介護老人保健施設ケアセンターおおつのあり方について( H24. 12)

質 問

 

 介護老人保健施設ケアセンターおおつにおいては、平成23年度決算の監査意見書において、老健施設として在宅復帰、在宅支援についての考え方を含め、中長期的にわたる事業運営を展望した経営計画の策定が必要であるとの指摘がなされた。平成24年4月に実施された介護報酬の改定は、在宅復帰率の低下が課題となっているケアセンターおおつにとって厳しい内容であり、人件費が事業収益の約88%を占め、一般会計からの繰入金に頼らざるを得ない経営状況の改善は、高齢者が健やかに暮らせるまちづくりを施策に掲げる大津市にとって喫緊の課題であると考える。
 副市長を会長とする運営協議会において当初議論されてきた計画案においては、長期間入所可能な施設への入所を待つ方の待機施設と現状を評価され、課題となっている人件費については、地方自治法に基づく運用では独自での改善に限界があると結論づけられ、現在は外部の視点を踏まえて策定する方向で検討が進められている。

 ケアセンターおおつは、利用者の人間性を尊重し、生活機能の維持向上を目指しながら、在宅復帰を支援することを基本理念として定めているが、大津市はどういった方針のもとで経営計画を策定し、公が担うべき役割を果たしていく考えなのか、また施設の老朽化に伴い、内装材や建具の不具合が多く見受けられる。厳しい財政状況ではあるが、適切な維持管理に努めるべきと考え、見解を問う。

答弁:ケアセンターおおつ所長

  当センターは平成8年に開設し、今日まで市民病院と連携しつつ、介護を要する高齢者の在宅復帰及び在宅生活の支援に努めてきた。平成23年度においては、入所者の総数及び入所者率は過去最高となったが、ここ3年は決算としては赤字となり、厳しい経営状況が続いている。
 その要因の一つは、施設運営事業収益の87.9%を占める高い人件費にあるものと考えている。人件費については、平成22年度の政府統計資料であるが、介護従事者処遇状況等調査による介護老人保健施設の職種ごとの全国平均給与月額と当施設の職種ごとの平均月額を対比すると、各職種ともに当施設が上回っており、その最も大きな要因は、経験年数の長い職員が多数在籍していることによるものと考えている。

 平成24年4月の介護報酬改定では、在宅復帰の状況及びベッド回転率を指標とした介護報酬体系の見直しが行われた。入所者の中には、ひとり暮らしなどにより在宅復帰すること自体が非常に困難な方もおられる。こうした中、経験豊富な専門職がチームを組んで関係機関とも連携し、御自宅に帰りたいと思っておられる高齢者をしっかりと支援していくことが当施設の今後の重要な役割であると考えている。しかしながら一方では、毎年一般会計からの多額の繰り入れを行っている。この点については、各職種全ての職員がそれぞれの専門職のプロ意識を持って経営に参画し、良質な介護サービスを維持しながら、経済性、効率性を踏まえて今後のケアセンターおおつのあり方及び経営計画について検討し、繰入金の抑制を図っていく必要があると考えている。

 次に、施設の適切な維持管理について。施設改修等の整備につきましては、一般会計からの繰り入れにより空調機器を改修するなど、年次計画的に実施している。しかしながら、修繕については、緊急度の高いものや利用者の方々に直接関わるものを優先してきた結果、御指摘のように、不具合な箇所が何カ所か残っている。今後は修繕に関わる費用と収支の状況を見定めながら、順次修繕を進めたいと考えている。

