあって、これから検討なされるべきは、まず市民の皆さんの思い、願いというのをどう集約していくのか。我々にできることは、市立図書館の課題を市民の皆さん、利用者の皆さんと今回のアンケートで共有をさせていただきました。
 
そしてまた、我々が今取り組んでるなぎさ周辺魅力向上プロジェクトとどう、こういった公共施設の更新というのを連携させていくのか。と同時に、今、庁舎整備の基本構想の策定を進めている。議員は、わずかな声だとおっしゃったかもしれませんけれども、アンケートの中で文化施設等との複合を答えていらっしゃる方も一定数いらっしゃるのです。0ではない。とすれば、そういった皆さんの思いも酌んでいく必要がある。そういった皆さんの市民の皆さん、利用者の皆さんの声を集約しつつ、先ほど初問で政策調整部長が答弁をしたように、可能性を幅広く検討していくべきであると。そして、市民の皆さん、利用者の皆さんと今後の方向性を見出し、そのことに、今後も取り組んで参りたいと考えております。
 
再々再質問

 

移転を機に他の公共施設、ホール、スポーツ施設、文化施設などを庁舎と複合化し、集約することで利便性を向上させるというお声をいただかれてるということは、アンケート結果で確認をさせていただいてます。今おっしゃっていただきました施設の中に図書館も含まれるという前提のもとで、アンケート結果や公共施設のあり方も含め、今後検討をされていかれるというような認識でよかったでしょうか。その確認だけさせてください。
 
答弁:市長
 
せんだって、懇談をしました「図書館を考える大津市民の会」の皆さんは、この市役所庁舎の複合化というところも議論をさせていただきましたけれど、この方たちは非常に否定的でありました。やっぱり、私たちの図書館は品格のある独立した建物ではなければならん。ということをおっしゃいました。一方でそう思ってらっしゃらない方ももちろんいらっしゃる。やっぱり様々なご意見がある中で、先ほど、ご質問されたように、これから市役所の庁舎の整備の中で、やはり幅広く可能性を検討するべきであろうと思っております。1人の声が結論になるのではなく、多くの皆さんの声を集約して、方向性を見出していく。そのことに心を砕いて参りたいと思っております。

 
○大津市が設置する公共サインの現状とガイドラインの策定に向けた取り組みについて
 
大津市は様々な目的で公共空間に地図や標識などを設置していますが、適切に維持管理されていないものが市内各地で散見されます。令和4年6月通常会議において、共生社会の実現推進を図る観点から、整備や維持管理の指針、表記のルールなどを定める「公共サインガイドライン」の策定を提言しました。

大津市においても経年劣化が著しいものや表記が誤っているものがあると認識されており、同月に開催された政策調整会議において、地図や案内板をはじめとする公共サインの現状を調査する方針が示されました。提言を行った際、適切に維持管理されていない公共サインの一部を紹介しましたが、必要とされる情報を正しく発信できていない公共サインは施策の推進に悪影響を及ぼすと考えます。

現在、大津市においては景観計画の改定作業に取り組まれており、地図や案内板等のデザインや維持管理の指針について、他都市の事例を参考に調査、研究していく方針を明らかにされていますが、役割を果たせていない公共サインが数多く存在する現状に鑑み、ガイドラインの策定に向けた取り組みを加速させるべきとあらためて提言するものです。

大津市は市内全域を対象に実施された調査結果を踏まえ、どの様な方針のもとで公共サインの適切な維持管理に取り組んでいくつもりなのか。ガイドライン策定に向けた今後のスケジュールとあわせて見解を求めます。
 
