小売全面自由化を見据えた公営ガス事業の経営戦略について( H28. 2)

質 問

 大津市が公営で行うガス事業については、水道、下水道事業と一体的に経営の効率化が図られており、西日本において比較した場合においても、各家庭に安価な料金でガスが供給されています。経営主体のあり方については、目市長、越両市長のもとで継続的に検討が行われ、民営化を実施した場合においては、事業譲渡益や内部留保金を他の施策に活用できる半面、料金が値上げされる可能性が否定できないこと、またガス事業に携わる職員の処遇の問題や地域経済、雇用に与える影響などから、早急に民営化を進めるべきでないとの結論が出されています。

 平成28年4月からは都市ガスに先行して電気の小売全面自由化が開始されます。ガス自由化対策準備室が中心となって国やエネルギー事業者の動向を調査され、新年度予算においても支援業務の委託に伴う予算が計上されていますが、公営ガス事業者として経営の可能性を展望するには情報が不足しているのが実情であると認識しています。安定した経営基盤のもと、これからも安価な料金で市民にガスを供給するためには、一般施策と整合性を保つこととあわせ、平成29年度からの都市ガス小売全面自由化を見据えた経営戦略が必要となることから、以下4点の質問を行います。

 1点目、水道事業との一体経営による相乗効果について。
 大津市企業局においては、組織マネジメントの観点から、事故や災害などの緊急時における意思決定の一元化及び技術交流を図ることを目的として、平成27年度から水道部とガス部を統合され、新たに水道ガス部を設置されました。経営の効率化や経費削減に資する効果も期待されての機構改革であったと理解していますが、組織統合による相乗効果の成果とさらなる可能性について見解を伺います。

 2点目、家庭用需要の開発に向けた取り組みについて。
 今年度末をもって廃止することが決定している大津市企業局ガスショールーム、キットココについては、大津市ガス事業中期経営計画において販売促進活動の営業拠点に位置づけられています。役割を終えたことを廃止の理由とされていますが、大津市企業局は今後どういった方針のもとで家庭用需要の開発に取り組んでいかれるつもりなのか。

 3点目、ガスショールームの廃止が一般施策に与える影響について。
 キットココ内に設置されているクッキングサロン彩菜庵については、多世代にわたる食育の推進に資する施設であり、大津市企業局においても大津市食育推進計画庁内推進委員会を構成する一員となっています。共同事業を推進する上においても活用が図られてきたものと認識していますが、どういった経緯、経過をもってガスショールームを廃止されると決定されたのか。また、大津市企業局が占有する一角のおよそ半分は大津市の持ち分ですが、今後の利活用について方針を決定された上での判断であったのか、見解を伺います。

 4点目、次期大津市ガス事業中期経営計画の策定について。
 現経営計画の実施期間が平成28年度で終わりを迎えることから、次期経営計画については家庭向けの都市ガス小売完全自由化に対応するものとして策定されなければなりません。地方自治法や公営企業法、独占禁止法などさまざまな法的制約がある中で、大津市企業局は実効性のある経営計画をどういった展望に基づき策定していかれるつもりなのか。一部民間事業者においては、電気との組み合わせを図ることによって顧客を獲得する方針を明らかにされるなど、ガス事業を取り巻く経営環境は激変の時代を迎えようとしています。現計画の後継計画ではあるものの、外部の視点をも交えながら経営の可能性を追求されるべきと考え、見解を伺います。 

答弁:公営企業管理者

  小売全面自由化を見据えた公営ガス事業の経営戦略についての御質問のうち、1点目の水道事業との一体経営による相乗効果についてでありますが、企業局では、組織統合以前から水道管及びガス管の工事について可能な限り共同して発注し、経費の削減に努めてまいりました。
 今年度は水道部とガス部の組織統合により、事故や災害などの緊急時における意思決定を一元化するとともに、両事業に関連する案件を一括して検討する水道ガス調整会議を立ち上げ、事務の効率化と情報の共有化を図りました。このことにより、マルチ職員の育成においても、水道とガスを一体的に考える意識づけが図れるなどの成果もあらわれてまいりました。また、職員の技術力を向上させるため、水道及びガス技術者間において資格の相互取得に努めているところであります。さらに、今年度企業局経営改革プロジェクト会議においては、業務統合による連携の強化と効率化に向けて検討し、水道とガスの工事部門の一元化などに関わる課題について整理を行いました。
 今後は、両事業の技術に精通するマルチ職員の育成や経費の縮減など、より一層一体経営による相乗効果が図れるよう努めてまいります。

 次に、2点目の家庭用需要の開発に向けた取り組みについてでありますが、インターネットによる商品流通が進展するなど、ガス火訴求を目的としたガスショールームキットココを取り巻く環境は大きく変化をしてきました。今後はお客様に選ばれるガス事業者を目指して、電力、ガスの自由化が進む中、現行の営業スタイルからお客様に直接に働き掛ける営業スタイルへと変わっていく必要があると考えております。具体的には、ターゲットを絞った訪問営業による顧客の囲い込み、機器販売店やハウスメーカーとの連携によるガス販売量の確保、さらにはお客様のニーズに即した料金メニューの開発など、ガスの小売全面自由化の動向に合わせ、家庭用需要開発に取り組んでまいります。

 次に、3点目のガスショールームの廃止が一般施策に与える影響についてのうち、ガスショールーム廃止の経緯、経過についてでありますが、先に答弁いたしましたとおり、キットココはガス火訴求を目的とした施設でありますが、商品流通やキットココを取り巻く環境の変化を受け、経営判断の結果、閉館を決断したところでございます。
 ショールーム内の彩菜庵については、食育推進や市民活動にも活用されてきたことを踏まえ、企業局として今後の利活用を関係団体にも働き掛けてきたところですが、決定には至らなかったものです。

