市民センター機能のあり方について( H29. 11)

質問

 大津市は持続可能なまちづくりに向けて市民センター機能のあり方を見直すとしていますが、11月20日に示された素案については、誰にとって持続可能なまちづくりなのかと疑念を抱くものでした。エリアマネジャーについては、複数学区に1名の配置となるため、自主自立のまちづくりに向けた地域支援を行うことが難しいことを課題とされ、代替案として地域において業務が担える体制が整うまでの間、各学区にコミュニティセンター長なる職を配置する方針を示されました。市長は就任当初、地域経営会議の設置を掲げ、わずかな期間でその構想を否定されましたが、キャッチフレーズを先行させるかのような市政運営のあり方に強い違和感を覚えるものであり、多くの市民を困惑させ、不安にさせている自覚を市長は持たれるべきと考えます。議会や地域団体の意見を踏まえ、見直しを行われたとも評価できますが、執行部内におけるそもそもの検討が不十分であったことは否めません。市政運営に対する不信と不安をこれ以上増幅させることがあってはならないと考え、以下2点質問を行います。

 

 1点目、公民館自主運営モデル事業について。大津市は平成29年度一般会計当初予算において、モデル学区において臨時職員を雇用する経費を措置しました。平成30年度以降に予定されていた自治連合会に対する業務委託を見据えた予算であり、議会に対しては個人情報保護の徹底を図りながら、公民館業務の習得を目指すものであるとの説明がなされました。大津市教育委員会は、10月から年度末までの半年間、6学区を対象に事業を実施する予定でしたが、委託後における労務管理に対する説明不足などもあって、現時点において予算の執行には至っていません。

大津市はこのたびの素案において、平成29年度から平成31年度までの間、臨時職員の雇用にかわる方法として、自治連合会や各種団体等を構成員とする(仮称)公民館運営委員会へ公民館の管理運営補助業務を試行的に委託する方針を示しました。しかしながら、今年度当初予算に措置されたのは、あくまでモデル地区において臨時職員を雇用するための賃金であり、実施形態を見直すのであれば、これに伴う予算を補正した後、改めて議会の承認を得るべきと考えます。平成29年11月補正予算の編成に当たり、市民部は当初予算に計上されていた500万4,000円を委託費として192万5,000円に減額することを要求しましたが、財政課の査定によって補正は見送られました。私は当初予算において議会が承認した予算執行の前提を無視したスケジュール案が示されたことを大変重く受け止めています。

そもそも個人情報の保護を徹底するためには、職員としての身分を有した上で研修する必要があるとされたのは教育委員会です。地域団体の推薦する人物を選考することによって任用することの問題点を予算常任委員会教育厚生分科会において指摘した際、教育長は教育委員会内における精査が不十分であったと反省の弁を述べられました。加えて申し上げますが、議論がまだまだ未成熟であったともおっしゃられました。教育行政の中で市民を支え、支援をしていくと教育長は公言されましたが、予算を執行するに至っていないことは、市民との相互理解が十分に図られないまま拙速に予算計上されたことのあらわれであると評価するものです。

 本年10月1日以降、市民センター機能等のあり方検討に関する事務及び公民館自主運営モデル事業に関する事務については、市民部によって補助執行されていますが、教育委員会はこのような事態となったことに対して、執行機関として改めて説明責任を果たすべきであると考えます。

 11月28日に開催された大津市自治連合会定例会において、市民部市民センター改革推進室から委託業務に対する意向調査用紙が配付されました。地域団体が職員を確保するにしても、締め切りまで一ヵ月もない中での案内であり、支所機能のあり方について市民理解が十分に得られておらず、また予算の補正も行われていない中、なぜ今年度中のモデル事業着手にこだわるのか、私には全く理解ができません。

 教育長は、公民館自主運営モデル事業の進め方についてどのように評価をされているのか。当初予算において措置された公民館自主運営モデル事業費が未執行となっていることの経緯と経過を踏まえて答弁を求めます。

 また、11月24日に開催された公共施設対策特別委員会において、公民館自主運営モデル事業の実施形態見直しに当たっては、補正した予算を議会に提出し、承認を受けた後に委託を行うとの見解が総務部から示されました。同モデル事業に対して参加もしくは検討することの意向を示された学区を対象とした説明会を12月26日に予定されているようですが、どの時点において議会に予算審査を求められる考えなのか、試行とはいえ、限られた日数しかない中、今年度中の予算執行に固執する理由はないものと考え、大津市長に見解を求めます。

 

