地方独立行政法人市立大津市民病院を設立した大津市が業務の運営に対して担うべき責務のあり方について(R1.6)( H31. 6)

質問

はじめに、運営費負担金のあり方について、3点質問いたします。1点目、中期財政フレームを踏まえた額とすることについて。地方独立行政法人市立大津市民病院に対する運営費負担金の増額については、中期財政フレームを踏まえた額、すなわち、普通地方交付税に算入される病院事業債償還額等を参照したものであり、当初予算で措置された額については、前々年度の算定結果を参照したものであったことから、前年度の結果を踏まえて再度算定し、差引き不足分1億7,600万について追加措置を行ったと説明を受けました。

当初予算の審査にあたっても指摘をいたしましたが、大津市はそもそもなぜ、国からの普通地方交付税に参入される病院事業債償還額等を参照し、これを中期財政フレームに反映させ、運営費負担金を措置する根拠としているのか。

また、中期計画においては、短期借入金の限度額は20億円と定められていますが、令和元年度における資金繰りを見込んだ補正額となりえているのか。賞与の支給等による一時的な資金不足、また、予定外の退職者の発生に伴う退職手当の支給等、偶発的な出費への対応を前提とする短期借入が常態化していることの評価とあわせて見解を求めます。

 

 2点目、運営費負担金を大津市が繰出すことの意義について。救急医療等の行政的経費及び高度医療等の不採算経費については、地方独立行政法人の趣旨に定められた基準をもとに算定し、別途協議の上、運営費負担金を目標基準額以下とすることが中期計画で定められています。今年度における目標基準額24億円と定められていますが、総計予算主義の原則のもと、今年度措置される運営費負担金11億2,800万円は地方独立行政法人市立大津市民病院が検討した抑止策に見合った金額となっているのか。

また、総務省は病院事業を含む地方公営企業繰出金について、経費負担区分のルールを操出基準として策定し、地方公共団体に対して通知を行っていますが、救急医療等の行政的経費及び高度医療等の不採算経費を設立団体である大津市が運営費負担金として繰出すことの意義についてどのように認識しているのか、見解を求めます。

 

3点目、中期計画期間終了時に見込まれる不良債務及び債務超過に対する対応について。

中期計画の取り組み期間は令和2年度末までとなっています。大津市は次期中期目標を策定するにあたって、次年度予算の編成を見据えながら、不良債務と債務超過に対する対応方針を明確にしていく必要があります。平成29年度決算における不良債務、すなわち、流動資産から流動負債を減じた額は約31億530万円、債務超過額は56億3590万円であり、平成31年2月に大津市保健所大会議室にて開催された地方独立行政法人市立大津市民病院評価委員会において、委員長からも「次回、資金繰りと債務超過について市はどのように考えているのか必ず説明いただきたい。資金繰りもさることながら、4年間で債務超過の解消は病院単独ではできない状況である。病院は頑張っているが、市としてどこまで担保するのか、年度評価に具体的に示してほしい。このままでは病院が守られない状況である。これ以上、借入が膨らまないように病院と市できちんと話をしてほしい。」との発言がなされています。大津市は評価委員会委員長による債務超過の解消に向けた意見をどのように受け止め、対応していく方針なのか。平成30年度決算見込みにおける不良債務と債務超過額、また、中期計画期間内において、退職給付引当金を積立てることの必要性に対する認識とあわせて見解を求めます。

 

次に、理事長の任命について質問を行います。地方独立行政法人法第14条1項において、理事長は、当該地方独立行政法人が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する者、または、当該地方独立行政法人が行う事務及び事業を適正かつ効率的に運営することができる者のうちから、設立団体の長が任命すると定められています。任期半ばで退任された前理事長は、地方独立行政法人に移行する以前から病院長を務められた人物でしたが、今年度から理事長を務められる大津市元職員は医師でなく、職務の経歴から、「事務及び事業を適正かつ効率的に運営することができる者」として、大津市長が任命されたと判断するものです。