関連する 議会活動の
指摘・提言
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R5.9)
  • スポーツ施設が集積する皇子が丘公園・皇子山総合運動公園の魅力向上に向けた取り組みについて(R5.6)
  • 大津市庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる今後の取り組みについて(R5.3)
  • 大津港周辺のにぎわい創出に向けた取り組みについて(R5.3)
  • 市有地の適切な維持管理とその価値に見合った利活用のあり方について(R4.12)
  • 大津市庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる今後の取り組みについて(R4.12)
  • 大津市庁舎整備推進本部会議において皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されるまでの経過と庁舎移転整備に対する大津市長の課題認識について(R4.6)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R4.3)
  • 駅前広場として都市計画決定されてから半世紀が経過したJR大津京駅西側の再整備と路上喫煙防止対策について (R3.12)
  • 庁舎整備基本構想策定に向けた取り組みについて(R3.9)
  • 庁舎整備基本構想の策定にあたって市民意見を聴取しない理由と同基本計画の策定着手までに行うべき取り組みについて(R3.6)
  • 事業方針の再検討・早期の明確化が求められるふれあいセンターの今後のあり方について(R3.2)
  • 新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地の活用策について(R3.2)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R2.11)
  • 大津市バリアフリー基本構想のさらなる推進に向けた取り組みについて(R2.9)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R2.9)
  • 火災予防対策に資する飛沫防止用シートの適切な設置について(R2.6)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎ならびに中消防署の整備に向けた取り組みについて(R2.2)
  • 大津びわこ競輪場跡地に整備された商業施設の開業に伴う交通安全対策について(R1.11)
  • 公共施設のバリアフリー推進に向けた取り組みについて(R1.11)
  • 災害対応力の強化に向けた取り組みについて(R1.11)
  • 市政運営におけるチェック機能の強化と透明性を高めるための取り組みについて(R1.6)
  • 災害対応拠点でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R1.6)
  • 大津びわこ競輪場跡地に都市公園を開設するうえでの課題について(H31.2)
  • 中消防署の移転整備に向けた取り組みについて(H30.11)
  • バリアフリー、ユニバーサルデザインの推進に向けた取り組みについて(H30.11)
  • 横断歩道橋の適切な維持管理について(H30.9)
  • 通学路の安全対策について(H30.9)
  • 中消防署用地の選定に向けた取り組みについて(H30.9)
  • 大津びわこ競輪場跡地の利活用に伴う周辺道路の整備について(H30.6)
  • 公立保育園の民営化に向けた検討のあり方について(H30.6)
  • 防災上の課題となっている本庁舎、中消防署の整備に向けた取り組みについて(H30.2)
  • 大津市スポーツ推進計画の実現に向けた取り組みについて(H29.11)
  • 横断歩道橋の適切な維持管理について(H29.11)
  • 庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる取り組みについて(H29.9)
  • JR大津京駅西口活性化に向けた取り組みについて(H29.9)
  • 皇子が丘公園内プールの再整備に向けた取り組みについて(H29.9)
  • 大津びわこ競輪場跡地の利活用のあり方について(H29.9)
  • 都市公園における遊具の適切な維持管理について(H29.6)
  • 庁舎整備の推進に向けた取り組みについて(H29.2)
  • 土砂災害計画区域の指定が庁舎整備計画に与える影響について(H28.11)
  • 大津びわこ湖競輪場跡地の利活用に向けた取り組みについて(H28.9)
  • 皇子が丘公園における施設整備のあり方について(H28.9)
  • コンパクトシティ実現に向けたJR大津京駅前市有地の利活用について(H28.9)
  • 古都大津に相応しいJR大津京駅前広場の実現に向けた取り組みについて(H28.6)
  • 都市公園の適切な維持管理について(H28.6)
  • 隣接国有地を活用した庁舎整備のあり方について(H28.2)
  • 大津びわこ競輪場跡地の利活用について(H28.2)
  • 隣接国有地を活用した庁舎整備のあり方について(H27.11)
  • 市街灯及び防犯灯のLED化促進による財政上の効果について(H27.11)
  • 大津市民病院の敷地に設置された建築物が抱える課題について(H27.8)
  • 大津びわこ競輪場跡地活用事業について(H27.2)
  • 市有建築物の耐震化に向けた取り組みについて(H26.2)
  • 競輪場用地の利活用について(H25.9)
  • 建築基準法に違反する庁舎執務室の実態について(H25.6)
  • びわ湖大津館の今後のあり方について(H25.6)
  • ごみ処理施設のあり方について(H24.12)
  • 介護老人保健施設ケアセンターおおつのあり方について(H24.12)
  • 庁舎本館棟の耐震化について(H20.12)
  • 庁舎のあり方について(H20.2)