環境美化センターにおける清掃作業等手当ての支給実態について( H24. 6)

質 問 (支給の根拠について)

 大津市技能労務職員の給与に関する規則によると、特殊勤務手当のうち、清掃作業等手当を支給する者の範囲は、不法投棄対策課または環境美化センターに勤務し、廃棄物の収集、運搬、処分等で特に困難な清掃作業に従事する職員と定められている。しかしながら、支給実績のあった環境美化センターについて、平成24年4月分の収集作業日報及び特殊勤務手当実績簿をもとに調査を行ったところ、美化清掃を含めたすべての収集、運搬作業が特に困難な清掃作業と位置づけられ、14名の環境整備員に対して計19万6,960円の清掃作業等手当が支給されていた。特殊勤務手当に関する条例及び規則については、平成18年4月に抜本的な改正がなされ、清掃作業手当についても、名称と支給対象業務の見直しが行われた。社会情勢の変化及び業務内容または業務を取り巻く環境の変化を踏まえたものであったと理解をしているが、大津市は何を根拠として環境美化センターにおけるすべての収集、運搬作業を清掃作業等手当の支給対象業務としているのかを問う。

答弁:総務部長

  環境美化センターの環境整備員は、家庭から排出される大型ごみを主として、引っ越しごみや自治会清掃によるごみ、環境美化活動によるごみ等の収集、運搬業務に従事している。具体的には、家庭から出るたんす等の家具、じゅうたん、冷蔵庫などの大型の重量物、水分を含んだ寝具類やペットのし尿がしみ込んだマットなど不衛生な廃棄物など、さらには自治会による道路清掃や公園の除草等のごみを直接手作業で車両に積み込んでいることから、基本的には危険、不衛生、不快な業務に従事していると認識している。さらに、大型ごみ等を破砕、圧縮しながらパッカー車へ積み込む作業は、肉体的にも大きな負担で、金属片やプラスチック破片等の飛散による危険性も有しており、またダンプやパッカー車などの車両は、その構造上、普通の乗用車とは異なり、道幅の狭い住宅街での走行には相当の注意力と集中力が必要であること、また道路上の作業は、通行人や通過車両に細心の注意を払いながら短時間での作業完了が求められることなど、精神面での疲労も少なくない。このように基本的に廃棄物の清掃運搬業務が、只今申し上げたような精神的、肉体的負担を伴うものであることから、当該業務に3時間以上従事した場合については、業務全体を特に困難な清掃作業と位置づけ、大津市技能労務職員の給与に関する規則に基づき、特殊勤務手当を支給しているところである。

再 問

 私が今質問をしたのは、大津市の定めるところというのは、あくまでも本来の業務があって、その中でも特に困難な清掃作業についてはその手当の対象とするとされているという理解をしている。事実そうだと考えている。にも関わらず、すべての収集、運搬作業がその対象となっていたわけであるが、本来は区分をされて支給をされるべきだというように思う。そうでなかったら何らかの根拠に基づいて執行されていたのかなというように理解するが、その点を踏まえてもう一度ご答弁願う。

答弁:総務部長

 先ほど申し上げたように、そういった清掃業務においては、基本的にそういう不快な部分であったり、健康上の不健康な部分であったり、あるいは危険性が伴うというようなことを考えて、特に困難な清掃作業という位置づけを行い、特殊勤務手当に相当するという認定を行ってきた。ただ、議員が述べるように、すべて一律にそういうような判定でいいのかというところについては、一定そこは問題は残るかなというようには思っている。


質 問 (同一業務における待遇の違いについて)

