市民病院が公立病院としての使命を果たすために大津市が担うべき役割について( R1. 9)

質問

1点目、運営費負担金のあり方について。令和元年度9月補正予算案に地方独立行政法人市立大津市民病院(以下、大津市民病院)に対する運営費負担金12億7,200万円が追加計上されました。先の6月通常会議、運営費負担金の増額を求める予算の組み替え動議が予算決算常任委員会で可決されたことを踏まえ、大津市長は7月中に示される予定であった経営改善計画における今年度の見通しを見極めたうえ、あらためて9月補正予算で追加計上する方針を示されましたが、7月26日に開催された市民病院理事会終了後、市が想定した経営改善計画ではないことを理由として、このままでは補正予算を編成することは出来ないとの意向を自ら示されました。

現在作成中の経営改善計画の取り組み期間は大津市議会が議決した第1期中期計画の終期を超え、令和3年度末までとなっていますが、経営改善計画としての正当性と実効性を大津市長はどのように評価されているのか。そして、公言されたとおり、経営改善計画における今年度の見通しを適切に見極めたうえで運営費負担金を追加補正されたのか、それとも、中期計画に基づく今年度の上限額24億円を算定根拠とされたのか、9月補正予算額の決定に至るまでの経過とあわせて見解を求めます。
 
私は、市長が出席された議会運営委員会や6月補正予算に対する反対討論において、経営改善計画の作成期間が短いことを指摘いたしましたが、大津市長は当該予算議案を大津市議会に提案した時点において、計上された運営費負担金では9月の元利償還で資金ショートすることを理事会での議論を通じて認識されていました。当初予算編成時における運営費負担金の算定根拠については、基準財政需要額を踏まえ、地方交付税措置の対象となる金額をあらかじめ中期財政フレームに反映させたものであり、6月補正予算における追加補正についてもこの方針を踏まえたものでした。
 
私は、中期計画において、短期借入金の限度額が20億円と定められていることを踏まえ、令和元年度における資金繰りを見込んだ補正額となりえているのか、6月通常会議において、質疑一般質問を行いました。大津市からの答弁は、当初予算への計上内容に精査を加えたものであり、今年度末までに短期借入金が限度額を超過しないために行う資金支援ではなく、その上で、現在の法人の運営状況を踏まえた、今年度末までに必要な資金の手当てについては、法人からのさらなる経営改善に向けた提案を求めるとともに、その提案内容と改善効果に照らしながら、検討していくといったものでした。その後、大津市長は私が提出した運営費負担金の増額を求める予算の組み替え動議が予算決算常任委員会で可決されたことを契機として、市民病院の短期借入金への対応を含め、本年度の運営費の一部に充てるために必要な金額を運営費負担金として計上し、改めて補正予算案を市議会に提出する意向が示されました。9月補正予算案において追加計上された運営費負担金は12億7,200万円ですが、この金額は6月補正予算の編成に際し、大津市民病院が保健所に要求した額14億4,800万円から措置された1億7,600万円を差し引いた金額であることを大津市長は重く受け止めるべきと考えます。
 
6月通常会議において、今年度、さらなる追加補正を行う必要のない規模で9月に補正を行うとする方針を示すに至った経緯を大津市長はどのように評価しているのか。予算議案提出時点において、9月の元利償還で資金ショートすることが見込まれる補正額であったにも関わらず、その事実を市議会に説明されなかった理由とあわせて見解を求めます。

 

2点目、医療機能の現状と経営上の課題に対する評価について。令和元年度9月補正予算案には、第2期中期目標の策定を支援するための委託費が次年度までの債務負担行為として設定されています。現中期目標の前文には、市民病院と同じ大津保健医療圏域に同等規模以上の病院が存在していること及び圏域を越えて患者が流出していることを踏まえるとともに、経営状況を念頭に置いた上で、今後、市民病院は、圏域において担っていく役割及び果たすべき機能を見極め、地域の医療機関との機能分化を図り、連携を強化し、地域医療支援病院として適切な医療サービスの提供に努めなければならないと記されています。このことは、2期目となる中期目標を策定するうえにおいても留意すべきことであり、滋賀県地域医療構想を含む滋賀県保健医療計画やおおつ保健医療プランを踏まえ、大津市民病院が担うべき急性期、回復期、慢性期などの医療機能をあらためて見極めていく必要があります。
 
公的医療機関や民間医療機関との機能分化を図り、連携を強化し、地域医療支援病院として適切な医療サービスを提供することは、公立病院である大津市民病院の責務です。大津市長は大津市民病院における医療機能の現状と経営上の課題をどのように評価し、次期中期目標の策定に取り組まれようとしているのか。大津圏域地域医療構想調整会議における検討経過ならびに債務超過と不良債務の解消に向けた方針とあわせて見解を求めます。

