大津市立図書館の今後のあり方について( R4. 9)

質問

1点目、「大津市図書館の基本的運営方針」の改定に向けた取り組みについて。平成30年3月、大津市教育委員会は大津市立図書館が市民にとって最も身近な公共施設となることを目指し、「市民に寄り添い くらしを支える身近な知の広場 ~ひと・まちとつながる市民とともにあゆむ図書館~」を基本理念とする「大津市図書館の基本的運営方針」を策定しました。基本理念を実現するために位置付けられた3つの方針「くらしやまちを豊かにする知の広場としての図書館」「次代を担う子どもを育む図書館」「市民とともに成長する図書館」を支えるため、5つの活動目標(①市民の学びに応える図書館②だれもが利用できる図書館③魅力あふれるまちを支える図書館④子どもの育ちを支援する図書館⑤市民とともにつくる図書館)が掲げられており、大津市立図書館は当該目標を踏まえて「大津市図書館事業計画」を作成しています。

 

この項目の質問に先立ち、令和3年度事業計画を対象とした活動目標ごとにおける自己評価と図書館協議会による外部評価結果を確認しました。「大津市図書館の基本的運営方針」が掲げる基本理念の実現に資する指摘、提言がなされており、大津市立図書館が大津市総合計画実行計画はもとより、大津市教育振興基本計画に位置付けられた大津市生涯学習推進計画、大津市子ども読書活動推進計画、大津市文化振興計画等の推進に大きく寄与し、影響を及ぼす存在であることを再認識いたしました。しかしながら、これら計画との関係性が「大津市図書館の基本的運営方針」においては明確にされておらず、改定時期も明らかにされていません。関連する各種計画と整合性をはかり、大津市立図書館の運営を通じて当該計画の推進に寄与するためにも、図書館協議会の意見を踏まえながら、適宜見直しを行っていくべきと考えます。今後、大津市教育委員会はどの様な方針のもとで「大津市図書館の基本的運営方針」を改定していくつもりなのか、見解を求めます。
 
2点目、大津市立図書館本館の再整備に向けた検討について。大津市長は自らの選挙公約において、「活力と魅力あふれる大津~なぎさ公園魅力向上プロジェクト~」を掲げ、このなかで、「図書館と市民会館の再整備の検討」を明記されました。現在、大津市においてはなぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトに取り組まれており、びわ湖浜大津駅周辺に立地する文化、芸術、社会教育に関する広域施設に求められる機能や役割について調査を実施されています。私は、大津宿場町構想となぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのあり方に関連して、令和3年9月通常会議、大津市立図書館本館の移転整備に向けた取り組みについて指摘提言を行いました。その際、清水副市長は(仮称)新・琵琶湖文化館の整備を契機として、図書館を含む市有広域施設それぞれが相乗効果を発揮するために、今日に求められる機能や取組について、調査、整理をしていくとの主旨で答弁をなされましたが、現時点においてその結果はどの様なものであったのでしょうか。

 

また、令和4年8月31日付で大津市議会公共施設対策特別委員会に明らかにされた大津市庁舎整備基本構想(たたき台)において、「優先して検討を行う候補地」とされた皇子山総合運動公園ならびに市民アンケート結果を踏まえて「新しい視点で検討を行う候補地」とされた大津駅・県庁周辺それぞれにおいて、図書館機能が複合化の対象となる公共施設機能に含まれています。佐藤市長は自らの任期期間において、公約に掲げられた図書館の再整備に向けた検討をどの様な方針のもとで実現されていかれるつもりなのか、見解を求めます。
 

答弁:教育長

 
1項目めの、大津市図書館の基本的運営方針の改定に向けた取組についてでありますが、本市図書館では、平成30年3月に、社会構造の変化や高度情報化の進展など、図書館に求められる役割が多様化してきていることを受け、本市の実情に即した基本的運営方針を策定したものです。基本的運営方針は、『図書館法』や『図書館の設置及び運営上の望ましい基準』などの図書館関係法令、また、『大津市総合計画』や『大津市教育振興基本計画』のもとに整備し、公共図書館にとって、時代が変わっても求められる普遍的な役割を果たしていくものとして位置付け、「市民に寄り添いくらしを支える身近な知の広場~ひと・まちとつながる市民とともにあゆむ図書館~」を基本理念に、その実現を目指す指針としているところです。
 
また、令和2年度より、当該基本的運営方針の実現に向けた5つの活動目標と主な取組を推進するための、大津市図書館事業計画を作成するとともに、活動目標ごとの評価について、自己評価と図書館協議会による外部評価を実施し、PDCAにより、毎年度、運営を改善し、図書館サービスの向上に努めております。このようなことから、基本的運営方針及び事業計画は、図書館が人や地域、学校とつながることで、本を通した人づくりやまちづくりを支援する役割を果たすものであり、現在、市の施策を推進する各種計画との連携を図りながら事業を展開しているところです。しかしながら、現在、基本的運営方針の策定から4年が経過し、市民ニーズの多様化やICTの急速な進展、新型コロナウイルス感染症の影響など、図書館を取り巻く社会情勢が変化している状況に鑑み、時代に即した方針となるよう見直してまいりたいと考えております。

 

答弁:政策調整部長

2項目めの大津市立図書館本館の再整備に向けた検討についてのうち、1点目の、調査、整理の結果についてでありますが、図書館をはじめとする市有施設の利活用及び整備の在り方を検討する際の資料を得ることを目的として、昨年11月から本年7月にかけて調査を実施し、図書館については、駐車場の確保、読書や休憩のためのスペースの設置など、機能の向上が望まれているなどの結果を得たところであります。
 
