将来都市像の実現に向けた庁内組織のあり方について( H28. 11)

質 問

 1点目、大津市都市計画マスタープランの進行管理体制について。大津市においては、平成29年度より大津市都市計画マスタープランに係る業務を都市計画部から政策調整部に移管させる方針を明らかにされました。政策調整部内での一貫した指示系統のもとで、計画行政を推進することで、大津市総合計画、大津市国土利用計画と連動させ、効果的な進行管理を図ると説明を受けています。
 過日開催された大津市都市計画審議会において、立地適正化計画、歴史的風致維持向上計画、地域公共交通網形成計画、地域公共交通再編実施計画の策定に向けた方針を改めて確認しましたが、都市計画法に基づく大津市都市計画マスタープランは、これら計画の背骨になるものです。都市計画及び交通政策に関する事務、すなわち都市再生特別措置法や地域公共交通活性化再生法、歴史まちづくり法に基づく、これら個別の計画を所管するのは建設部との統合によって新たに設置される未来まちづくり部となりますが、都市計画行政の円滑な運営を図るために設置されている都市計画審議会の庶務だけを同部において処理することに違和感を覚えます。
 そもそも、個別の計画による成果が相乗効果を生み出してこそ、次期大津市総合計画基本構想で掲げられる将来都市像、「ひと、自然、歴史の縁で織りなす住み続けたいまち“大津再生”」の実現は可能となります。大津市都市計画マスタープランの進行管理を大津市総合計画、同国土利用計画と一体的に行ったとしても、これが実現しなければ意味がありません。
 多極ネットワーク型コンパクトシティの実現を目指すのであれば、大津市庁議規定に基づく庁議をより効果的に機能させることが求められますが、政策調整会議においては、設置目的に見合った役割が果たされていないと評価するものです。
 大津市長は、政策調整部における現状の総合調整機能をどのように評価され、このたびの組織改編に臨まれたのか、市長の見解を求めます。

 2点目、全庁挙げて取り組む公共施設マネジメントシステムの構築について。平成28年8月31日、大津市主催にて公共施設等官民連携地域プラットホーム設立に向けたシンポジウムが開催されました。大津市版地域プラットホームの意義等、公共施設マネジメントの取り組みを踏まえた官民連携の可能性をテーマとした対談においては、民間の参画意欲を高めることの重要性などについて意見が交わされ、近江商人の経営哲学とも言うべき、三方よしにちなんだ、インフラ三方よし、官よし、民よし、市民よしという考え方は、三者協働によるまちづくりを推進する上においても重要であると感じました。持続可能な都市経営を実現する上においても、地域プラットホームが効果的に機能することに期待をするものですが、全庁挙げて公共施設マネジメントに取り組むのであれば、庁内組織についても、これに見合う形で抜本的に見直す必要があると考えます。
 現在、公共施設の整備及び維持管理については、所管するそれぞれの課や室において行われていますが、施設の複合化を積極的に図るのであれば、執行部内における責任と権限をより明確にすべきです。建築課や施設整備課についても、従来の枠組みを超え、将来的には組織そのものを再編すべきと考えますが、まずは、過去の施設整備において複合化が図られなかった要因を分析され、効率的かつ効果的な情報の生かし方について検証されてはと提言するものです。
 市民参加のもとで開催された公共施設の地域別あり方検討会による議論を具現化することにもつながると考え、本市の見解を求めます。 

答弁:市長

 将来都市像の実現に向けた庁内組織のあり方のうち、大津市都市計画マスタープランの進行管理体制についてでありますが、大津市の組織における総合調整機能の現状については、大津市総合計画を所管する政策調整部企画調整課において、各部局の事業の進行管理の調整を柱に進めております。
 現在の総合調整機能の評価については、政策調整部においては市の最上位計画である総合計画の策定や国土利用計画の策定、土地利用問題協議会の運営などを所掌しており、これら事務の推進において2役調整や各部局からの意見の掌握、調整を図っています。今回の機構改革は、政策調整部、都市計画部及び建設部のそれぞれが担当するまちづくりに関する事務の分掌を見直し、ハード事業の一本化とまちづくりのハードとソフトの一本化による総合的事業の推進並びにまちづくり関連計画の一本化と推進力の向上を図ろうとするものであり、これらまちづくりに係る3部を政策調整部と未来まちづくり部に再編するものです。
 この機構改革を契機に、次期大津市総合計画基本構想で描かれる将来都市像実現に向け、政策調整部において総合計画や国土利用計画に加え、都市計画マスタープランの進行管理を行い、部局間の連携と調整を進め、個別計画の成果が相乗効果を生み出していけるように取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、全庁挙げて取り組む公共施設マネジメントシステムの構築についてでありますが、過去の公共施設整備において、市民センターや北部地域文化センター等のように複合化したものもありますが、人口が増加し、新たな公共施設が建設された時代においては、将来の人口減少や公共施設の老朽化を見据えた公共施設のマネジメントという考え方自体が全庁的に共有されていなかったと考えています。
 そこで、人口減少や公共施設の老朽化が急激に進む今後30年の状況を踏まえ、総合的に公共施設の状況を把握するため、平成24年に公共施設白書を作成しました。また、組織体制についても、取り組みの進捗状況に合わせ、平成25年度に公共施設マネジメント推進室を設置し、平成26年度には技術職員の配置を、平成27年度には全庁横断的に情報を共有し、取り組みの推進を図るため、私自身が本部長を務める大津市公共施設マネジメント推進本部を設置し、段階的に整備を進めてきました。
 このように、本市では、他都市に先駆けて公共施設白書を作成し、公共施設マネジメント推進課を設けることで、各部の所管する公共施設の情報を集約してきました。今後は、公共施設の地域別あり方検討会における市民の皆様の議論も踏まえ、それぞれの公共施設の情報をより効率的かつ効果的に共有し、部局を超えた施設の複合化の検討など、全庁挙げて公共施設のマネジメントにさらに取り組むために、議員お述べの従来の枠組みを超えた機構の見直しも有効な方法の一つであると考えており、平成30年度に向けて組織体制を検討してまいりたいと考えています。 

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