 2点目、支所機能の集約化について大津市は市民センター機能のあり方に関する素案において、近隣、本庁または広域支所がなく、交通アクセスが乏しい地域には、広域支所と同等の機能を有する地域支所を設置する必要があるとしています。車でのアクセスを想定し、本庁または広域支所までの距離が8㎞以上であること、また最寄り駅からの距離が1㎞を超え、所要時間が徒歩で15分を超えることを選定基準としていますが、路線バスの便数や道路事情などが選定に反映されていません。特に山中比叡平市民センターが設置されている山中比叡平学区から大津市役所へ移動しようとした場合、京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線、通称山中越えを経由することになりますが、近隣に住まいする者の実感として、交通アクセスに乏しいことは明らかであり、大津市の縁辺部に位置する支所として引き続き継続させるべきと考えます。このことは単に便益の確保という観点ではなく、交通弱者と言われる高齢者や障害者の暮らしを守るためにも必要不可欠な対応であると提言をするものです。

 金融機関やコンビニエンスストアにおけるさらなる公金納付や証明書の発行を前提とした検討であるならば、支所窓口における現金収納の実績はもとより、店舗の立地状況や多機能端末の利用に必要となる住民基本台帳カードや個人番号カードの発行件数の推移、また口座振替制度の利用促進を図る上での課題などについても精査される必要があると考えます。

 大津市立中学校規模適正化ビジョンなどを踏まえ、それぞれの地域において住民主体によるまちづくりの推進に向けた検討が進められていますが、このたびの素案については公共施設マネジメントという名のもと、まちづくりの萌芽を育むものにはなっていないと評価をするものです。

 大津市長は、素案において示した支所候補地を見直すに当たり、改めてどういった点に留意すべきと考えておられるのか、見解を求めます。

答弁:市長

 市民センター機能のあり方についてのうち、支所機能の集約化について、改めてどういった点に留意すべきと考えているかについてでありますが、広域支所に求められる要件としては、支所としての利用頻度が高く、利用しやすい立地であるかなどの広域性であり、また地域支所に求められる要件としては、地理的・地形的条件により考慮しなければならないなどの地域性であると考えております。このような点に留意しながら、市民の皆様がより多く利用していただける支所を選定してまいりたいと考えております。

 

答弁:教育長

 市民センター機能のあり方の公民館自主運営モデル事業についてのうち、1点目のモデル事業の進め方についてでありますが、公民館の自主運営モデル事業は、平成28年11月の大津市自治連合会定例会において、各学区に向けた参加意向について説明を行い、参加意向が示された6学区について合同説明及び個別説明を進めてまいりました。また、平成29年度当初予算においても、10月から年度末までの6カ月間でモデル学区に臨時職員を雇用し、平成30年度からは委託化することを想定したスケジュールにより市議会の予算措置をいただきました。しかしながら、モデル学区との合同説明や個別説明において地域では雇用事務に係る知識が不足していることや、人的、財政的支援を含めた全体像が明確でないことなどに対する御意見をいただき、当初想定をしていた10月からの実施が困難となりました。

 このような経過を踏まえ、事業内容の見直しを図り、このたび大津市自治連合会の定例会に改めて参加意向に向けた説明の機会をいただいたものであります。

 教育委員会といたしましても、モデル事業への参加意向を持っておられた学区では、事業実施に向けた諸準備がされていることもあり、本年度内の実施を望まれていることや、年度末から年度初めの時期における公民館業務を実際に体験いただくことが重要であると考えており、適切な進め方であると評価しております。

答弁:総務部長

 公民館自主運営モデル事業のうち、どの時点において議会に予算審査を求める考えなのかについてでありますが、この事業の実施に当たっては、地域の御理解と合意が不可欠であると考えております。

 去る11月28日には、大津市自治連合会定例会において説明の機会をいただき、モデル事業の参加意向に関する調査の実施についてお願いしたところであります。

 今後、調査書の提出期限としております12月20日以降に各地域の意向を取りまとめました後、12月26日に開催する説明会などを通じて具体的な期間や条件、内容について事業に御協力いただける地域との協議を進めてまいります。その上で、地域との合意の見通しと事業の実施による効果について検討を加え、適切な時期に予算措置を判断してまいります。

再質問

 まず、公民館自主運営モデル事業についてです。矛盾しているのですよ、答弁が。気づかれませんか、教育長、総務部長。地域の理解が十分に至らなかったから、現時点において予算執行が行われていないのですよね。であるにも関わらず、今年度中に実施を望まれる声もあると。

もともと6学区、意向を示された中でいくつかの学区については、やってみようという学区がおありかもしれませんが、モデル学区とはそもそもどういったものなのでしょうか。一定数実施をいただき、課題をしっかり精査していく、それが本来あるべき姿だと思います。

「議論がまだまだ未成熟であった。」予算常任委員会教育厚生分科会の際、教育長はそのように反省の弁を述べられました。市民部長はもともと教育次長でおられましたので、その場に同席をされておられました。改めて見解を求めます。

 教育委員会として、今のような答弁をされるにあたり、改めてどのような検討であったり、精査であったり、効果に対する期待を検討されたのですか。事前に調べたところ、市民部が補正予算を要求する前の段階、賃金として措置されているものを減額要求し、委託に切り替えたいとされた時点において、教育長・委員協議の場で説明を受けておられます。また、9月の総合教育会議の席上においても議論されています。しかしながら、最終的に予算は補正されませんでした。されなかったという事実のみを教育委員会の定例会、11月で報告を受けられて素案に至っています。執行機関である教育委員会として考えを示していただきたく、改めて見解を求めます。