地方独立行政法人法第14条3項において、設立団体の長が理事長又を任命しようとするときは、必要に応じて公募の活用に努めなければならないと定められ、公募によらない場合であっても、透明性を確保しつつ、候補者の推薦の求めその他の適任と認める者を任命するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定められていますが、大津市長はどういった取り組みをもって透明性の確保に努めたのか。前理事長が退任された経緯に対する大津市長の認識、また、自らが定めた中期目標において、理事長は、機敏で柔軟な判断をし、優れた経営感覚を発揮することを求めていることを踏まえ、当該人物の人選が管理体制・経営体制の強化に資すると判断された理由とあわせて答弁を求めます。

 

答弁:市長

 理事長の任命についてでありますが、前理事長の退任につきましては、昨年11月に御本人より退任の申し出があり、現理事長の公募によらない選任を行いました。地方独立行政法人法第14条第1項第2号において、理事長は、法人が行う事務及び事業を適正かつ効率的に運営することができる者のうちから任命するとされています。新たに、理事長に任命した増田伊知郎氏は、40年間の行政経験で培われた大局を見据えた交渉力と機敏で柔軟な判断力を有するとともに、優れた実績を残されており、市民病院の法人が行う事務及び事業を適正かつ効率的に運営し、業務運営を抜本的に改善できるものであると考えております。これらの経験や能力等を踏まえて、増田氏を理事長に任命したものであり、理事長として機敏で柔軟な判断をし、優れた経営感覚を発揮されるものと考えております。以上、私からの答弁といたします。

 

答弁:総務部長

地方独立行政法人市立大津市民病院を設立した大津市が、業務の運営に対して担うべき責任についてのうち、一つ目の中期財政フレームを踏まえた運営費負担金についてでありますが、地方独立行政法人に対する運営負担金は国が定める地方公営企業への繰り出し基準に沿い、法人の事業内容に応じて算定されるものであり、地方交付税への算入額は国の繰り出し基準に則して措置されることから、本市としては市立大津市民病院への運営負担金の算定において、地方交付税への算入額を参考としているものです。また、この算入額は毎年度変動するため、当初予算の編成時は過去の実績をもとに推計したものでしたが、このたび前年度の算入額を踏まえた見直しを行い、追加補正を行おうとするものです。

したがって、今回の追加補正額は本市の法人に対する運営費負担金の算定方法に従い、当初予算への計上内容に精査を加えたものであり、今年度末までに短期借入金が限度額を超過しないために行う資金支援ではありません。 その上で、現在の法人の運営状況を踏まえた今年度末までに必要な資金の手当てについては、法人からのさらなる経営改善に向けた提案を求めるとともに、その提案内容と改善効果を照らしながら検討していくこととしています。

 

二つ目の不採算医療に伴う一般会計からの負担経費についてでありますが、本市が算定の参考としている地方交付税算入額においては、救急告示病院として保有する病床数等も勘案していることから、本市としては国の繰り出し基準に応じた運営負担金を措置し、当初予算分については支出を終えているものです。

 

三つ目の不良債務と債務超過に対する対応についてでありますが、平成30年度の決算見込みを踏まえますと、依然として不良債務が生じている状態にあり、その規模は4億円余り縮まりましたが、約26億7,000万円余りであります。 一方、純資産合計は前年度に比べ約8億6,800万円余り改善し、47億5,000万円余りの債務超過となる見込みです。

また、退職給付引当金は既に平成29年度において計上済みであり、そのことを組み入れた上で年度末の見通しとなっております。本市としては、今後、法人からの経営改善に向けた取り組みの提出を求めた上で、中期計画の終期を見据え、検討してまいります。

 

 

再質問

市長にお伺いをいたします。前理事長は、自ら退任の申し出をされたとのことでした。

 市長御自身が任命された理事長が任期途中で退任したいと申し出されたわけです。先ほど現理事長を選任された理由を答弁頂きましたが、前任の方にも当てはまる理由でございまして、そういった方が退任を申されたわけです。どういった背景なり理由があって退任を申し出られたのかということについては、今後しっかりと市民病院の運営を法令に基づいてお支えいただく意味でも設立団体の長としてしっかりと振り返って頂き、評価いただくことが、重要なことかなと考えます。その上でお伺いをいたします。

