【適切な維持管理とは!?】

大津市が開設する都市公園の遊具のうち、156基については、日本公園施設業協会が定めた遊具の安全に関する規準に適合していない(機能に関する総合判定と規準判定で不適合)ことから、使用停止の措置が講じられています。執行部からの説明によると、平成20年度には、指定管理者である大津市公園緑地協会の検査で明らかになっていたものの、修繕に伴う費用負担の方針が決定せぬまま、今日に至ってしまったとの事でした。

規準判定のハザードレベル(0、1、2、3)のうち、使用不可とすべきレベル3とは、「生命に危険、あるいは重度の恒久的な障害をもたらしうるハザードがある状態」とされているにも関わらず、なぜ、8年にもわたって放置されてきたのか!?
あらためて確認を行いましたが、モニタリングチェックシートや実績評価シートに課題は明記されていませんでした。

平成29年6月通常会議が開議されるにあたり、先もって公文書公開請求を行い、補正予算案における市長・副市長の査定資料の開示を受けました。
これによると、「使用停止措置中の速やかな修繕が必要とする遊具156基の対応」として、新年度当初予算では0円であった修繕料を公園緑地課は2,940万円要求されるも、二役の査定を経て、1,090万円に減額されることになりました。
執行部に経緯を確認したところ、既に49基分の単一機能遊具(すべり台・ブランコ等)については、大津市公園緑地協会の費用負担によって修繕されることが決定しており、いわゆる大型の複合遊具22基分についてのみ、大津市が費用負担するとのことでした。
残り85基の単一機能遊具については、大津市公園緑地協会が設置する基金の活用を前提としているそうですが、協会としての意思決定はいまだなされておらず、対応方針は明確に定まっていないのが現状です。

皇子が丘公園における大型複合遊具(鉄製コンビネーション)も22基に含まれますが、平成28年9月通常会議における議会答弁で大津市は以下のように答弁をしています。

平成28年9月通常会議 谷祐治質疑一般質問
〇皇子が丘公園における施設整備のあり方について

皇子が丘公園については、昭和36年に大蔵省から無償譲与を受けて開設された大津市を代表する総合公園であり、体育館や温水プールなど、年間を通じて多くの市民が利用する運動施設が整備されています。

今年で開設55年目を迎える歴史ある公園ですが、およそ16haの面積を生かし切れておらず、弓道場周辺においては、どこまでが公園かを認識しがたい状態にあり、暫定的な土地利用が長期間にわたって常態化しているエリアが見受けられます。
また、平成28年6月通常会議において、大規模な資材置き場が園路に面して整備されていることを踏まえ、安全対策を講じることを求めましたが、誰もが安心して利用できる公園として維持管理を図ることは開設者である大津市の責務です。こうした現状を踏まえ、平成29年度からを取り組み期間とする次期大津市緑の計画を策定されるに当たり、皇子が丘公園全体の整備方針を改めて明確にされることを提言するものです。大津市は、公園全体の土地利用をどのように評価し、今後の整備方針に反映されていく考えなのか。

次に、水泳場を整備する上での課題について質問します。
平成28年8月30日、大津市は、平成29年度滋賀県予算の編成に先立ち、県立スイミングセンターの整備などの検討により、第79回国民体育大会水泳競技の開催地を大津市とすることを改めて要望されました。候補地とされている皇子が丘公園については、第1種住居地域に指定されていることから、公園敷地内における延べ床面積3,000㎡を超える施設整備には増築及び建て替えの用途に制限があり、また用途地域の見直しによって整備を実現するのであれば、次期大津市総合計画や都市計画マスタープランなどに示される大津市の将来のあるべき姿を実現することを第一義的に考えていかなければなりません。

大津市は、皇子が丘公園における施設整備の現状と用途地域上の課題をどのように認識され、県立スイミングセンターの整備検討を滋賀県に要望されているのか。大津市が費用負担するとなった場合における整備手法等、維持管理費の縮減に対する考えとあわせて答弁を求めます。

最後に、誰もが安心して利用できる遊具の設置について質問します。
大津市内の公園には、誰もが安心して利用できる遊具が少ない、この意見は、障がい児と公園で遊ぶボランティア活動に取り組み組まれている方から寄せられたものです。皇子が丘公園においては、大型遊具が更新時期を迎えていることから、新たに設置される遊具については、ユニバーサルデザインに配慮いただきたいと期待をするものです。
皇子が丘公園における大型遊具をどういった方針のもとで更新されるのか、見解を伺います。