 

 総務部長に伺います。答弁では適切な時期とおっしゃられました。どの程度の期間、実施していただけたら、その適切な時期はやってくるのでしょうか。総務部長は予算を査定される立場でおありですよね。今年度中の予算執行にこだわって、ごくごく限られた期間において、市民の皆さんの理解も十分に得られていない中、予算を執行することの意義は財政規律の観点からも全くないと思います。当初の予定では、平成30年度に委託をされる予定であったはずです。そのような説明を当初予算案において市議会に対して説明をされているわけです。その点を踏まえて改めて答弁を求めます。

 

 最後、市長に伺います。広域支所については広域性、地域支所については地域性、より多くの市民の皆さん方に利用できる支所というのを今答弁でおっしゃられました。8㎞以上という距離については、今ある市民センターからの距離で、その学区内において市民センターに至るまでの距離というのは、反映されておらず、検討に含まれていないことになります。先ほど申し上げましたが、この案でどうですかということを市民に対してお示しする案としては、検討が不十分であったと思います。

市民センターの歴史をひもとくと、昭和49年に山田耕三郎市長が大津市総合発展計画を策定されました。その中で地域住民相互の対話、学習、交流の拠点として各学区にコミュニティセンターを建設する構想が明らかにされています。結論から申し上げれば、できた当初から今もって市民センターはコミュニティセンターということになります。もともとそういう前提のもとで各学区に設置をされてきた、そういう経緯と歴史があるということです。

先ほど市長も地域支所については地域性とおっしゃられましたが、そういったことについてもしっかり配慮しますと述べていただくべきであるにも関わらず、今年度中に予算執行しなければならない、そんな理由、私はあってはならないと思いますが、改めてその点を踏まえて答弁を求めます。

答弁:市長

 今の御質問は、公民館のほうについて、今年度中に予算執行しなければいけないのかという御質問でありますけれども、こちらについては地域の皆さんとの話し合いをした結果、今現在私が市民部からお聞きしていることとしては、年度末、3月、またそれから年度当初、4月にかけての時期の業務を体験していただくことは非常に有意義であるというふうに聞いております。

そういった点を、実際にやりたいという地域の皆さんがそういった年度末の時期の業務を体験するということができるのであれば、有意義ではないかというふうに考えております。

答弁:教育長

 改めて教育長としてモデル事業をどのように考えているのかということですが、まず1点目の議論が未成熟であったというふうなこと、かつて私が発言したことがございました。そこを議事録ももう一度ひもといて再度、検証してみましたが、谷議員から当時の予算常任委員会の教育厚生分科会において、やはり議論がしっかり十分されているのかということの御指摘を受けました。やはりそういったところの中で、公募にしていく、いわゆる臨時職員の任用ということに切り替えていこうということは、そういったことについて私たちが事務局内、そして教育委員会としてその議論が不十分であった、かつその辺の論議が未成熟であったというふうなことで私は申し上げたというふうに記録も出ておりますし、そういう記憶をしております。

もう一点、改めてモデル事業をどう考えているのかということですが、私は基本的にはコミュニティ・スクールの考え方と一緒だというふうにこのモデル事業は考えております。いわゆる住民の方による住民の方が考えておられる、いわゆる公民館のあり方、それを行政がどう支えていくのか、自分たちの問題を自分たちの地域がしっかりと課題をあぶり出し、その課題解決に向けて何をすべきなのか、それに対して行政はどういう働きをすべきなのか。学校で申し上げますと、教育課題が地域の住民の方や保護者や学校の教員で、そして議論し、こういう子どもに育てよう、そこにはこんな課題がある。それぞれの役割を果たしていくためにどういうことが必要なのかということを議論するのがコミュニティ・スクールの役割やと私は思っています。それと同じような形のものがこのモデル事業の中でひとつ、一歩が出ればというふうに考えております。

答弁:総務部長

 適切な時期はいつか、今年度中の執行に関して市民の理解が得られない中での執行はいかがか。当初予算を踏まえてということでお答えいたしますと、二つ目と三つ目、重ねて申し上げますと、当初予算が現時点において執行できていないところは議員御指摘のとおり、市民理解が得られていない現状を踏まえての原課での状況かなと、また教育長を含めこれまで御説明してきたところがそういった事情かなというふうに総務部としても理解しております。

 適切な時期をどうするのかにつきましては、現時点において説明をさせていただいております11月28日の定例会での御説明を踏まえ、20日以降に意見を取りまとめ、26日説明会、こういったスケジュールで市民部において作業を進めることになっております。この作業の中で時間は限られてはおりますが、市民の合意を得られた上で補正予算に含め、議会に改めて全て御説明し、年度内の執行が必要なら、そのことを当然御説明してまいりたいと考えておりますので、しかるべき時期に判断してまいりたいと思います。