大津市観光交流基本計画アクションプランの推進について( H25. 2)

質 問

 1点目、観光資源の発掘、創出と整備、活用のうち、食の発掘と活用について。市長マニフェストにおいて、土産物コンテストなどで大津市の名物、お土産を創出すると掲げられたが、それがなぜ食をテーマにした土産を一堂に会しPRする事業に変更となったのか。また、地産地消の取り組みやイベントを通じて新たに開発された大津市独自の食についてもPRするとしているが、大津市独自の食とは誰がどのようにして開発するものなのか。当該事業は、市民、事業者、団体、行政の4者による協働で実施されることになっているが、よほど効果的にPRしないと、期待する成果は得られないと考え、本市の見解を伺う。

 2点目、まちの個性を生かした新たな魅力づくりのうち、まち歩き観光の推進について。街並み博物館通りの活用については、後期計画においても引き続き主な推進事業に位置づけられ、平成25年度からの事業実施を目指して、まちに生きるミュージアム創生事業が企画されたが、必要となる予算の計上には至っていない。主な推進事業に位置づけられているまちなか交流館や大津祭曳山展示館については、大津市街並み博物館条例によって街並み博物館と位置づけられ、街並み博物館の目的を達成するために必要な事業を行うことが条例で定められているが、指定管理者に求める成果は明確になっていない。平成25年度からは、第2期大津市中心市街地活性化基本計画に基づく事業が実施される予定となっているが、街並み博物館通りの位置づけはいまだに定まっておらず、何ら反映もされていない。
 今年度、大津市は、まち並みの資源を生かした事業に取り組むため、商店街などとの協議を進められているが、まちに生きるミュージアム創造事業を実施することによって何を目指そうとされたのか、必要な予算を計上するに至らなかった理由とあわせて伺う。

 3点目、情報発信力の強化のうち、IT活用の推進について。平成25年度においては、旅ブログによる観光情報発信に取り組むとしているが、大津市の観光資源の魅力をブログにて発信いただける方を全国から募集しなければならない理由は何であるのか、期待する効果を踏まえて見解を伺う。

 4点目、同じく情報発信力の強化のうち、観光事業者の情報提供、相談機能の強化について。現在、大津市は、京阪三条駅構内において、滋賀県緊急雇用創出特別推進事業補助金の交付を受けて、観光案内所を開設している。平成25年度においても、重点分野雇用創出事業及び震災等緊急雇用対策事業の適用を受けて継続するとしているが、利用者全体の内訳で見ると、大津の観光に関してあらかじめ想定された問い合わせを受けた割合はおよそ1割程度であり、職員を配置することの意義について再検討が必要ではないか。大津市は、主な実施主体として行政のほかに団体を想定しているが、本来あるべき維持管理、運営のあり方をどのように考えているのか、見解を伺う。 


答弁:産業観光部長

 食の発掘と活用についてのうち、なぜ土産物コンテストから食をテーマに土産を一堂に会しPRする事業に変更となったかについては、物産関係団体等とコンテスト実施について協議をしてきた結果、商品を順位づけることに対して、現段階では事業者の御協力を得ることが困難であると判断し、アクションプランの重点施策にある実現可能な別の手法により名物お土産の創出を始めることとした。また、大津独自の食とは誰がどのようにして開発するものなのかについては、豊かな自然を生かした湖魚のつくだ煮や、歴史文化が育んだ伝統あるそばなどの日本食、あられやらくがんなどの和菓子、さらには本市で開催されるB級グルメバトルなどの食のイベントにおいて創意工夫して新たに開発される商品などが大津独自の食であると考えており、これらの活用を進めてまいりたい。 なお、当該事業の実施に当っては、効果的にPRすることが不可欠であり、集客性のあるイベントと時期を合わせて開催する予定だが、将来的には四者協働による土産物コンテストの開催、名物お土産の創出へと段階的につなげてまいりたい。

 次に、まち歩き観光の推進について、まちに生きるミュージアム創生事業の目指したものと予算については、まちに生きるミュージアム創生事業は、商店街の活性化と、歴史的、文化的施設が集積した街並み博物館通りの魅力をPRすることを目的に企画したものであり、具体的には、商店街の店主が保存されている古いお宝や写真を商店街に展示すること、また歴史博物館にも関連する展示を行い、商店街から大津絵の民芸品店や三井寺を経て歴史博物館に至るまでの通りを周遊していただくことを主な内容としている。なお、この事業の経費については、市の予算の枠の中で個々の事業を総合的に精査した結果、措置することができなかったものである。

 次に、大津の観光資源の魅力をブログにて発信していただける方を全国から募集しなければならない理由については、本年度に実施した調査の結果から、遠方より本市へ来訪する機会を創出するため、本市を訪問いただく新たなきっかけづくりが必要であると考えている。また、最近の旅行情報を収集する手段としてはインターネットが最も多いという結果から、本市においてはIT活用を推進することとしており、その一つとしてブログを活用するものであり、観光資源の魅力を広く効果的に発信できるものと考えている。なお、本事業を実施することにより、ブログによる情報発信によるものに限らず、来訪された方々による家族や知人への口コミ等の手段についても本市への来訪のきっかけとなると考えている。

 次に、京阪三条駅構内に昨年10月末から開設している観光案内所の維持管理、運営のあり方については、当案内所はこれまでに約1万6,000人の方に御利用いただいてるところであり、その利用状況については、利用時間帯や曜日を含めて数値の把握に努めているところであり、当案内所のあり方については、1年を通して開設する中で、利用状況をもとに検討をしてまいりたい。なお、これまでの利用状況から、開設日時や職員の配置などの柔軟な対応については、民間の発想を取り入れることも検討すべきと考えている。 

