【質問概要】

 9月7日、今日から質疑一般質問がスタートしました。今日は8名の議員が登壇され、事前の通告に基づき質問を行われました。予定どおり進みましたので、私は9月8日(火)のAM11時前後に登壇をする予定です。

なお、多くの方から通告内容に関するお問い合わせをいただきましたので、質問の概要を下記に記させていただきます。
(登壇時における質問原稿と一致するものではありません。)

〇大津市民病院の敷地に設置された建築物が抱える課題について

大津市は大津市民病院経営検討委員会からの答申を受け、大津市民病院の経営形態を地方独立行政法人に移行させる方針を決定された。
平成27年8月補正予算には、移行に向けた準備経費が計上されており、病院用地の境界を確定するために必要となる費用などが含まれているが、民間譲渡に向けて検討が進められているケアセンターおおつの経営形態が決定されないことには、最終的な財産の確定、評価を行うことは出来ないと認識している。
ケアセンターおおつについては、平成8年に市民病院とは用途上不可分の関係にある建築物として設置されているが、平成27年5月にケアセンターおおつのあり方検討委員会がまとめた報告書には、「大津市が開設する市民病院に隣接しているが、あくまで地理的関係だけであり、地方公営企業という性格上、独立採算性が採られており、経営面において一体化を図ることはできない」と明記されている。
また、市民病院との関係性についても、「市民病院が公設である以上、民間事業者が運営する施設との業務提携は難しいと考えられ、逆に、業務提携を行ったとすれば、第三者からの当該法人の優遇であえるとの批判を受けることも想定される」との懸念が示されている。
こうしたことから、民間に譲渡された場合においては、用途上可分な建築物と位置づけられ、本来は接道条件を満たした上、分割された敷地に設置されるべきであるが、他の既存建築物を違法な状態にしない形で市民病院の敷地を分割した場合、ケアセンターおおつは日影規制や北側斜線制限が原因となって、違法建築物になると判断する。 
ちなみに、これまで同様、民間に譲渡された後においても敷地を分割することなく設置を認めることは、ケアセンターおおつのあり方に関する検討報告書で示された市民病院との関係性を大津市自らが否定することになる。
その上で、建築基準法上の課題をクリアすることだけを目的として、大津市民病院にとって用途上可分な建築物と他の既存建築物、しかも、付属建築物である駐車場棟とつなげて一体化を図ることは、民間に対して建築指導行政を行う自治体としてすべき行為ではないと考える。

なお、ケアセンターおおつについては、予算書に固定資産として地価を計上する必要があることから、任意で境界を定めたうえで面積を算出され、市民病院全体の敷地を取得した時点における帳簿価格をもとに地価の按分が行われており、敷地面積といっても道路には接しておらず、会計上、公簿面積に基づき設定された値にすぎない。
民間への譲渡が可能と判断された場合においては、境界確定後の実測面積にて大津市民病院の敷地区分をあらためて見直す必要がありますが、そもそも、建築基準法上の課題を解決した上で実現することは本当に可能なのか。
特定行政庁として可能と判断して民間譲渡に向けた検討を進めているのであれば、具体的な手段について詳細な説明を求める。

2点目、大津市既存建築物耐震改修促進計画において耐震化を図るとされながら、対応が先送りされ続けてきた病院管理棟とむつみ寮の今後の整備方針について質問。
病院管理棟については、平成20年3月の計画策定時において、平成27年度までに耐震化率100%を目標に掲げられた特定建築物であり、防災上、特に重要な施設に位置付けられているにも関わらず、当該計画に位置付けられないまま計画最終年度を迎えてしまった。あってはならないことであり、なぜこの様な事態に至ったのか、私には理解が出来ない。
今年度中には新たな既存建築物耐震改修促進計画が策定されることになるが、大津市は市民病院の開設者として、どういった方針をもって対策を講じる考えなのか。危機管理上も無計画な先送りはすべきではないと考え、見解を問う。

また、2棟の建築物からなるむつみ寮については、既に解体の方針を決定され、入居されている医師や看護師の退去が予定されていることから、寄宿舎としての役割は終えようとしている。
しかしながら、むつみ寮には院内保育所が併設されており、新たな施設が整備されないことには、耐震化に向けた対策が講じられたことにはならない。
大津市民病院においては、平成26年に策定された大津市民病院施設整備方針において、備蓄倉庫を本館地下に移転させ、その場所に保育所や更衣室などの機能を有した施設を整備する方針を掲げている。
当該移転は短期的視点で行うべき整備と位置付けられており、平成27年度予算編成段階においては必要となる経費の計上がなされたと認識しているが、最終的には市長の査定によって予算化が見送られた。
院内保育所の整備は医師や看護師の確保を図る上においても重要な整備であり、何よりも保育を受ける子どもの安全が確保されない状態がこれ以上、長期化することを看過することは出来ない。
市長はこれまでの間、民間保育所の整備に多額の補助金を支出され、女性が活躍する社会を目指して様々な事業に取り組まれているが、今後、どういた方針のもとで院内保育所を整備されるつもりなのか。
病児保育の充実を図ることも視野に入れた上で計画されるべきと考え、見解を問う。