2点目の、どの様な方針のもとで実現するかについてでありますが、本調査の結果を踏まえるとともに、庁舎整備基本構想策定に関する市民アンケートにおいて、文化施設などとの複合化を求める声も一定数あることから、引き続き、市民や施設の利用者のニーズを把握しながら、様々な可能性を考慮して検討を進めるべきと考えております。
 

再質問

佐藤市長は自らの任期において、図書館の再整備に向けた検討をどの様な方針のもとで実現されていかれるのかということについて。佐藤市長におかれましては4年が任期となっておられます。残された任期等を踏まえていただいて、今後の庁舎整備のあり様に関する検討を踏まえられ、任期というものを意識された中で、どの様な方針のもとで検討されていかれるのか、もう一度、お聞かせいただけないでしょうか。
市民アンケートの結果を引用されているのですが、何かそのことと、図書館を複合化することの必然性というものが私には実感として持ってないのです。アンケート結果を改めて見てるのですけれども、なぜ図書館を複合化の対象とされているのかが、理解しきれていません。この点踏まえて、答弁をいただけないでしょうか。
 

答弁:政策調整部長

インフラはどのような場所に、どのように設けるか。また、その機能などをどのようにしていくかによって、将来のまちの姿が変わると考えています。図書館、庁舎、いずれも将来において、持続可能なまちづくりに欠かせない公共のインフラであることから、市民と利用いただく方のニーズをしっかりと、把握をさせていただきながら、様々な可能性を考慮して検討を進めていくことが必要であると考えております。

 

再々質問

再質問の趣旨が伝わっていないと思いますので、もう一度、簡明に伺います。佐藤市長マニフェストですので、ご自身の言葉でスケジュール感を合わせて、どのような思いで今後検討されていかれるのか、ご答弁いただけないでしょうか。

 

質問:市長

マニフェストとおっしゃいましたけれど私マニフェストという言葉使っておりませんので、市長選挙にあたっての政策集の中で図書館、市民会館の複合化の検討ということでうたわせていただいております。これは新図書館についても市民会館についても更新が検討なされるべき時期である。そして時代の背景からすれば、公共施設の複合化というのは、もちろん検討の中に入れるべきだという中でお示しをさせていただいております。
 
一方で、先日も「図書館を考える大津市民の会」の皆さんと懇談をさせていただきました。大津市図書館こんな図書館たらいいな。夢の図書館、理想の図書館。皆さんのご意見まとめてお聞かせいただきました。この中に図書館一つとっても、市民の皆さんの思い、多々ございます。なぎさ公園の中に新しい図書館作ってくださいという声もありました。琵琶湖に向かってデッキがはり出す、憩いの場のある図書館がいいっていうことを提案していただいてるかと思います。小川が流れて木々に囲まれ、鳥や昆虫と一緒に楽しめる図書館がいい。大きな木の下にベンチがあったらいい。一方で駅から徒歩10分以内。大きな駐車場がないと駄目。という、「図書館考える大津市民の会」の会員の中でも、これだけ様々な思い、願いがございます。そういった中にあって、これから検討なされるべきは、まず市民の皆さんの思い、願いというのをどう集約していくのか。我々にできることは、市立図書館の課題を市民の皆さん、利用者の皆さんと今回のアンケートで共有をさせていただきました。
 
そしてまた、我々が今取り組んでるなぎさ周辺魅力向上プロジェクトとどう、こういった公共施設の更新というのを連携させていくのか。と同時に、今、庁舎整備の基本構想の策定を進めている。議員は、わずかな声だとおっしゃったかもしれませんけれども、アンケートの中で文化施設等との複合を答えていらっしゃる方も一定数いらっしゃるのです。0ではない。とすれば、そういった皆さんの思いも酌んでいく必要がある。そういった皆さんの市民の皆さん、利用者の皆さんの声を集約しつつ、先ほど初問で政策調整部長が答弁をしたように、可能性を幅広く検討していくべきであると。そして、市民の皆さん、利用者の皆さんと今後の方向性を見出し、そのことに、今後も取り組んで参りたいと考えております。
 

再々再質問

移転を機に他の公共施設、ホール、スポーツ施設、文化施設などを庁舎と複合化し、集約することで利便性を向上させるというお声をいただかれてるということは、アンケート結果で確認をさせていただいてます。今おっしゃっていただきました施設の中に図書館も含まれるという前提のもとで、アンケート結果や公共施設のあり方も含め、今後検討をされていかれるというような認識でよかったでしょうか。その確認だけさせてください。
 

質問:市長

せんだって、懇談をしました「図書館を考える大津市民の会」の皆さんは、この市役所庁舎の複合化というところも議論をさせていただきましたけれど、この方たちは非常に否定的でありました。やっぱり、私たちの図書館は品格のある独立した建物ではなければならん。ということをおっしゃいました。一方でそう思ってらっしゃらない方ももちろんいらっしゃる。やっぱり様々なご意見がある中で、先ほど、ご質問されたように、これから市役所の庁舎の整備の中で、やはり幅広く可能性を検討するべきであろうと思っております。1人の声が結論になるのではなく、多くの皆さんの声を集約して、方向性を見出していく。そのことに心を砕いて参りたいと思っております。