大津市企業局の経営基盤強化に向けた取り組みについて( H29. 6)

質 問

 外部委員から成る大津市ガス事業の在り方検討委員会においては、これまで2回の委員会を開催され、ガス小売事業、一般ガス導管事業の全てを今までどおり公営で行うことは困難であり、民の力を一部でも取り入れていくほうがよいなどとする方向性を見出されました。このことを受け、大津市企業局においては、パートナー事業者と共同出資による官民連携出資会社を設立し、この法人に公共施設等運営権、いわゆるコンセッション方式を設定した上、ガス事業を行わせるために必要な支援を専門的な観点から受けるため、ガス事業における官民連携手法導入等に関するアドバイザリー業務の発注に向けた事務手続を開始されることになったと認識しています。しかしながら、大津市企業局が官民連携会社の設立を想定して行った経営シミュレーションにおいては、大規模工場などに代表される年間使用契約量10万以上の大口需要家の契約切り替え、以下スイッチングと申し上げます。契約切り替え動向によって多分に覆るおそれがあると危惧を抱くものです。平成28年度実績においては、大津市企業局の年間ガス販売量約1億6,900万m³のうち、100万m³以上の施設12社が占める割合は約66%、2,000万m³を超える上位3施設に限って言えば、約55%、年間売り上げにおいては約34%を占める結果となっています。電力販売等の新規事業をガスとセット展開することにより、大口需要家によるスイッチングを一定抑制する効果を否定するものではありませんが、官民連携出資会社の設立によって年間1,000万m³から500万m³へ低減する効果としては乏しいと判断するものです。
 出資比率のあり方については、今後の検討課題であると認識していますが、そもそも全面自由化のもと、経営環境に不確定要素が多いガス事業において、官民協働出資会社の設立によるコンセッション方式の採用が市民にとって本当に最適な選択となり得るのか、また水道、下水道事業の将来を見据え、大津市企業局の経営基盤強化につながるのか、経営戦略に当たる、大津市ガス事業中長期経営計画を見直した上、十分に見極める必要があると考えます。
 今年度から平成40年度までの12年間を計画期間とする現計画においては、家庭用におけるスイッチングは一定見込まれているものの、大口需要家については全く想定されていません。年間使用契約量10万m³以上については、平成19年から小売の自由化は始まっており、長年にわたって契約の切り替えはなかったものの、昨年から今年にかけて、契約の更新に至らなかった施設が複数あったと認識しています。契約の更新時期を迎える大口需要家、その中でも特に年間契約量100万m³以上のいわゆる超大口需要家との契約更新は予断を許さない状況にありますが、大津市企業局は今後どういった方針のもとで、大津市ガス事業中長期経営計画の見直しを行い、その実効性を高めていかれるつもりなのか。
 また、コンセッション実施方針に関する議案の提出を本年11月通常会議に予定されていますが、官民連携出資会社の経営シミュレーションについては、損益分岐とスイッチング率との関係をできるだけ明確にする必要があります。ガスの小売全面自由化を踏まえた三つの視点、「お客様よし」、「地域よし」、「官よし」の3方よしの実現は、大津市企業局の安定した経営基盤があってこそ可能であり、黒字経営を前提とした、官民連携出資会社設立ありきの検討に限定されるべきではないと考え、企業局の見解を伺います。

公営企業管理者

 まずはじめに、今後どういった方針のもとで大津市ガス事業中長期経営計画の見直しを行い、その実効性を高めていくつもりなのかについてでありますが、昨年度に策定した大津市ガス事業中長期経営計画は、平成29年4月からのガス小売全面自由化による新規参入事業者の動向が不透明だったことから、この影響として、平成40年度までにガスの年間使用契約量が100万m³未満の需要家において、10%がスイッチングするものと仮定し、需要想定を行いました。しかしながら、平成29年4月1日以降、年間10万m³以上の大口需要家のスイッチングが発生しており、営業面の強化など、対策を図っているところでありますが、今後も価格競争がますます厳しくなると予測しております。
 当計画では、大きな事業環境の変化等に対して、その都度見直し、検討を行うこととしていることから、本年度はこれらの状況を踏まえ、需要想定の見直しを進めるとともに、適宜、実効性のある計画となるよう、見直してまいりたいと考えております。

 次に、2点目の経営シミュレーションについてと官民連携出資会社設立ありきの検討に限定されるべきではないことについてでありますが、議員お述べのとおり、公共施設等運営権設定に関する実施方針について、本年11月通常会議に関係議案を提出する予定としておりますが、この実施方針の策定過程において、スイッチングによる需要状況を複数想定した上で経営シミュレーションを行ってまいります。また、損益分岐点とスイッチングとの関係性を検証しながら進めてまいります。いずれにいたしましても、これらのシミュレーションにより得た結果につきましては、市議会や「大津市ガス事業の在り方検討委員会」に説明し、最適な事業手法が選択できるよう努めてまいります。

再 問

 需要のあり方といいますか、想定を見直されるという答弁でした。非常に重要なことでして、卸単価が大幅に変わることによって、改めての検討が必要となる事態も生じてくるわけです。改めてお伺いをいたします。
 コンセッション実施方針に関する議案、11月通常会議に提出を予定されていると認識していますが、どういった判断の根拠をもって、議案の提出を見極められるのか、その点改めて質問します。

公営企業管理者

 大口の需要家のスイッチングによる影響、その部分を今度の新構想についての判断材料にいつするかということと、それについての判断材料をということですけれども、まず一つは大口需要家のスイッチングにつきましては、今後どのような見込みになるか我々も想定がつきません。先ほども御答弁させていただきましたけれども、概ね10万m³以上の大口需要家につきましては52社ございます。そのうち三十数件が今年度契約更新の対象となっておりますので、その部分の三十数件の件数の中でどれぐらいスイッチングされるかということを、一つは先ほど申し上げました損益分岐点との関連性をしっかりと検証する必要があると申し上げましたけれども、一つはまずは全てがスイッチングされるというパターンはつくる必要があるかと思います。はたまた、それが50%、20%、30%と、その中で我々が経営している中で赤字に食い込むラインというものをしっかりと組み込む必要があります。しかしながら、その52社のうち三十数社、どれぐらい切り替わりするかというのがわかりませんし、なおかつ、その事業者によっては利益率が多少異なってきますので、その部分はある程度一定の利益率をアベレージ化させて、平均化させていただく中で損益分岐をつくっていきたいと考えております。

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