近代化産業遺産を活用した観光交流の創出について( H21. 6)

質 問

 平成19年11月、経済産業省は、「近代化産業遺産群が紡ぎ出す先人達の物語」と題し、近代化産業遺産群33を発表した。これは地域活性化に役立てることを目的とし、産業史や地域史のストーリーを軸に、相互に関連する複数の遺産により構成される近代化産業遺産を取りまとめたもので、大津市に所在する遺産も登録されている。具体的には、外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業創成期の歩みを物語る近代化産業遺産群として旧琵琶湖ホテルが、京都における産業の近代化の歩みを物語る琵琶湖疏水などの近代化産業遺産群として琵琶湖疏水第1トンネル西口などが登録をされ、平成21年2月に取りまとめがなされた続編においては、山岳・海峡を克服し、全国鉄道網形成に貢献したトンネル建設等の歩みを物語る近代化産業遺産群として旧逢坂山隧道(東口)が新たに登録をされた。



 旧琵琶湖ホテルはびわ湖大津館として、また琵琶湖疏水界隈は桜の名所として知られているが、明治13年に竣工した旧逢坂山トンネルの認知度はまだまだ低く、平成20年3月にJR西日本が案内看板の取りかえ、周辺の整地を施工されるも、用地入り口には鎖がかけられ、来訪者が自由に近づける状態になっていない。 



 昨年度末、本市においては、観光交流の基本的な施策や推進体制を定めた大津市観光交流基本計画を策定され、観光入込客数などの目標値を掲げられたが、大津市に所在する近代化産業遺産はこの達成に寄与するものであり、特に旧逢坂山トンネルは、新たな観光交流の創出につながる観光資源としてその価値を見直す必要があると考える。

 このトンネルは、日本人の技術者、技能者が主体となって設計、施工を行ったわが国最初の山岳トンネルであり、竣工を記念して、時の太政大臣三条実美公が揮毫した扁額を入り口上部に見ることができる。



 日本の技術史上大きな意義を持つトンネルとして、昭和35年に鉄道記念物にも指定をされ、今年の2月下旬から4月上旬にかけて京都の梅小路蒸気機関車館で開催された鉄道の足跡をたどる資料展においても、入り口のメーンパネルで写真が紹介され、鉄道ファンをはじめとする多くの来訪者でにぎわっていた。

 大津市は先に策定された大津市観光基本計画を踏まえ、今後、旧逢坂山トンネルをはじめとする近代化産業遺産を観光資源としてどのように活用していくのか。見解を問う。

 また、淀川改良事業の要としてつくられた戦前最大のれんが可動堰である旧南郷洗堰や、近代砂防の象徴的な存在として知られるオランダ堰堤は、ともに土木学会選奨土木遺産にも認定をされているが、本市は観光資源としての価値をどのように認識をされているのか。周辺のロケーションからも、新たな観光交流の創出につながるものと考え、見解を問う。



答弁:産業観光部長

 近代化産業遺産を活用した観光交流の創出については、地域の個性的な資源を生かしたテーマ性の高い着地型観光が注目されている今日、近代化産業遺産は従来の枠にとらわれない新たな「大津型ツーリズム」を生み出していくに当たり、重要な観光資源になると考えている。平成20年度に策定した大津市観光交流基本計画にも全体施策の一つ、まちの個性を生かした新たな魅力づくりの中に、産業観光の推進を取り上げており、旧逢坂山トンネルも対象となる観光資源であると考えている。

 基本計画には、産業観光の推進という施策までを記載しており、今年度にアクションプランを策定するべく、現在、観光戦略意見交換会議等において、幅広い分野に関わる方々からの御意見を伺っているところであり、今後具体的な事業選択を進めていく予定となっている。

 また、旧南郷洗堰、オランダ堰堤についても、地域魅力の再発見につながる財産であり、観光交流推進の視点においても、多様化するニーズに応えることのできる価値のある観光資源であると認識している。

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