 初問でも申し上げましたが、透明性を確保するということは、法令が求めているところです。必要に応じて公募の活用に努めなさいと記されています。公募でない場合においても透明性を確保して候補者の推薦を求めたり、また適任と認める者を任命するために必要な措置を講じなければならないことが努力義務として課せられています。この点、どのように踏まえられて選任に当たられたのか。先ほど大局を見据えたというふうにおっしゃられましたが、その理由とあわせて見解を求めます。

 

 次に、1点目の中期財政フレームを踏まえた額とすることについての妥当性です。当初、予算を審査させていただいたときから、私は全く納得がいっておりません。総務部長答弁で、繰出金の基準を国が定めている、よって普通交付税や運営費負担金を支出する上での一定根拠とされているといったような答弁がございましたが、私は全く関係ないと思います。今、私の手元にあるのは副大臣名での通知ですが、どういった基準に基づいて繰り出しなさいという通知が毎年度、出されていることは承知をしております。同じ資料をお持ちだと思います。その上で、普通交付税の仕組みはよくよく御存じだとは思うのですが、基準財政需要額のうち普通交付税というのは、基準財政収入額が不足する部分を一定国が補填するという趣旨の税であると認識しています。

 ですので、先ほどおっしゃった答弁の趣旨というのは、中期財政フレームにそれを反映させ、なおかつ当初予算の措置においては編成の過程も確認させていただきましたが、当初、健康保険部は15億円予算要求されたものを9億5,200万円と査定されているわけです。この要求された時期、当然のことながら予算編成要綱を踏まえられて行っていただいているわけですが、私の認識では中期財政フレームというのはそれ以前にローリングされています。議会に対する公表は時期を合わせられていますが、これでは中期財政フレームありきで運営費負担金が決定されているとしか思えません。これで本当に地方独立行政法人法の趣旨に基づく運営が、中期目標を定めた、また中期計画の実現に努めていただいている大津市民病院に対して、さらなる取り組みを求めることに私は矛盾が生じると考えるものです。改めて伺います。今の答弁では、普通交付税と運営費負担金に相関関係をつくられています。その前提を今後も踏襲されるのであれば、その妥当性に対して認識を聞かせていただきたいと思います。

 

 次に、短期借入金の限度額に関連して。中期計画で20億円と定められています。病院におかれましては、決算の監査、そして理事会を踏まえて評価委員に確認をいただいて、最終的に大津市は病院からの報告を踏まえて、地方独立行政法人法に基づいて設立団体庁として評価をすることとなります。例年8月に行われているというふうに認識をさせていただいております。現時点において、このたび補正で措置された額も含めて、令和元年度1年続きで見たときに、この20億円、限度額を超えることはないと認識されているのか、改めて確認を求めます。

 

 次に、病院が抑止策を検討された、それに見合った額となっているのかについてです。 先ほど来、繰り返し申し上げていますが、普通交付税というものを前提に、あたかも相関関係があるかのように運営費負担金を決定されているわけですけれども、この抑止策というものがその決定に全く反映されていないと思います。その理由は先に述べたとおりです。このことをあわせて見解を求めます。

 

 最後、中期計画期間内における債務超過の解消に向けた、また不良債務の解消に向けた取り組みについてです。今、令和元年度です。令和2年度末まで、もう一度新年度予算、当初予算措置をいただくことにもなりますし、看護学校の関係もあって、定款の見直しも行われると認識しています。

 先ほど中期財政フレームと申し上げましたが、この方針によって大津市は相当多額な負担を令和2年度に決定することになるのではないでしょうか。ですので、私は前任期から申し上げていますが、運営費負担金、また財政運営に対する責務をしっかりと計画的に果たしていく必要があるのではないかということを終始一貫して申し上げてきたつもりです。 病院に対して経営努力を求めていただくことは重要です。しかしながら、何度も読まれているので紹介するまでもないと思いますが、地方独立行政法人法の第3条は、業務の公共性と透明性及び自主性ということを定めています。地方独立行政法人の事務及び事業の特性並びに地方独立行政法人の業務運営における自主性は、十分に配慮されなければならないというふうに法律が定めています。このことを踏まえて、改めて答弁を求めます。