答弁:都市計画部長
 
大津市が設置する公共サインの現状とガイドラインの策定に向けた取り組みについてでありますが、6月通常会議での議員からのご指摘を受け、各所属が所管する公共サインのうち、劣化して設置目的が果たせていないものや、現状では表記が誤っているもの等について、全庁的に調査を実施いたしました。
調査の結果、維持管理が適切にできていないものが多数あることから、今後、所管課ごとに適切な維持管理ができるよう、台帳整備や定期点検、撤去などの、維持管理方針を含めたガイドラインを検討してまいります。
また、今後のスケジュールについてでありますが、現在、策定作業を進めております第2次景観計画へ位置付けるとともに、他都市の事例を参考に調査、研究を行ってまいりたいと考えております。
 

再質問
 

景観計画に位置づけるということです。景観計画の中にそのガイドライン的な要素を入れられるのですか。それとも、別にガイドラインはガイドラインで作成をされ、景観計画を整合を図られるという趣旨なんでしょうか。
 
答弁:都市計画部長
 

例えば、第二次大津景観計画に今着手していることから、公共サインの景観誘導に係る基本的な考え方やその役割と種類、また、ユニバーサルデザインなど配慮事項などを同計画に位置づけるとともに、それに沿った指針等が作成できればというふうに思っております。
 
 
○大津市庁舎整備基本構想の実現性を再検証することについて

 
令和4年8月31日、大津市庁舎整備基本構想(たたき台)が大津市議会公共施設対策特別委員会に対して示されました。大津市は「優先して検討を行う候補地」とされている皇子山総合運動公園での整備について、現法規制等での必要規模の建設可否を「不可」とされています。注記事項として、都市計画公園の計画決定変更が必要→庁舎跡地を代替地として検討、南側通路は建築基準法の道路ではないため、この通路にのみ接する敷地設定では建築不可、もしくは市道認定手続きとともに信号機の設置等公園出入口への対策(市建築基準条例)が必要とあわせて明記されています。
 

 
6月通常会議においても指摘をいたしましたが、自ら建設は「不可」と評価されながら「候補地」にあげられているということは、「何某らの前提」を解決すれば現在、都市公園である敷地に庁舎を整備できると大津市は判断されたわけです。大津市都市計画部からは、当該都市公園の計画変更は滋賀県が決定すると説明を受けていますが、先の公共施設対策特別委員会において、滋賀県都市計画課とは事前に協議を行っておられないことが明らかとなりました。私は関係課が一丸となって庁舎整備に取り組めるよう、大津市庁舎整備推進本部会議にワーキングチームを早急に設置されることを提言してきましたが、今もって設置はなされていません。市民アンケートの結果を踏まえ、皇子山総合運動公園を優先して検討を行う候補地とされながら、その実現性に対する検証が不足しているのではないかと懸念するものです。

 
私は先の公共施設対策特別委員会において、検討に際して作成された図面の提供を委員会として執行部に求めていただくよう、正副委員長に要望しました。委員会終了後、正副委員長の判断の下、執行部に対して図面の提供が可能か確認いただいたところ、令和4年9月2日、当該一般質問の通告を議長宛に行う直前、「委員会資料として提供できる関係法令に則した検討など、具体的なシミュレーションを踏まえた図面は作成していない」との回答が議会局を通じてありました。なぜ、関係法令に則した検討が行われないなか、建設不可である都市公園を優先して検討を行う候補地と位置付けることができると判断されたのか、大津市長に見解を求めます。

 
令和4年8月31日に開催された公共施設対策特別委員会において、総務部管財課から10月には大津市庁舎整備推進本部会議にワーキングチームを設置される方針が示されましたが、直ちに設置をされ、基本構想策定までに実現性をあらためて精査されるべきと考えます。皇子山総合運動公園で整備する場合における今後のスケジュールでは、令和4年度に基本構想を策定され、令和6年度からの基本計画策定にあたり、令和5年度にワークショップと基本計画に向けた基礎調査を実施される方針をしめされています。しかしながら、公園整備に係るスケジュールについては別途整理を行うとされており、用地取得や都市計画変更に伴う手続きの時期を記すことはできないと考えます。
 