〇都市計画道路8・7・6号 膳所駅南北連絡道路整備工事の契約金額変更について

議案第178号は平成24年3月に西日本旅客鉄道株式会社と締結した工事委託契約に係る基本協定を変更し、都市計画道路8・7・6号膳所駅南北連絡道路整備工事の債務負担額を変更するためのものであるが、JR西日本から提出された積算書類は非常に簡明なものであり、増額された工事費の妥当性を判断できるものではなかった。
当初想定していたよりも地盤が軟弱であったことから、地盤改良工事が追加され、予定建築物の構造を見直すことになったこと、また、震災復興需要を受けた材料費の価格上昇や工期延長が増額の要因であると説明を受けたが、大津市はどういった手段をもって増額された工事費の確認を行い、契約変更するに至られたのか。

〇子どもたちの将来を支援するための図書館運営について

平成27年7月に視察を行った伊万里市民図書館においては、市民団体との協働が図書館運営の基盤となっており、開設時に目標として掲げられた「伊万里をつくり 市民とともに育つ 市民の図書館」の実現に使命感を持って取り組んでおられた。
また、市民からの期待に応えるため、「幼い子らには、いのちをはぐくむ絵本を」、「成長期の子どもには、心の糧となる本を」、「学ぶ若者には、知識欲を満足させる本を」、「社会人には、生活や仕事に役立つ本を」、「お年寄りには、豊かな人生を振り返る本を」とライフステージごとのサービス目標を明確にされており、これらが企画展示やレファレンス機能の充実に色濃く反映されていた。
図書館運営に携わる人材が前向きな姿勢で業務に取り組める環境を整備することは、市長及び教育委員会に課せられた重要な役割であり、経常業務の効率化を優先するあまり、図書館が持つ可能性が損なわれてはならないとの考えを新たにしたところです。
大津市立図書館においては、指定管理者制度の導入も含めて今後のあり方を検討されてきましたが、制度導入は馴染まないとする大津市図書館協議会からの答申やパブリックコメントを踏まえ、平成27年7月23日に一定の結論を大津市教育委員会に伝えられていますが、どの様な趣旨の内容であったのか。
また、図書館とは地域コミュニティーの核となりえる施設であり、運営方針については次世代のまちづくりを見据えて決定する必要があるが、大津市教育委員会は大津市立図書館からの意見をどのように評価されているのか。

平成27年6月通常会議、図書館行政を発展させていくにあたって、設置者である自治体が担う役割をどのように認識されているかとの私からの質問に対し、教育委員会委員長からは、子どもたちの将来を支援することは図書館の役割であり、知的好奇心を駆り立てて、子どもたち自らが本に接する環境を充実させていきたいとの趣旨で見解を示されました。私自身、大いに賛同するものです。
伊万里市においては、子どもを対象とした事業は「こども読書のまち・いまり」宣言に基づき実施されており、赤ちゃんに愛情を伝えるブックスタート事業、幼児に絵本に親しませる読み語り、子どもに読書の喜びを味わわせる朝読、家族で親子の会話ときずなを深める家読)に取り組まれている。
宣言文には子どもの視点で「私たちこどもは、創造力という翼を持ち、希望に満ちた夢を胸に、未来を切り拓いていく原動力です。読書は、私たちこどもに豊かな創造力と思いやりの心を、そしてみずみずしい感性を育ててくれます。」という言葉が記されており、深く感銘を受けたところです。
大津市においても参考にすべき理念と考えますが、大津市立図書館が子ども達の将来を支援するにあたり、大津市教育委員会はどういった機会、どういった環境の充実を図るべきと考えておられるのか。現在までの取り組みと今後の展望について、協働の観点から答弁を求める。

〇市長が原因者となって執行されてきたパワーハラスメントの調査に要した弁護士費用について

平成26年3月20日、大津市長はパワーハラスメントを思慮される事案についての調査及び検証が必要となったことから、滋賀県弁護士会に対して弁護士1名の推薦を依頼された。
パワーハラスメントを思慮される具体的事案を生じさせたのは、他ならぬ越直美大津市長であり、大津市の業務に関わっておられる弁護士については、推薦の対象から外されるよう要望が付け加えられている。
これを受けて同年4月8日、滋賀県弁護士会から、推薦にかかる弁護士がパワーハラスメントの調査を行う権限や位置づけ、すなわち条例や要綱等の存在や調査に関する事務局体制などについて確認を求める文書を発出された。
回答の内容によっては、弁護士において、大津市が求めている迅速な対応、性格な情報収集ないし細やかな確認作業が行えない場合も考えられ、弁護士会として推薦の依頼に応じかねる場合もあるのであらかじめ了承願いたいとの文章が追記されている。