 

答弁:市長

1項目めの運営費負担金のあり方についてのうち、1点目の経営改善計画としての正当性と実効性をどのように評価しているのかについてでありますが、法人が中期計画を達成するために計画の目標値と実績値の乖離を改善するためのものであり、正当性があるものと認識しております。実効性に関しては、今後内容を見極めていかなければならず、現段階では評価できません。
 
次に、9月補正予算額の決定に至るまでの経緯についてですが、法人から示された経営改善に向けた提案には、さらに収支改善に効果的な取り組みや取り組みに基づく財政的効果を組み入れる必要があり、補正予算の取りまとめまでに計画として整理するには至りませんでした。したがって、その内容については、現時点では評価できず、今回は短期借入金への対応をも含め、認可中期計画での上限額である24億円となるよう補正予算として計上することといたしました。
 
2点目のさらなる追加補正を行う必要のない規模で9月に補正を行う方針を示すに至った経緯とその評価についてでありますが、当初予算を措置した段階で単に収支不足を補う関係に陥っては市民に説明責任が果たせないことから、市民病院に対して経営改善を求めていくこととしておりました。法人に対し経営改善計画の策定を求めていることは、市民への説明責任を果たしながら運営費負担金の規模を適正な水準にするために欠かすことのできない取り組みであると考えています。
 
次に、9月の元利償還で資金ショートすることが見込まれることを市議会に説明しなかった理由につきましては、法人の資金の見積もりについては一定の幅があり、どのように落ちつくかの見極めが必要であり、市としては資金ショートすると見込んでいたわけではないからです。結果としても、現時点において法人の9月期は短期借入金の限度額を超過するとは見込まれていません。
 
2項目めの市民病院における医療機能の現状と経営上の課題に対する評価についてでありますが、少子・高齢化社会の進展や市内に同等規模以上の病院が存在していることもあり、市民病院の患者数は年々減少しています。経営状況については、地方独立行政法人化以降、過去の実績からは改善しつつあるものの、さらなる改善が必要であると考えています。中期目標を策定するに当たっては、滋賀県地域医療構想によると、高齢化に伴って大津圏域では病床機能報告上、高度急性期機能は過剰である一方で、回復期機能は不足しているといった状況になるとされていることを十分に踏まえる必要があります。このような中で、県が設置する大津圏域地域医療構想調整会議においては、圏域の病床機能分化や連携、目指すべき医療提供体制の実現の施策等について協議されています。国や県の方針、計画を踏まえつつ、法人が圏域で果たすべき病床機能や医療提供体制について法人や滋賀県とも協議し、検討してまいります。
また、債務超過と不良債務の解消に向けた方針については、市民病院から提出される予定の経営改善計画などを踏まえて検討してまいります。

 

再質問

1点目、運営費負担金のあり方について。経営改善計画の正当性については、実効性について、まだわからないとの趣旨で答弁されたと理解いたしました。かねてから申し上げていますが、中期計画そのものが病院の再建計画という形で位置づけられています。先ほど申し上げましたが、この経営改善計画なる計画は、2期目の中期目標、ひいては中期計画に影響を及ぼす期間も取り組み期間となっています。経営改善計画は正当性があると答弁されましたが、先ほど、市長の最後の答弁で、債務超過と不良債務については、経営改善計画を見極めた上でとおっしゃっておられているのですが、逆ではないでしょうか。まずもって大津市長が法令に基づいてしっかり中期目標を示していただく、その過程において示していただかないと、実効性は担保されるわけがないと思います。改めてこの点見解を求めます。

2点目です。運営費負担金、そもそもの考え方についてです。大津市民病院に対して経営改善を求められる姿勢というのは、市長として当然のものだとも思いますし、一般会計からの運営費負担金は少ない方が市民理解も得やすいということでしょう。けれども、「運営費負担金」なんですよ。本来、大津市が負担すべき予算を市民病院に執行されていると私は認識しております。そもそもですが、当初予算の段階で病院側はおよそ22億円を要求されて、保健所はその査定をされて15億円を市長に要求されています。にも関わらず、結果として9億5,200万円しか措置されなかった。その方針については、先ほど来申し上げているとおりです。結果として6月に大津市が示した当初予算の前提に基づいてしか補正ができておらず、私がこのような質疑を今現在するに至っております。

そのことを改めて振り返っていただき、次年度予算の編成に当たっていただかないと、市民に対して説明責任を果たされたことにならないと考えます。そもそも、議会で、また委員会で予算の組み替え動議が可決され、市長が議会運営委員会に出席されて、結果として間に合いませんでしたという経緯でありましたが、改めて補正予算を組みますということを6月の審査時点でおっしゃられていること自体が正常でないと危惧をし、この質問をさせていただきますので、改めて見解を求めます。

