本社機能移転促進助成金交付事業のあり方について
質問
大津市は令和7年度当初予算案に本社機能移転促進助成金として、5,500万円を計上されました。当該助成金交付要綱において、建設型は5,000万円、賃貸型は500万円を上限額と設定されており、地域経済の活性化を図るとともに、市民生活の向上に資することを助成金の交付目的と定めています。本社機能移転促進助成金交付事業については、今年度、昨年度と同額の予算が措置されましたが、現時点において事業者の認定には至っていません。令和6年度当初予算の審査時において、私は要因分析と効果検証を予断なく行い、その結果を令和6年度の取り組みに活かしていく必要があると申し述べましたが、これまでの間、どのような取り組みがなされてきたのでしょうか。課題認識とあわせて答弁を求めます。
また、本社機能の移転は企業にとって大変大きな決断です。年度を超えた継続した取り組みが必要になることについては理解するものですが、議会の承認を経て執行が認められた多額の予算が継続して活用されていないことを私は重く受け止めています。大津市本社機能移転促進助成金交付要綱は、令和5年4月1日から施行し、令和10年3月31日をもって失効すると附則で規定されています。その理由と今後の活動方針について、あらためて見解を求めます。
答弁:産業観光部長
本社機能移転促進助成金交付事業のあり方についてのうち、1点目のこれまでの取組と課題認識についてでありますが、本社機能移転を企業に決断していただくためには、助成制度の内容を丁寧に説明し、また、本市の立地環境の強みを粘り強く伝えることが重要であると認識しております。今年度は、比較的移転の可能性があると考えられる約500件の市外企業に対して、助成制度に関する資料を郵送し情報提供いたしました。
また、本市の立地環境の強みなどを掲載した大津市企業立地ガイドを作成し、企業訪問の際などに活用しております。さらに、東京で開催された近江ゆかりの会において、首都圏にある企業に対し、プレゼンテーションを実施するとともに、関係づくりにも努めてまいりました。これらの取組などにより、7件の具体的な問い合わせが寄せられているところです。
2点目の同助成金の交付要綱が令和10年3月31日までである理由と今後の活動方針についてでありますが、企業が本社機能の移転を検討するにあたっては数年単位の期間が必要と考えられることから、補助事業の終期を5年としております。今後の活動方針としては、市や県にゆかりがある企業はもとより、事業拡大やリスク分散を考える企業など、移転の可能性が高い企業の発掘や働きかけを強化し、本社機能の誘致を推進してまいります。
再質問
これまでの取り組みと課題認識について。粘り強くお伝えいただくことが重要であるとの認識をお示しいただきました。単年度で結果を出していただくことが困難な事業であるということは、私なりに理解はさせていただいているものの、課題認識をさらに深めていただいたうえで対応いただかないと、計上された予算、未執行が繰り返されるというのは、そもそもとして、望ましくないと考えます。その上で、初問でお伺いしました課題認識、もう少し詳しくお聞かせをいただけないでしょうか。
もう1点、今後の活動方針についてです。令和5年の段階で5年後を目途、目標に要綱を定められたことを踏まえてなんですが、状況を見極めながら対応されていかれる方針なのでしょうか。なぜ、そもそも5年なのかと思ったのです。その理由もあわせてお聞かせください。
産業観光部長
再度のご質問についてお答えいたします。まず、1つ目の本社機能を移転促進、助成金交付事業の活用が進まないその要因、課題についてでございますけども、様々な要因があると考えておりますが、主には、情報発信のターゲットが絞り込めてない、また、企業のタイミングと合致してない、さらには、本市における不動産、また、不動産情報を企業に紹介させていただく、そういった情報が不足しているということがあると考えております。特に情報発信につきましては、まだまだこの制度の存在自体をご存じない企業もあると考えております。そのため引き続き、インターネットであるとか、ダイレクトな資料の送付、また、多様な説明機会を活用し、プレゼンテーションすることなどにより、情報を発信してまいりたいと考えております。
次に、補助事業の終期を5年にすることについての改めての見解でございますけれども、先ほど谷議員からのご質問の中にもありました通り、企業が本社機能を移転されるということは、長期的な検討が必要であり、また決断には、経営者等の覚悟も必要だと思います。本市としては、今後の社会経済情勢などの見通しも持ちながら、状況に応じた柔軟な対応に努めてまいりたいと考えております。