【決算議案の採決】

 10月14日、8月通常会議における決算議案の採決が行われ、平成26年度大津市一般会計の決算の認定については、所属会派を代表して、委員長報告に反対の立場で討論を行いました。

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【討論内容】

志成会を代表いたしまして、議案第132号大津市一般会計の決算の認定について、委員長報告に対する反対の立場で討論します。
執行部におかれましては、大津市総合計画第3期実行の実現に努めていただくなど、大津市政の発展に向けて各種事業に取り組んでいただいていることに敬意を表するものですが、以下、申し上げる事業については、問題があったと考えます。

〇国際理解教育推進充実事業費のうち、ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発費について
 教育委員会内において十分な検討が行われないまま事業費が計上され、積算根拠が不明確なまま予算が執行されました。
執行手続きそのものは適切であったと評価するものの、予算編成時における市長の介入は教育委員会の独立性を大きく損なうものであり、平成26年3月に「越市長にコンプライアンスの遵守を求める決議」案が議会に提出されたことを、あらためて重く受け止めていただきたいと考えます。

〇市長が原因者となって執行されてきたパワーハラスメントの調査費用について
 市長自らが原因者となってパワーハラスメントに該当すると思われる事例を生じさせ、職員での調査が馴染まないことから、滋賀県弁護士会に参考意見を求める弁護士の推薦を依頼されました。
いくら人事に関わる事案であったとはいえ、議会に何の説明もないまま予算を流用されたことは、首長の市政運営に対する議会のチェック機能を果たす上において、問題のある行為であったと重く受け止めています。
平成26年度末に不足した報償費を平成27年2月補正予算で増額補正されましたが、補正予算説明書にはその内訳までは明記されていません。
人事課から財政課に提出をされた予算見積書を含め、予算編成に伴うあらゆる資料の開示を求めたところで、市長が原因者となったパワーハラスメントの調査に弁護士費用が必要になった事実を確認することは不可能です。
報償費で措置された枠の中であれば、いかなる目的であっても議会として弁護士費用の支出を認めるということではなく、通年議会を採用する大津市議会にとって看過できる問題ではないと考えます。

〇中学校スクールランチ事業に対する事務事業評価について
事務事業評価シートにおける成果指標として、2%の利用率が掲げられていますが、平成26年度の実績は0.82%であるにも関わらず、施策「希望を持って子どもを産み育てられるまちづくり」への貢献度は、最高評価となっています。
今後の方向性として、利用率のさらなる向上に努めることが記されているものの、事業の目的である家庭の弁当作りへの負担軽減や中学生の食の選択肢を広げることに十分な貢献が出来ているのか、成果指標からすれば不十分と言わざるをえません。
総合評価において、「計画どおり事業を進めることが適当」とされていますが、事業を実施していることそのものに意義を見出すのであれば、事務事業評価を実施する意味はないと考えます。

〇大津市中学校昼食のあり方検討調査について
中学校給食の実施に向けて必要となる敷地面積及び調理場建設費用の推計については、検討が不十分であったと考えます。
平成272月及び6月通常会議でも指摘を行いましたが、例え同じ敷地面積であっても形状や接道条件などによって有効に活用できる範囲は異なりますし、建築費用の算定にあたっても、最少800食から最大10,000食を対象とする回帰分析にて検討されましたが、プロットの範囲外である18,000食に適用するのであれば、1食を調理するのに15,000万近く必要となることになり、矛盾が生じることになります。
また、PFI事業を前提としているにも関わらず、実施設計の期間が整備スケジュールにおいて全く見込まれていません。
大津市という自治体への信頼に関わる整備スケジュールであり、明らかに誤りであると判断するものです。
多くの市民が早期開始を願う事業であるからこそ、実現可能なスケジュールのもとで進捗管理を行うべきとあらためて指摘をするものです。

〇市長の不適切なタクシー利用について
その利用に問題があったにもかからず、自らを省みられる姿勢が感じられませんでした。
また、タクシー代金の返還に際しては、利息を付けて返還されるべきであったと考えますが、それもなされていません。

最後に、大津市土地開発基金と国民健康保険事業に対する一般会計からの繰り出しついて申し上げます。
現在、土地開発基金を活用して事業用地を先行取得する場合においては、副市長が会長を務める大津市土地開発基金管理審査会の承認を経なければならず、また、予算書には買い戻しを予定する年度が明記されるなど、適正な運用に向けてチェック体制の強化が図られてきました。
しかしながら、基金全体の流動性については、確実かつ効率的な運用が行われていると評価できるものではなく、抜本的な解決にはさらなる取り組みが必要となります。
事業部任せにされるのではなく、大津市をあげて解決を図っていただきたいと考えます。

次に、国民健康保険事業に対する一般会計からの繰り出しついて。
平成26年度においては、国民健康保険料の大幅な値上げを緩和するため、議会によって一般会計予算案の修正が行われ、市長提案の保険料からの軽減が図られました。
高い収納率を維持することは、結果として国民健康保険事業の安定化につながります。
今後も一般会計予算からの繰り出しについては、運営協議会からの意見を尊重され、方針を決定いただくべきと申し上げ、討論といたします。

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