設立団体としての責務

5月29日、議会運営委員会が開催される。提出が予定されている6月補正予算の説明を受けましたが、市立大津市民病院運営費負担金が補正の対象となっているも、そもそも、私は当初予算額のあり様に納得がいっておりません。
 
ちなみに、平成31年2月に大津市保健所大会議室にて開催された同病院評価委員会において、下記のやり取りがなされています。(市立大津市民病院公開:会議結果報告書(要旨)より抜粋)
 
委員長:「通常は、2か月分は運転資金として持つべきところである。次年度の運営費負担金に関する予算は確定したのか」
 
事務局(健康保険部):「現在、新年度当初予算のプレス発表はしているが、議会への事前説明段階である。今後もこの点については十分検討すべきことでもあるので、現時点での発言は控えたい。」
 
委員長:「次回、資金繰りと債務超過について市はどのように考えているのか必ず説明いただきたい。資金繰りもさることながら、4年間で債務超過の解消は病院単独ではできない状況である。病院は頑張っているが、市としてどこまで担保するのか、年度評価に具体的に示してほしい。このままでは病院が守られない状況である。これ以上、借入が膨らまないように病院と市できちんと話をしてほしい」 
 
事務局(健康保険部)「今までの四半期報告などは議会へ逐次説明をしており、議員からの意見もある。税金を投入する上で、経営改善に向けた、独法化したそもそもの目的などもしっかり議論していく。現在の状況では日ごとでの資金繰りを見ると 2000百万円を超過する可能性もあるが、市以外の債務も含めて病院と一緒に考えていきたい。」…以下、省略… 
 
市立大津市民病院に対する運営費負担金の増額については、中期財政フレームを踏まえた額、すなわち、普通地方交付税に算入される病院事業債償還額等を参照したものであり、当初予算で措置された額については、前々年度の算定結果を参照したものであったことから、前年度の結果を踏まえて再度算定し、差引き不足分(補正前:952,000⇒補正後:1,128,000)について追加措置を行ったと説明を受けました。
すなわち、前年度決算見込み額を踏まえた時点修正ともいうべき対応であり、資金繰りの見込みや次年度末(中期計画の終期)における債務超過の回避するための予算措置ではありません。
 

大津市議会が議決をした「地方独立行政法市立大津市民病院中期計画」は、大津市長から示された同中期目標を達成するために定められたものであり、大津市は同病院評価委員会からの指摘等を踏まえ、設立団体としての責務を果たしていかなければなりません。
令和2年度新年度予算の編成にあっては、平成30年度業務実績評価結果を踏まえ、市立大津市民病院が債務超過の状態とならないよう、運営費負担金のあり方はもとより、次期中期目標の策定を見据え、不良債務の免除や退職給付引当金への対応方針を明確にしていく必要がありますが、大津市長は設立団体の長として、どのような方針のもとでこれに取り組んでいく考えなのか。
 
そもそも、中期計画に基づき年度ごとの計画が策定され、予算も明らかにされているものの、運営費負担金については、一般会計予算で措置されている額との乖離が著しく、公表されていることの意義が私には全く感じられません。
大津市は中期目標において、「保健医療計画や地域の医療ニーズに配慮しつつも、運営費負担金は別に定める目標基準額以下となるよう抑制策を検討すること」と定めています。
市立大津市民病院が検討した抑止策を大津市長はどのように評価し、そのうえでなぜ、中期財政フレームありきでの予算措置を前提とするのか、また、令和2年度、債務超過を防ぐための対応として、多額の負担金が単年度で必要となることは本当に見込まれないのか?
また、理事長の選任は地方独立行政法人法の規定を踏まえて行われたのか?

 
来る6月通常会議、設立団体の長である大津市長に見解を求めてまいります。
 

地方独立行政法人法 

第二章 役員及び職員
 
(役員の任命)
第十四条 理事長は、次に掲げる者のうちから、設立団体の長が任命する。
一 当該地方独立行政法人が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する者
二 前号に掲げる者のほか、当該地方独立行政法人が行う事務及び事業を適正かつ効率的に運営することができる者
2 監事は、財務管理、経営管理その他当該地方独立行政法人が行う事務又は事業の運営に関し優れた識見を有する者であって、弁護士、公認会計士、税理士その他監査に関する実務に精通しているもののうちから、設立団体の長が任命する。
3 設立団体の長は、前二項の規定により理事長又は監事を任命しようとするときは、必要に応じ、公募(当該地方独立行政法人の理事長又は監事の職務の内容、勤務条件その他必要な事項を公表して行う候補者の募集をいう。以下この項において同じ。)の活用に努めなければならない。公募によらない場合であっても、透明性を確保しつつ、候補者の推薦の求めその他の適任と認める者を任命するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 副理事長及び理事は、第一項各号に掲げる者のうちから、理事長が任命する。
5 理事長は、前項の規定により副理事長及び理事を任命したときは、遅滞なく、その旨を設立団体の長に届け出るとともに、これを公表しなければならない。

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