  大津市職員の特殊勤務手当に関する条例及び大津市職員の特殊勤務手当に関する条例施行規則によると、一般職員が廃棄物の収集、運搬、処分等で特に困難な清掃作業に従事した場合、勤務時間が5時間以上のときは800円、5時間未満のときは480円が清掃作業等手当として支給されることになっている。また、環境美化センターに勤務する環境整備員が同じ作業に従事した場合には、大津市技能労務職員の給与に関する規則により、3時間以上5時間未満勤務した場合には600円、5時間以上勤務した場合には1,000円がそれぞれ日額で支給され、清掃用車両の運転を伴う場合には、時間に関係なくそれぞれの区分で1割が加算されることになっているが、嘱託職員にこの規則は適用されない。一般職員、技能労務職員、嘱託職員、市民にとってはすべて大津市の職員であり、条例や規則に定められた同じ業務を行っているにも関わらず待遇が異なることに違和感を覚える。大津市はこの現状をどのように評価しているのか。

答弁:総務部長

  当該手当の支給額の差については、技能労務職員が家庭ごみを中心に専ら廃棄物の運搬等の清掃作業に従事するのに対して、一般職の職員は美化センター内における機械設備の点検整備のために行う清掃作業やその他臨時的または業務の一部として補助的に従事することを想定しているためである。しかしながら、一般職及び技能労務職の当該手当に係る条例や規則の文言が同じであることについては、今後別に基準を示すなど、運用面で改善をしていきたいと考えている。嘱託職員については、美化センターの業務の中でも散在性ごみの収集など簡易な清掃作業を中心に、年齢等を考慮した比較的肉体的負担の少ない業務を分担している。このようにそれぞれ職種ごとに異なる業務に従事していることから、手当に差を設けているところである。


質 問 (本来業務との区別について)

  平成23年11月定例会において、車両基地の不適切な使用が明らかとなって以降、環境美化センターにおいては、内部統制の強化に努めてこられた。このうち清掃作業等手当については、従事する時間によって支給金額が異なることから、施設管理者は清掃用車両の出発時刻と帰着時刻をビデオの録画画像で確認され、収集作業日報に記載された時刻に誤りがある場合には修正を行っている。技能労務職員を対象とした特殊勤務手当については、大津市現業労働組合との間で締結された給与、勤務時間等に関する協約に基づき支給されていると認識しているが、すべての収集、運搬作業が特に困難な清掃作業とされ、特殊勤務手当の支給対象業務となっている実態は、本来業務との区別が前提となっている大津市技能労務職員の給与に関する規則に見合っていないものと判断される。 環境美化センターにおいては、大型ごみの排出支援業務など、市民サービスのさらなる拡充に向けた検討が進められており、清掃作業等手当のあり方についても、これを機に見直すべきと考えるが、本市の見解を問う。

答弁:総務部長

  美化センターのごみ収集作業のすべてが手当の支給対象となるのかとの指摘については、業務の委託化が進み、年々職員が取り扱うごみの内容が変化する中で、手当の支給対象となる業務に関し、その都度精査してきたとは言えず、従来どおり作業した時間区分によって手当を支給してきた。このことから、今後は手当を支給すべき対象業務の見直しを行うため、清掃作業の実態を調査し、その上で支給対象とすべき業務に関する運用基準を作成し、適切な運用に努めていきたいと考えている。

再 問

  基準等について改めて検討いただけるという答弁であったが、いつまでの期間、どういった目処で取り組んでいかれるつもりなのか。

答弁:総務部長

 どのケースが特殊勤務手当に相当するような不快、危険、不健康な状態の業務であるかと、こういうことを一律にきちっと表現することは非常に困難かと思うが、それをどういうようなテクニックで定めていくかということには少し時間を要するかなと思う。他都市の例もあるし、そういったことを参考にもしながら検討をさせていただきたいと思う。できるだけ速やかにさせていただきたいと思うが、現在いつまでということは申し上げることができない。

再々問

 速やかにという答えではあるが、やはり一定の目処は必要かなというように考える。部長で答えがいただけないのであれば、ほかに答えていただける方に答弁を求める。

答弁:再再問

  検討のほうは速やかにさせていただく。またしかし、これは組合との協議事項でもあるので、そういった手続も経なければならないので、早ければ来年度には改正できるような形で頑張らせていただきたいと思う。

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