中小企業・小規模事業者によるICT・デジタル技術を活用した業務改革とDXの推進に資する支援のあり方について( R7. 6)

質問

1点目、デジタル化セミナーの開催に要する事業費補助のあり方について。人手不足、事業拡大、働き方改革、事業継承など、中小企業・小規模事業者が直面される経営課題は多岐に渡ります。大津市は令和56月通常会議における答弁において、生産年齢人口が減少し、ますます人材確保が困難となる中、小規模事業者が生産性を向上させるためには、業務の効率化に繋がるデジタル化へ取り組むことが重要であるとの認識を示されています。また、本市の小規模事業者においては、業種や業態により、ICT、デジタル技術への関心や理解度、業務改善、効率化への効果が異なるため、導入に消極的な事業者も少なくないと商工団体等の関係機関から伺っており、こうしたことから、事業者の課題やニーズを把握するために実施している事業者ヒアリングにおいて、デジタル化に関する課題等についても聞き取るとともに、引き続き関係機関と連携し、より効果的な推進施策について検討していくとの方針をあわせて示されています。
 
大津市は中小企業者が社会経済情勢の変化に対応し、デジタル技術を活用した経営課題の解決に取り組むことを促進し、もって中小企業者の経営の効率化、事業の高度化及び生産性の向上を図ることを目的として、デジタル化セミナーの開催に要する費用を補助する制度を設けています。3以上の中小企業者を受講者として実施するものであること、受講者が自らデジタル技術を実地に体験することを通じて必要な知識を得られる方法で実施するものであること、専ら営業活動を行うことを目的として実施するものでないこと、大津市から他の制度による補助金等の交付を受けていないことを補助対象事業の要件とされており、上限額は30万円、補助率は補助対象経費に対して10分の10と設定されています。
 
令和5年度に事業が開始されて以降、昨年度までの2年間で市内商店街や商工会などを含む計7事業に対して補助が行われましたが、いずれの年度も措置された予算額の執行には至りませんでした。初年度は300万円の予算が措置されていたものの、前年度からは執行実績を踏まえて90万円に減額されています。大津市は当該事業に対する中小企業者のニーズをどの様に評価されているのでしょうか。
 
また、大津市はデジタル化セミナーを受講された中小企業者が現在、どの様な課題と向き合われながらICT・デジタル技術を活用した業務改革とDXの実現に取り組まれようとされているのか、アンケート調査や主催者からの聞き取りなどを通じて把握されているのでしょうか。当該事業は中小企業者の経営の効率化、事業の高度化及び生産性の向上を図ることを目的としていることを踏まえ、見解を求めます。

 

2点目、滋賀県との効果的な連携のあり方について。大津市は令和63月に策定した「大津市DX戦略」において、「中小企業・小規模事業者のDX推進支援」を掲げており、DX推進を目指している、あるいはDXへの適応に不安がある市内の事業者に対し、事業活動におけるデジタル技術の活用に向けた支援を進めていく方針を示しています。また、滋賀県においては、令和73月に「滋賀県DX推進戦略」を改訂され、「滋賀県DX官民共創サロン」において、デジタルトランスフォーメーションでお困りの方と専門家をマッチングさせ、県全体のDX推進を促進する方針を掲げています。令和7年度からの3年間で取り組む事項として、「中小企業を支えるデジタルシフトと人材育成の推進」が掲げられており、「2030年の滋賀の姿」として、「中小企業等においてもデジタル技術の進展やその利活用が成長の機会として捉えられ、デジタル化の取組が加速化するだけでなく、デジタル技術を活用して、商品・サービスの高付加価値化や生産性向上が図られ、また、高い競争力を有するビジネスモデルを構築する企業が増加している」と示されています。
 
大津市は今後、どの様な方針のもと、滋賀県と連携強化を図りながら中小企業者・小規模事業者によるICT・デジタル技術を活用した業務改革とDXの実現に資する支援に取り組んでいくつもりなのか。これまでの取り組みに対する評価とあわせて答弁を求めます。

 

3点目、伴走支援の充実に向けた取り組みについて。中小企業・小規模事業者がICT・デジタル技術を活用した業務改革やDXの推進に取り組むにあたり、システムの開発や導入に要する初期費用を確保し、将来に渡って必要となるランニングコストを見込むことは、経営者にとって大変大きな決断となります。物価高騰など厳しい経営環境のもと、投資に見合う効果が得られるには一定の期間が必要となることから、経営計画や経営戦略を新たに策定し、また、見直す必要に迫られることも想定されます。
 
経理や申告手続のデジタル化はもとより、経営者にとって身近な相談相手である税理士や社会保険労務士は経営改善を図る上において大変大きな存在です。ICT・デジタル技術を活用した業務改革やDXの推進に取り組む中小企業・小規模事業者への伴走支援の充実に取り組んでいただけるよう、大津市内で活動されているそれぞれの職能団体と連携強化を図られることについて、見解を求めます。

 

答弁:産業観光部長

1つ目の当該事業に対する中小企業者のニーズの評価についてでありますが、過年度の事業者ヒアリング等からニーズは高いと認識しております。一方で、執行実績が伸びていない要因としては、補助対象者の要件や講師の選定など、制度の利用しにくさがあると考えております。
 
2つ目の、受講された中小企業者のデジタル化への課題と取組の把握についてでありますが、受講された事業者からは、デジタル化に関する具体的な学びを通じて理解が深まったとの報告を受けており、その結果、経営改善につながったと考えています。
 

2点目の、滋賀県との効果的な連携のあり方についてでありますが、国や県がデジタル化に係るハード面の支援施策を実施されていたことから、本市においてはソフト面の支援策として本制度を設計しました。これまでの取組においては、商店街連盟で実施されたSNSを活用した販売戦略セミナーや、3者合同による会計ソフトの勉強会など、事業者のニーズに応じた施策を推進できたと評価しております。今後の県との連携については、中小企業者のデジタル化への支援の方向性を共有し、県と市の役割を明確にしながら連携を図ってまいります。
 
3点目の、伴走支援の充実に向けた取組についてでありますが、事業者の身近な相談相手である税理士や社会保険労務士が所属されている職能団体への意見聴取など、職能団体との連携強化の手法について調査研究してまいります。
 

再質問

 細目2、滋賀県との効果的な連携のあり方についてです。ただいま、答弁で滋賀県と方向性を共有されて、連携を図っていかれる方針をお示しになられました。現時点で方向性を共有するための協議や議論はどの程度されているのでしょうか。現状をお聞かせください。

 

答弁:産業観光部長 

滋賀県との効果的な連携のあり方について、現時点で具体的な協議、また、連携をしているのかについてご質問をいただいたと存じます。現在、具体的な会議体を設けたりしての協議は行っておりませんが、県とそして、本市の役割を明確にし、そして、それぞれの方向性や実施施策などを共有化することは非常に大切なことであると考えております。今後、必要に応じてそういった会議、あるいは意見交換をしてまいりたいと考えております。

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