大津港周辺のにぎわい創出に向けた取り組みについて( R5. 3)

質問

国においては昨年末、地域の交流拠点となっている港湾緑地の老朽化、魅力的低下に対応するため、民間活力を最大限活かして緑地の再整備等、魅力向上を推進するための制度として、港湾環境整備計画制度を創設しました。国土交通省が公表している資料によると、港湾管理者、民間事業者、利用者のメリットは以下のとおりとなっています。

 

(港湾管理者)

・民間資金を活用することで、緑地等の整備、管理にかかる財政負担が軽減される

・民間の創意工夫も取り入れた整備、管理により、緑地等のサービスレベルが向上する
 
(民間事業者)

・緑地内に飲食店や売店等の収益施設を長期間安定的に設置できる

・港湾空間を活用して自らが設置する収益施設と合った緑地等を一体的に整備することで、収益の向上にもつながる質の高い空間を形成できる
 
(利用者)

・飲食施設の充実など利用者向けサービスが充実する

  • ・老朽化し、質が低下した施設の更新が進み、緑地等の利便性、快適性、安全性が高まる

 

都市公園法に基づくPark-PFI制度と大きく異なる点は、収益施設の建ぺい率が用途地域の一般的な規制に準じるという点です。ちなみに、Park-PFI制度においては、都市公園における2%の建ぺい率が10%緩和され、上限12%とされています。比較をすると大幅な緩和であり、事業期間においても賃貸借により概ね30年以内とされています。これらのことを踏まえ、以下2点質問を行います。

 

1点目、港湾環境整備計画制度の活用について。令和5年度新年度予算案には大津港周辺のにぎわい創出に向けた検討業務委託料が措置されています。対象となるエリアは琵琶湖ホテルの琵琶湖側に位置する大津港修景緑地と説明を受けていますが、この度、国によって創設された港湾環境整備計画制度の活用を視野に入れての検討なのでしょうか。港湾法に基づく手続きは港湾管理者が実施することになると理解していますが、これまでの間、滋賀県とはどのような方針のもとで協議を行われてきたのか。当該エリアのにぎわいを創出するにあたり、滋賀県と大津市が担うべき役割の分担とあわせて答弁を求めます。

 
また、港湾環境整備計画制度の活用を視野に入れておられないのであれば、どの様な前提のもとで当該エリアの活性化を検討していくつもりなのか、答弁を求めます。
 

 

 
2点目、業務委託の目的と検証内容について。大津市はこれまでの議会答弁において、浜大津周辺は魅力的な都市空間を形成し、恒常的なにぎわいを創出する都心エリアであることから、陸上、湖上交通の結節点である立地特性を最大限に生かし、本市の新たなゲートウェイとなるよう取組を進めていく必要があるとの見解を示されてきました。現在、大津港周辺においては、令和9年度の開館に向けて、県立琵琶湖文化館後継施設の整備が進められており、また、次年度には琵琶湖疏水船延伸便実証運行が計画されています。なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのさらなる推進とあいまって、さらなるにぎわいが創出されることに期待をするものです。
 
琵琶湖を臨む修景緑地エリアを対象として、にぎわいの創出に向けた検討を進めていただくことには賛同するものですが、何を目的として、どの様な検証を実施されようとしているのか。必要となる委託料に港湾管理者である滋賀県の予算が含まれていない理由と措置された予算の根拠とあわせて答弁を求めます。

答弁:都市計画部長

1点目の港湾環境整備計画制度の活用についてでありますが、本市では、大津湖岸なぎさ公園及びその周辺の魅力とにぎわい創出を目的に、令和2年9月から、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトを立ち上げ、大津湖岸なぎさ公園と連続する大津港においても、琵琶湖文化館後継施設の誘致や大津港サイクルステーションの整備、SLOW OTSU(スロウオオツ)における官民連携事業など、様々な取り組みを展開してまいりました。
一方で、大津港公共港湾施設の修景緑地等では、イベントに火気の使用が認められないなどの制約もあり、港湾管理者である滋賀県と、大津港公共港湾施設の規制緩和に係る協議を継続的に進めてきたところ、今般、滋賀県において規制の一部を緩和されるなど、さらなる利活用の推進に向けた環境が整備されたところであります。
 