 続いて、企業局が占有する区画のおよそ半分は大津市の持ち分であるが、今後の利活用について方針を決定された上での判断であったのかについてでありますが、先に答弁いたしましたとおり、経営判断の結果、市長部局に対し、こうした利活用に関する働き掛けの結果も説明した上で、ショールーム廃止の意向を示したものです。

 次に、4点目の次期大津市ガス事業中期経営計画の策定についてでありますが、平成29年4月からのガス小売全面自由化により、お客様自身が料金やサービスなどを比較してガス事業者を選択できる制度となるため、事業経営を取り巻く環境はますます厳しくなることが予想されます。こうしたことから、先の湖誠会の御質問においても答弁いたしましたように、ガスシステム改革の制度設計が進んでいる中、その動向に注視しつつ、お客様のニーズに即した料金体系や付加サービスなど、外部の視点も交えながら最適な事業運営方法につきまして現在検討しているところでございます。この検討結果を受けて次期経営計画に反映してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、経営環境の変化に適切に対応しながら、これからもガス事業者の使命である安全で安定したガスの供給とお客様サービスの向上により一層努めてまいります。 

再 問

 2点目の家庭用需要の開発に向けた取り組みについて伺います。管理者おっしゃるように、もともとこのキットココの開設された目的というのは、確かにガス火の訴求ですよ。ただ、そのガス火の訴求を目的とした施設を大津市企業局は、質問でも申し上げさせていただきましたが、中期経営計画において販売促進活動の営業拠点に位置づけられてきたわけですよね。ましてや、まだこの平成27年度、平成28年度というのはこの計画の期間内なわけであります。
 私の事務所に先日、閉館感謝祭のチラシが入っていました。読ませていただきますと、大津市企業局の新たな挑戦、キットココからの旅立ちということで御挨拶を書かれていました。料金メニュー等の検討もしていくということですし、直接働き掛けるような営業スタイルとおっしゃっていますが、それを来年度からやっていただくに当たっては、正直心もとない。ましてや、料金メニューの検討ということについても、情報が不足していると思います。ですので、特に来年度、どういった方針のもとで開発に取り組んでいくのかということについて、もう少し意気込み等も踏まえてお聞かせください。

 次、4点目の次期大津市ガス事業中期経営計画の策定について伺います。質問の中で、外部の視点を交えながら経営の可能性を追求されることも視野に入れられたらどうだということを提言申し上げました。計上されています新年度の予算におきまして、ガスの全面小売自由化を見据えていく中で、支援を受けられる予算も措置されていますけれどもね、ぜひともこの中期経営計画をよりよいものにしていくためにも、外部の視点をしっかり交えていただきたいと考えますが、この点改めてお伺いをさせていただきます。 

答弁:公営企業管理者

 まず、キットココのガス火訴求に関してですが、確かに平成18年開設当時、料理教室も年間約1,700人近い人が来ていただきました。ところが、平成26年度260人前後であるということで、かなり維持することにお金がかかっています。
 その他に例えば我々がガスを供給していただいている大阪ガス、その他の市についても聞いていますが、常時開設はやめましたと、施設を維持して要求があったときだけ使ってもらいますとか、その他本当にクローズしましたとか色々なのがあるので、料理教室がかなり儲けているという状況ではないように思っています。私どももクローズするにあたって色んな民間の料理教室、全国レベルの教室にも声をかけたり、色んなところをやりました。使っていただけませんかということで。ただ、どこもやっぱり快い返事はもらえませんでした。 ということで、かなりのお金を今までつぎ込んでいますので、9年近く。ですからできれば続けたいというのは、今でも僕も個人的には思っています。

 ただ、これからガスの自由化を控えてどういう金が必要になってくるか分からないという状況においては、やはり、あまり効果の出ないお金というのは使うべきじゃないというふうに考えまして、最終的に、経営判断と申し上げましたけれども、やめざるを得ないということに至ったわけでございます。 
 それから、もう一つの質問の中期経営計画、外部の視点を云々ですけれども、これもまだ正直言いまして国のほうから各論が全て出されているわけではございません。さっきも申し上げましたように、導管事業と小売事業に分かれます。その時に導管事業に関してはまだ託送料という大きなファクターが発表になっていません。ということで、これがない限り僕らも最終的な戦略、戦術というのは立てづらいというふうに考えております。
 したがって、ここでもちろん、今まで料金のシミュレーションとか色々やっていますが、ここで言うことは僕らの手の内を明かすということにもなりますので、ちょっと詳しい説明はここでは控えさせていただきたいと思います。 

再再問

 管理者、私、平成28年度、どういう形で需要開発に取り組んでいかれるつもりですかということを伺っているのでお答えください。 

答弁:公営企業管理者

 ガスの中期計画、平成28年、確かに議員のおっしゃるとおりなのですが、次期経営計画につきましては、今いろいろと検討しております。まず、家庭向けについては、これは今我々のガスが一番安いので即入ってくることはないと考えています。というのは託送料を二重払いして、さらに我々の現状の安いガスの下をくぐるということは、かなり新規の入ってくる業者にとっての負担となりますので、そういうこともすぐには起こらないのかなということで、色々なケースを想定しています。

 それから、さっき言いましたように料金も色々なシミュレーションをやっています。ただ、それがもうちょっと国のほうがはっきりしてこないと、言うことでそれが一人歩きすると困るということなので、この辺はぜひ企業局を信頼して頂いて、いろんなことをやって決して出遅れてないというふうに僕は自信を持って言えますので、今日のところはそういうことで、ちょっと何だ、はっきりした答えじゃないなと思われるかも分かりませんけれども、まだちょっといえない部分もありますので、今日はこの辺でということにしていただきたいと思います。 

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