ファミリーサポートセンター事業のさらなる充実に向けた取り組みについて( R7. 12)
質問
1点目、持続可能な組織体制を構築するための取り組みについて。ファミリーサポートセンターとは、育児の援助を受けることを希望する保護者と援助を行うことを希望する人が会員となって、地域で子育てを支援する相互援助のための会員組織です。平成13年7月に同センターが大津市に設立されて以降、事業の管理運営については、大津市社会福祉協議会に委託されています。こども家庭庁は実施要綱を定めたうえで、市町村等の実施主体に対して補助を行っており、基本事業に対する基準額は会員の総数によって段階的に設定されています。令和7年10月末時点における大津市ファミリーサポートセンターの会員数は、「おねがい会員(依頼会員)」は1,108人、「まかせて会員(援助会員)」は430人、「どっちも会員(両方会員)」は343人、総計1,881人であり、今年度においては、会員数1,500人から1,999人の区分で補助金の交付申請が行われています。基準額である1,210万円に対して、国・滋賀県からそれぞれ三分の一の補助を受けることが既に決定していると承知していますが、過去5年間の会員数はいずれの年度も2,000人を超えており、前年度における補助金の基準額は会員数2,000人から2,999人の区分で定められている1,620万円でした。
令和7年度における大津市社会福祉協議会への委託料は国庫補助の基準額と同額の1,210万円と承知していますが、令和5年度は1,437万8千円、令和6年度は1,454万5千円でした。両年度とも委託料が国庫補助の基準額を下回る金額であったことから、国・滋賀県からの補助金は当該委託料を基にして交付決定されています。今年度においては会員要件をあらためて精査されたこともあり、前年度までと比較して会員数は減少し、会員数が2,000人を下回る結果となりました。委託料の大幅な減額は、国庫補助の基準額が見直されたことも影響していると思慮するものですが、活動件数は令和5年度が3,069件、令和6年度が3,291件であったのに対して、大津市こども・若者支援計画で示されている令和7年度の活動見込みの件数は3,566件と逆に増加しています。
子ども家庭庁は出張登録会や無料託児付き説明会の開催、SNS等を活用した周知・広報など、預かり手増加のための取り組みに対して、加算による補助を行っています。大津市ファミリーサポートセンターは会員を対象とする公式LINEを令和7年5月に開設されましたが、国が定める要綱に合致すると見込まれる、また、現体制のもとで実現可能と判断される取り組みについては、国庫補助を積極的に活用いただき、同センターにおける運営基盤の強化を図りながら、持続可能な組織体制を構築いただきたいと考えます。
大津市は当該事業の事務事業評価にあたり、説明会や講習会の参加人数の目標を400名と掲げていますが、令和5年度は92名、令和6年度は93名という結果でした。大津市はこども・若者支援計画や事務事業評価において、依頼も援助も行うことのできる「両方会員」での加入を促進する方針を示していますが、今後、どの様な取り組みのもとで実現を目指していかれるつもりなのか。また、ファミリーサポートセンター運営事業を対象とした令和7年度事務事業評価において、利用手続きにおいて新たなツールを活用することを方針として掲げています。サポート依頼等、会員の利便性向上に資する事務手続きのオンライン化に向けた検討状況とあわせて答弁を求めます。
2点目、配慮が必要な子育て家庭等を対象とした利用支援の拡充について。子ども家庭庁は先に申し述べた基本事業に加え、配慮が必要な子育て家庭等の利用支援を実施する場合に補助金を加算する制度を設けています。令和7年2月通常会議における質疑・一般質問において、私はこども家庭庁が示す制度の活用を図り、配慮が必要な子育て家庭等へ利用支援の拡充を図ることについて、大津市に見解を求めました。その際、大津市からは、国庫補助を活用して、利用料の助成や早朝・夜間等の受入れなど、支援を拡充していくことは、ひとり親家庭や低所得者など配慮が必要な子育て家庭の支援として重要な視点であると認識していること、また、支援を拡充するうえで、ひとり親家庭等の利用状況とニーズに対して、現状の「まかせて会員」数などの提供体制で対応が可能であるかどうかを見極めながら検討する必要があるとの考えが示されました。
令和7年8月、大津市は児童扶養手当の現況届の受付に際して、ファミリーサポートセンター事業における子育て世代のニーズを把握し、より良いサポートを検討することを目的として、ひとり親家庭の保護者を対象にアンケート調査実施されました。1,618名にアンケート用紙を配布された内、1,607名から回答を得られています。大津市は今後どの様な方針のもと、子ども家庭庁が設ける制度の活用を図りながら、ひとり親家庭等を対象とした利用支援の拡充に取り組んでいかれるつもりなのか。当該アンケート結果の受け止めとあわせて答弁を求めます。
答弁:こども未来部長
1点目の持続可能な組織体制を構築するための取り組みについてでありますが、加入促進に向けた取組みについて、ファミリーサポートセンター事業がどのような制度かを理解していただく必要があるため、市ホームページの充実を図ったところでありますが、広く子育て世帯に制度を知ってもらえるよう、アプリでの情報発信の充実や、子育て世帯が集まる場での説明会の開催など、様々な形での周知を図ってまいります。今年度から、本市においてもLINEを活用した情報発信に取り組んでおりますが、他都市においてはLINEを活用し報告・申請事務の簡素化を図っている事例もあることから、今後更なる利便性の向上につながるよう活用方法について、委託先と協議を進めてまいります。
2点目の配慮が必要な子育て家庭等を対象とした利用支援の拡充についてでありますが、今年度実施いたしましたひとり親家庭を対象としたアンケートでは、事業の認知度が低いことから、まずは事業を知っていただき、支援を必要とする方に適切に利用いただけるようにすることが重要であると考えております。また、制度を利用していない方の声として、急な依頼に対応できない、手続きについて手間がかかるなどの課題も把握でき、まかせて会員の確保や高齢化、また事前打ち合わせの労力などを踏まえ、制度の運用方法について検討してまいります。