大津市は、同年4月17日、弁護士会から確認を求められた事項を踏まえ、弁護士に依頼する主な業務を、「パワーハラスメントを思慮される事案についての調査及び検証」から「パワーハラスメントと推測される事案について、本市の聞き取り調査内容及び当事者からの聞き取りに基づく参考意見」に変更され、推薦人数を1名から2名に変更された上、あらためてパワーハラスメントの調査に係る弁護士の推薦依頼を滋賀県弁護士会に対して行われた。
その後、大津市長は4月22日付で滋賀県弁護士会からハラスメント問題に精通されている弁護士2名の推薦を受け、5月2日付でそれぞれの弁護士と契約書を締結された。
消費税を含めた1名あたりの報酬額は16万2千円であり、平成26年度大津市一般会計予算のうち、款「総務費」項「総務管理費」目「人事管理費」節「報償費」のうちから32万4千円が謝金として、平成26年8月20日に支出されている。

地方自治法上の問題はなくとも、大津市長は2名の弁護士との契約にあたって意見書の作成を求めており、当初予算で見込まれていなかった新規の委託事業にあたることから、当該費用の執行は予算の流用にあたると判断するものです。
私はこれまでの間、予算議案の審査にあたっては、大津市長から議会に提出された資料だけに基づくのではなく、公文書公開請求によって市長・副市長が査定された予算資料の開示を受けるなど、編成過程についても調査の対象としてきた。
過去、何度も議会に修正予算案を提出するに至ったのは、こうした調査の結果によるものである。

平成26年度末に不足した報償費を平成27年2月補正予算で増額補正さたが、補正予算説明書にはその内訳までは明記されておらず、人事課から財政課に提出をされた予算見積書を含め、予算編成に伴うあらゆる資料の開示を求めたところで、市長が原因者となったパワーハラスメントの調査に弁護士費用が必要になった事実を確認することは不可能です。
報償費で措置された枠の中であれば、いかなる目的であっても議会として弁護士費用の支出を認めるということではなく、通年議会を採用する大津市議会にとって看過できる問題ではない。

市長自らが原因者となってパワーハラスメントに該当すると思われる事例を生じさせ、職員での調査が馴染まないことから、滋賀県弁護士会に参考意見を求める弁護士の推薦を依頼されました。
いくら人事に関わる事案であったとはいえ、議会に何の説明もないまま予算を流用し、不足した報償費を補正予算で措置されたことについては、首長の市政運営に対する議会のチェック機能を果たす上において、問題のある行為であったと重く受け止めている。
大津市長はこの事についてどの様に考えているのか。

ちなみに、平成26年5月30日付で当時の茂呂副市長から越直美大津市長に報告された、「春季主要事業ヒアリングの実施等にかかる部局長意見について」には、「部局長どころか課長もしらないうちに、部下職員が市長室に呼ばれ、じきじきに細かな指示を受ける状態が一般化している。市長がご自分の思いをダイレクトにすばやく伝えたいという意図は理解できるが、それが矢継ぎ早に繰り返されると組織にゆがみが出る。部下は上司に対して相談する暇もなく、上司の知らないうちに市長特命の事態が進んでしまい、部下は上司に対して後ろめたい気持ちになるし、市長の指示を実行に移すにあたって周囲の応援も助言も受けにくい。更に悪いことは、こうした指示が職務の押し付けになったりパワーハラスメントになりかねない。組織をもっとうまく使っていただきたい。」
また、「市長の市政方針等に対する職員の声に耳を傾けていただきたい。イエスマンは何も考えていないことに繋がる。また楽である。逆に言えば市長はそれだけ大きな権限を付与されているという事実に対し、市長自身が自らの権限を恐れる位の謙虚な気持ちで望んでいただきたい。」という意見も出されている。
今回の事案とは直接関係のない意見ではありますが、私は、市政運営の方針を執行部内において決定する過程そのものにも問題があったのではないかと思慮するものです。

そもそも、2名の弁護士から市長に提出された報告書の内容は不明であり、公文書公開請求によっても公開の対象とならないため、現時点においては、これ以上の事実を確認することはかなわない。
意見書作成に係る契約書を締結するにあたっての起案文書から、当時、パワーハラスメントを防止するための指針として策定されていた「大津市セクシャルハラスメント及びパワーハラスメントの防止に関する指針」を踏まえ、業務の適正な範囲であったかが問われたと推察をするが、大津市長は自らの行いをどの様に省みられているのか。
二元代表制における予算執行のあるべき姿を踏まえて答弁を求める。
 

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