 

答弁:市長

1点目の理事長の任命について、透明性を確保しつつそれを踏まえてどのように任命をしたかということでございます。議員御指摘のとおり、この法律においては、透明性を確保しつつ適任と認める者を任命するため必要な措置を講じるよう努めなければならないということで、努力義務として定められています。そういった中で、今回は前理事長の退任から時間がなかった中で、この新理事長の選任に努めてまいりました。増田理事長については、市の職員として実績を残された方であるということで、一定の実績というのを公に説明できるということでは一定の透明性が確保できているというふうに考えています。その点が、2点目に御質問いただいた大局を見据えたということについての理由であります。先ほど申し上げたのは、大局を見据えた交渉力というふうに申し上げました。これは、具体的には増田理事長が市の職員であったときに環境部長として、またその前から環境部の職員として大津市のごみ処理施設を3施設から2施設にすると、また民間活力を活用するという非常に大きな改革の中で、その改革に取り組まれた。そして、交渉力というふうに申し上げましたのは、そういった中で地域の皆さんの理解を得るために何度も地域の方とお話し合いを重ねた上で、そのような大きな改革をなされたということを意味しております。

 

答弁:総務部長

 まず、公営企業の繰り出し基準と交付税の算入ということの相関関係であります。公営企業の繰り出し基準があるというのは、議員御紹介いただいたとおりでありまして、その中には一定の繰り出しに対しては交付税の措置がされるというところもございます。また、繰り出し基準そのものが非常に概括的といいますか、包括的といいますか、そういったことで実際には各自治体の判断に委ねられているという場合が多い。そういう中で、今回、大津市においては交付税の額を繰り出し基準としたということであります。

 

それから、2点目の短期借入金の限度額を超えることは今後もないのかということであります。これについては、限度額が20億円である以上、今後、病院の経営状態に合わせてしっかりとした支援が必要かというふうには考えております。ただ、病院の計画あるいは経営改善に向けた努力について、それをしっかり見極めた上で財政指標にしていくべきというふうに考えております。

 

 それから、3点目の抑止策ということで、運営負担金がその病院の経営の抑止策になっているかということであろうかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、交付税が一定の運営負担金の判断の基準になっておりますので、そういった病院の経営の抑止策というふうになっているものと認識しております。

 

 それから、債務超過につきましてではございますが、まずもって債務超過について、債務超過の以前に不良債務のお話がございましたが、短期借り入れが19億円、そして引当金から約4億円、この解消にまずもって努めなければならないというふうに認識しております。その上で、債務超過については、議員おっしゃったように第1期計画中に解消しなければ次期計画の、またあるいは市民病院の運営自体に大きな影響を及ぼすおそれから、そういったことを踏まえてしっかりと今後協議を重ねていきたいというふうに考えております。

 

再々質問

 総務部長にお伺いします。相関関係を見出されておられるのですが、大津市独自の判断としてされているのでしょうか。それを妥当と判断されている理由をお聞きいたします。

 

答弁:総務部長

 先ほど申しましたとおり、地方公営企業の繰出金については一定の公営企業の繰り出し基準がございます。その中に一般会計からこの基本的な考え方に沿って繰り出しを行ったときは、その一部について、地方交付税等において考慮するものと記載されております。そういったことから、これを根拠といたしまして地方交付税の額を運営負担金の根拠としているものでございます。

 

再々々質問

 それがわからないのですよ。なぜですかね。今の大津市の答弁で申し上げると、普通交付税ありきじゃないですか。自治体病院として大津市は地方独立行政法人に、大津市自らの判断で中期目標を掲げて移行いただいているわけですよね。24億円という上限値を定めていく中で、議会にも認識を共有いただいているところです。この点を踏まえて、改めて見解を求めてこの項の質問を終わります。

 

答弁:総務部長

 運営負担金の考え方については、実際のところ各自治体に委ねられているというのが現状でございます。当然、基本は公営企業の繰り出し基準がベースになりますが、最低限必要な金額として地方交付税に算入されている額というふうに認識しております。

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