 

最後、医療機能についてです。先ほど調整会議の話をさせていただき、県の担うべき役割についても答弁いただきました。私が危惧いたしますのは、この医療機能のあり方が2期中期目標を策定するに当たって、また病院が中期計画を策定いただくに当たって、しっかりと大津市の方針が示されないことには、2期目の中期計画をつくっていただいてもまた同じように経営改善計画を市長として求めていただかなければならない、そのようなことがあってはならないと考えます。今、非常に大事な時期だと思いますので、この点改めて伺って終わらせていただきます。

 

答弁:市長 

1点目の中期計画や目標と債務超過や不良債務との関係で、こういった債務超過や不良債務については中期目標に示されるべきではないか、逆ではないかという御質問であります。現時点においてこの1期目の中期目標というのは既に決まっておりまして、中期目標に従って中期計画が決まっております。そういった中で、先ほども申し上げましたけれども、その中期目標を達成するために経営改善計画があります。ですので、今既に定まっている1期の中期目標の期間の中では、この定められた期間の中でどのように改善をしていけるかということを見極めた上で債務超過や不良債務について検討していきたいというふうに思っております。

 

2点目の今年度に入ってからの当初予算また6月補正そして今回の補正、そういったことを振り返ったときの評価ということだというふうに思います。先ほども、またこれまでからも申し上げておりますけれども、市民病院と市の関係において、収支不足を補うような関係にあってはならないと。市民に対する説明責任を果たしていかなければならないということから、このような予算編成になったというふうに理解をしております。

また、来年度につきましては、今後病院から経営改善計画が提出をされますので、それをしっかりと見極めた上で、来年度は年度途中で補正が要らない規模で当初予算を組みたいというふうに考えています。

 

3点目の今後第2期の中期目標、中期計画について、そういった医療構想を踏まえた市の考え方がしっかり病院に示された上でつくらないといけないのではないかという御趣旨の御質問だと思います。これについては、まさに御指摘のとおりで、大津市がまず中期目標をつくるということになっています。ですので、その中で大津市としては国全体の方針や県の医療計画、そこで定められたことをしっかり大津市の中期目標に盛り込んだ上で、その中期目標に従って病院が中期計画をつくることになるというふうに理解しております。

 

 

再々質問

今の答弁内容を踏まえますと、地方独立行政法人法の趣旨に基づいて大津市長は設立団体の長として市民病院に対して中期計画の見直しを求められるべきではないのかなと思います。それが本来あるべきではないか、というふうに思いますが、この点いかがですか。

 

 

答弁:市長

これについては、現在、既に定めている中期計画を達成するために経営改善計画を病院に求めています。ですので、現時点では中期計画を見直すのではなくて、病院には中期計画を達成すると、そのために経営改善計画を作成するということを求めております。

 

 

 

再々々質問

法令の趣旨は、地方独立行政法人の自主性というものを、主体性というものを踏まえて大津市は、開設団体は、市長は関与すべきであるというふうに私は法令で定められているという認識をしております。先ほど来、繰り返し申し上げていますが、経営改善計画の審査はしておらず、令和3年度の取り組みも含まれます。ですので、債務超過や不良債務の解消に向けた方針というものがしっかりと示されない限り、全く何も担保されないわけです。であるにも関わらず、そうした経営改善計画に基づいて市長は来年度の予算を、とおっしゃられますが、矛盾すると思います。毎年度、中期計画に基づいて年度の計画を公表いただいておりますが、実態と全く合わない。公表された意義すら感じない。その点、踏まえて改めて中期計画見直しを求められる考えがないのか、改めて見解を求めます。

 

答弁:市長 

中期計画に基づいて毎年度公表されている1年ごとの計画が実態と合わなく意味がなさなくなっているのではないかと。その点を踏まえてもう一度ということでございます。こちらについては、中期計画3年目に入りまして、これまでの期間でも例えば収益が中期計画と合ってないというずれがあります。しかし、それを解消するために、まずは中期計画を達成するためにしっかりと経営改善計画を立てて行っていくべきであるというふうに考えております。ですので、まずは経営改善計画を立てて、現在の中期計画を達成するように努力していくべきだと考えております。

 

 

再々々々質問

経営改善計画を立てなければならない中期計画というものがそもそも想定されるのか否かということを私問うているつもりです。改めて見解求めます。

 

答弁:市長 

経営改善計画を立てなければならない中期計画が、そういうものがよいのかという御質問であります。中期計画を定めたのは、計画の定まる前の期間ですけれども、その時点ではさまざまなその時点での病院の経営状況なども調査した上でこの中期計画、中期目標に従って定めていますので、そこについては一定定めた時点ではしっかりとした根拠があるものでありますし、それに従ってこの中期計画の期間中は行動すべきものというふうに考えております。

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