再 問

 大津独自の食とは誰がどのようにして開発するものなのかという質問については、将来的に四者協働で取り組んでいきたい、またそういった成果を見出していきたいとの答弁であったが、事業実施はもう目前に迫っており、予算審査にも影響するので、もう少し踏み込んで答弁いただきたい。

 2点目、街並み博物館通りについて、市の予算を精査していく中で総合的に判断したとのことだが、街並み博物館通りについては相当な回数をこの場で議論をし、この街並み博物館通りの課題について一定認識は共有されている。
 平成25年度実施においては、予算づけしないとのことだが、指定管理者の施設運営にも、アクションプランの推進にも影響すると認識しているし、結果として地域の方や、商店街の方々の思いに水を差すようなことがあっては絶対にならないと私は考える。予算はないとのことだが、どういった形で目的、目標に向かって進めていくのか、詳細に答弁いただきたい。

 3点目、IT活用の推進については、平成25年度予算案の主要事業ということだが、(仮称)ブロガーによる観光情報発信という事業名について、予算が120万5,000円を計上されている。事業の概要として、大津の観光資源の魅力をブログにて発信いただける方を全国から募集し、大津の観光資源を周遊する魅力的なコースをめぐっていただき、滞在中の旅行記をブログにて公開していただく事業であり、観光情報発信力を強化する手段としてブログを活用し、大津の豊かな自然や歴史、文化などの魅力を全国に発信することにより、大津の知名度の向上につなげる、とある。ブロガーについては10名程度を募集する予定であり、観光ツアーを実施後、ブログを公開していただくものとある。
 私は、市民の皆様からお納めをいただいた貴重な税金120万円以上を、どういった成果が見込めるかわからない、単にブログにて旅行いただいた方に対して一定額のお支払いをして情報発信をする、こうした事業に予算を計上されたことに対しては、まだ説明責任を果たされていないと考える。そもそも10名程度を募集するということだが、多くの方に情報を発信いただくのであれば、わざわざ全国から募集しなくても、こうした形で情報を発信いただける方はおられると思う。全国から募集することもないし10名に限定することでもないはず。
 もっと多くの方に情報を発信いただいて、本来目的とするところの大津の知名度を向上させるためブログを活用した情報発信力の強化を図るということは達成されると思うが、なぜ全国から10名程度募集して、こうした事業に取り組む意義があると考えられるのか、あわせて見解を伺う。
 
 最後4点目、京阪三条駅構内の観光案内所については、本来あるべき維持管理、運営のあり方についての考えを訊ねているので、その点を踏まえて再度見解を伺う。 

答弁:産業観光部長

 食の発掘と活用について、今後の具体的に踏み込んだ展開についての御質問だが、事業者の方々あるいは諸団体の方々ともう一度胸襟を開いて話し合いをするところから始めるのが適切ではないかと、今はそのように考える。

 2点目は、平成25年度の予算がなかったことについてだが、例えば街並み博物館通り計画というのは、崇高な計画で、大津にふさわしいまちづくりの一つのあり方であると、またこの言葉を残すことにも一つ意義があると思う。実際に大津はこれまでもこの街並み博物館通り計画に関して30億円以上のハード物に対する投資をしてきた。一方で、それだけでその街並み博物館通り計画が達成できるかというと、そうではなく、やはり地域の皆さんの例えば歴史的な資源と資源をつなぐような、このまち並みに、そこにお住まいの方がいらっしゃって、そのお住まいの方それぞれが地域の認識あるいは気運を、お金のあるなしに関わらず、規模の大小に関わらず、あるいはいろんなイベントの機会を捉えてやっていけるのではないかというふうに考えている。

 次に、ITブログ発信がなぜ全国から10名程度に限定をしたのかということだが、遠方の方の目線でのブログを発信するということは、さらにより広く全国に本市を知っていただく、あるいは本市の魅力をそれぞれの地域の視点で知っていただくという観点で重要だと思う。

 それから、京阪三条における案内所のあり方については、市外の観光案内所設置は、御承知のように初めてあり、体制として、常時2名の職員を配置して案内所を開設したが、市が直接実施主体となって試験的に通年するのに最大というか十分な2名という配員とした。ただ、これは震災等の緊急雇用対策事業の補助を受けたものであり、必要なときに必要な人員を張りつけるといったフレキシブルな対応が出来なかった。当案内所の運営については、平成25年度の経験を通して検討してまいりたい。 

再々問

 IT活用についてだが、それぞれの地域の視点に立った情報を発信いただくという答弁だったが、大津には他府県からの転入者も多い。私は、そういった方々に対して大津の魅力をより知っていただき、生活者としての視点も交えながら、より多くの方に情報を発信いただくということも、目的の達成に資する取り組みでないかと感じるし、旅行に伴う多額の予算を支払って、一回の旅行で情報の発信をいただいて終わりではなくて、食であったり、また伝統の工芸品であったりとか、そういったものに対して、より身近に感じていただけるようなことも一つ手法として有効ではないかと感じている。そういったことも含めて、全国から広く募集して、10名程度に限定して旅行に来ていただいて、それについて一定額のお支払いをして情報の発信をされるという以外に方法はないと考えてこの予算を計上されたのか、重ねて伺う。 

答弁:産業観光部長

 それ以外に手法はないとは考えてはいないが、今後のITの活用、私どもが目指している観光の情報の発信について強化していくという視点に立って、一つの選択肢であったと考える。

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