 
庁内関係課職員で構成されるワーキングチームの設置に対する方針と公園整備に係るスケジュールを早期に検証することの必要性について、大津市長に見解を求めます。
 
答弁:総務部長

 

1項目めの皇子山総合運動公園での整備についてでありますが、候補地の選定にあたっては、まず立地条件、庁舎整備に必要な敷地面積の規模、庁舎整備に向けて将来的に取得の可能性のある公有地を条件として選定しております。当該公園においては、都市計画公園であることなどの解決すべき課題は認識した上で、まずは、市民アンケートにおいて市民の皆様の立地場所に対する意向を確認したところです。
この結果、半数の方が皇子山総合運動公園を立地場所に考えていることから、基本構想において優先して検討を行う候補地として位置付けるとともに、庁内組織である庁舎整備推進本部にワーキングチームを設置して関係法令に則した検討を有識者からのアドバイス等もいただきながら進めてまいります。
 
2項目めのワーキングチームの設置と公園整備に係るスケジュールの検証についてでありますが、ワーキングチームについては、今後、検討の段階に応じて適宜、設置してまいりますが、公園との一体的な整備に関するワーキングチームは10月の設置を予定しているところであり、公園整備に係るスケジュールについても、当該ワーキングチームにおいて検討していく予定です。
 
再質問
 

私、実現性をすごく心配をしています。これからワーキングチームを立ち上げられるとのことですが、大津市として、自治体として、都市公園に庁舎整備ができる可能性を踏まえてアンケートをとられている。ということは、少なくとも大津市(執行部)の中では、そこに庁舎が移転整備できる実現性はあるんだと、高いんだという前提でアンケートを取られてると思われている市民は少なからずおられると認識をしています。実現性というものに対する大津市の評価を改めてうかがえないでしょうか。

 

公園整備に係るスケジュールは別途整理を行いますとされてますが、基本構想の中で整理を行われるべきだと思います。そうでなければ、今後のスケジュール、決められません。少なくとも基本構想として、そこはしっかりと、内部で検討されるべきなんじゃないでしょうか。改めてこの点に関して見解を求めたいと思います。
 
答弁:総務部長
 
まず、実現性に対する評価ということでございます。まずこの実現性の評価という前に候補地の絞り込みのことについて触れさせていただかなければならないというふうに思ってます。まず現在、建物がないなど、国有地などからまずはおおよその候補地を選定したというところでございます。その後、交通アクセスなど、評価項目を満足している候補地を優先して検討を行うおおよその候補地として、皇子山総合運動公園をおおよその候補地としたというところでございます。その間、庁舎整備推進本部はもちろんのこと、6月には、公共施設対策特別委員会で説明をさせていただき、また7月にはそのことも課題も示した上で、市民アンケートを実施させていただき、そして、庁舎整備基本構想策定懇話会のご意見もいただき、今般、優先して検討を行う候補地、以前は「優先して検討を行うおおよその候補地」でしたが、今般、「優先して検討を行う候補地」として皇子山総合運動公園。そして、市民アンケートを踏まえて、「新しい視点で検討を行う候補地」として、大津駅、県庁周辺としたものでございます。
 
今般、そういった候補地の絞り込みをしていく中で、法規制でありますとか、留意事項、そうした課題の整理を行ったということでございます。初問でも答弁させていただいた通り、課題があることは認識をしておりますので、今後、段階を踏んで、具体的には庁舎整備の推進本部会議、また、ワーキングチーム、また有識者の皆様のご意見をいただきながら、まずは課題を整理していくというようなことで考えているところでございます。
 
そして、基本構想の中でスケジュールを行うべきということでございますが、まずは今般、基本構想では、今後、検討を行う候補地の絞り込みを行ったということでございまして、今後、ワーキングチームで関連法令に則した検討を行っていくというものでございます。

来年度、基本計画に向けた詳細調査、それとワークショップということを計画、予定をしているところでございますので、そのまずはそれに向けて、作業を進めて参りたいというふうに考えております。

 

«
»