答弁:都市計画部長  
まずはじめに、皇子が丘公園における施設整備のあり方についてのうち、1点目の皇子が丘公園全体の整備方針についてでありますが、総合公園として位置づけられた皇子が丘公園は、昭和50年代に主要施設が整備されて以来、市民の遊戯、運動などの総合的な利用に広く供されています。また、現行の緑の基本計画においても、市民スポーツの拠点として整備を推進する旨位置づけられ、順次施設の改修が行われてきました。

しかしながら、公園利用者の世代交代もあり、社会状況が変化する中で、都市公園のあり方を検討する時期を迎えております。つきましては、次期緑の基本計画の地域別計画の中で、市民の皆様の御意見を踏まえ、利用者が安全で快適な利用が図れるように検討してまいります。

次に、3点目の誰もが安心して利用できる遊具の設置についてでありますが、本市の都市公園では公園施設長寿命化計画を策定し、これに基づき遊具の改築更新を行っております。皇子が丘公園の大型遊具については、当計画において、更新時期を迎え、乳幼児から高齢者まで市内外の多くの利用者があることから、更新についての優先順位は高いとしております。大型遊具の更新に当たっては、議員お述べのユニバーサルデザインに配慮したものを基本として、市民、利用者の意見を参考に、さまざまな角度から調査研究してまいりたいと考えております。

また、1点目で答弁しましたとおり、皇子が丘公園のあり方については、次期緑の基本計画策定の中で検討を進めることから、大型遊具の更新についても、この計画策定のための審議会において御意見を伺ってまいります。

答弁:市民部長  
皇子が丘公園における施設整備のあり方についてのうち、水泳場を整備する上での施設整備の現状と用途地域上の課題についてでありますが、議員御指摘のとおり、今般県立プールでの整備を要望した第79回国民体育大会水泳競技会場の候補施設である皇子が丘公園プールを再整備する場合においては、当該区域が第1種住居地域に指定されていることから、床面積3,000㎡以上の施設整備や観覧席設置の有無による建築物の面積要件等により、用途地域の見直しが必要であることは認識しております。
現在、市民部及び都市計画部の関係所管課が連携しながら、用途地域の見直し以外の関係法令等に係る課題の洗い出しも含め、これら課題の解決に向けて検討協議を進めているところであります。


次に、プール整備において本市が費用負担することになった場合の整備手法と維持管理費の縮減に対する考え方についてでありますが、本市は県立スイミングセンターの整備を要望していますが、現時点では水泳競技の開催市及び競技会場の選定には至っておらず、プールの整備主体も決定しておりませんことから、プールの整備手法や維持管理費など、早急に滋賀県と協議を行ってまいりたいと考えております。


・・・引用終わり・・・

皇子が丘公園については、家族連れで楽しめる公園であり、当該遊具についても、これまで多くの子どもたちが利用してきました。
私自身もそのうちの一人であり、安全に安心して利用できる都市公園であってほしいと願っています。
ちなみに、大津市は金属製遊具の更新時期を設置から15年としていますが、当該遊具についてはおよそ38年が経過しています。

ちなみに、写真の少年は小学生の頃の私です。

170601-02.JPG

170601-03.jpg

会派説明時において、国体開催に伴うプールの整備方針が確定していないことが、更新に影響を及ぼしているといった趣旨で説明を受けました。
しかしながら、私の認識では現在、大型複合遊具が設置されているエリアにプールを整備する検討はなされていないはずです。
このことについては、あらかじめ担当部に確認をしています。

170601-01.JPG

170601-04.JPG

事前に準備したり計画を立てたりしていないことを「場当たり的」といいます。

平成29年度新年度予算において、当該遊具の更新に伴う測量委託費を公園緑地課は要求されましたが、二役査定を踏まえ、計上は見送られました。
議会答弁において、「更新についての優先順位は高い」とされながら、そのために必要となる費用の計上は当初予算で見送られ、大津市が自らが定めた更新時期を大幅に超えているにも関わらず、安全に関する課題を8年も放置されたうえ、部分的な修繕で対応されようとしています。

一体、いつになったら、当該遊具は更新されることになるのか!?
来る6月通常会議、遊具の適切な維持管理のあり方について、あらためて市長に見解を求めるつもりです。

«
»