これを受けて、本市といたしましては、市民や観光客が気軽に憩うことができ、より恒常的なにぎわいの創出に向け、港湾施設において社会実験を実施し、その結果を滋賀県と共有するとともに、今後さらなる利活用に向けたあり方を一緒に見いだしていきたいと考えております。なお、議員お述べの港湾環境整備計画制度については、今後研究をしてまいります。
 
次に、2点目の業務委託の目的と検証内容についてでありますが、本業務は大津港公共港湾施設の修景緑地等を中心としたエリアにおいて、今後の継続的な利活用にあたっての課題等の整理を行い、当該エリア周辺に求められる機能等を検討することを目的として、遊ぶ、集うなどのテーマに沿った港湾空間の形成及び利活用に向けた社会実験に係る経費などを計上しております。
なお、事業実施に当たりましては、大津港公共港湾施設の規制の一部が緩和されたことから、まずは、本市において費用負担を行い、社会実験を実施していきたいと考えており、この結果を踏まえ、今後の取り組みにおいて、県が果たす役割についても協議を進めてまいりたいと考えております。 

再質問 

1点目の、港湾環境整備計画制度の活用についてです。これから、研究されていかれるとのことでした。全く視野に入れられてないんでしょうか。まず、この点確、確認させてください。

 
2点目、業務委託の目的と検証内容についてです。遊ぶ、集うということをテーマにされ、社会実験を行われるとのことでした。予算の説明資料によりますと、大津港周辺のにぎわい創出に向けた検討業務委託料として、1,800万円計上されています。どういった課題認識を共有され、どういったビジョンを持って、この委託料の執行にあたられていかれるのか。まだ理解がしきれていません。これまで様々なイベントや事業を官民連携のもとで当該エリア、また、なぎさ公園においては実施をされてきました。成果については、大津市におかれても実感もされておられるでしょうし、一定、課題も認識をされておられることかと。火気の使用が緩和されたとの実情もお話しいただきましたが、1,800万円、どういった効果を期待されて執行されるのか、詳しく答弁いただけないでしょうか。

答弁:都市計画部長 

1点目、港湾環境整備事業についてであります。議員お述べの港湾環境整備計画制度、定義は地域のにぎわいの創出を図るため、民間資金を活用してP-PFI同様の枠組みで、良好な港湾空間の形成を図る、いわばPPPとして官民連携を目指すものでございます。一方滋賀県におかれましては、みなとオアシスの登録に向けた取り組みとして、港湾が憩いとにぎわいの場として、多様な利活用ができるよう、官民連携で利活用が促進できるルールづくりやネットワークづくりなどを具体的に考えられているものでありまして、来年度、社会実験をする中で、港湾環境整備計画制度についても、港湾管理者としての滋賀県がこの社会実験の中で検討していくことの可能性も十分あるということで認識はしております。
 
2点目の1,800万の根拠とビジョンについてでありますが、今回の社会実験につきましては、現在のところ遊ぶ、集う、くつろぐ等のテーマに沿ったイベントの開催や遊具やファーニチャー等の設置のほか、夜間照明やカフェスタンドなど、市民や観光客が気軽に憩えるための継続的な社会実験を実施してまいりたいというふうに考えておりまして、そして、これらの社会実験の成果をもって、今後の修景緑地等の継続的な利活用や求められる機能等について、滋賀県と協議したいというふうな趣旨でございます。なお、委託料1,800万の根拠につきましては、遊ぶ、集う、くつろぐ等をテーマとした社会実験の実施経費として約1,400万。事業効果等の分析や効果検証に要する経費として約400万円を見込んでおりまして、業者見積り等を参考に積算を行ってみたものでございます。

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