堅田駅西口土地区画整理事業における保留地処分について( H21. 11)

質 問

 先日開催された第100回大津市都市計画審議会において、事業区域内における地区計画が原案のとおり可決され、大津市長に答申された。隣接する春日山公園と調和を図るとともに、当地区における住環境の保全と緑豊かな市街地を形成することを目標とするもので、良好でゆとりのある戸建て専用住宅を主体とした地区とすることを土地利用の方針としている。地区計画というのは地権者の理解が得られなければ実現しないものであり、大津市の支援のもと、このまちを風格あるまちにしようとする思いが実った結果であり、記念すべき100回目の都市計画審議会にふさわしい議案であったと評価している。

 保留地処分は大津市が果たすべき責務であり、雄琴駅周辺土地区画整理事業の反省も踏まえ、専門家から販売手法等の提案を受けたと伺っているが、北部の玄関口にふさわしい風格のあるまちを形成しようとするならば、どのような形でその提案を生かしていくつもりなのか、見解を問う。

答弁:都市計画部長

 堅田駅西口土地区画整理事業における保留地処分についてのうち、専門家からの販売手法等についての提案を、北部の玄関口にふさわしい風格あるまちを形成するに当たりどのように生かすのかについて。保留地販売計画策定の議論の中でも、専門家から、市場における競争力を高めるため、堅田駅西口地区の立地上の利点をアピールするとともに、まちのグレードを高めることが大切であるとの指摘をいただいている。

 区画整理事業では、道路や公園などの整備を通じて良好な住環境をつくり出すことが大切で、さらに重要なのは、住みたくなるあるいは住み続けたくなるまちとしての整備であり、そのためには、例えば公園などの整備に当たり、権利者や地域の若い人たちとともに話し合い、一緒に考えることで、そのまちへの愛情を培い、そのような協働のまちづくりの積み上げが住民に愛されるまちを実現することにつながるものと考えている。今後は、販売計画に基づき、戦略的に保留地を売却するとともに、堅田駅西口のよりよいまちづくりを進めたい。

再問

 パンフレットを見ても何のコンセプトも伝わってこない。ホームページでもPRをされているが、そのまちに住んだらどういう暮らしが待っているとか、大津市がこのまちをどうしようとしているとか、全く伝わってこない。十分承知いただいていると思うが、堅田の保留地というのは一団地型の保留地ではなくて、いわゆる散在型の保留地である。現在の厳しい不動産の需給動向を考えると、この場所ならではの付加価値をつけなければならず、そうでなかったら風格のあるまちは形成されないと考える。

 例えば大阪の箕面市においては、水と緑の健康都市特定土地区画整理事業というような形で実施されて、多世代共生、環境共生、地域共生、こういったものをまちづくりのテーマとされて、世代を超えてだれもがいきいきと暮らせるニュータウンの実現を高らかに掲げられて、目指しておられる。

 何が一番大事かというと、そのまちに住みたい、その保留地を買ってみたいと思う方が、直観的にまちづくりの概念を理解されなければ、この場所を選んでいただけないと思う。大変厳しい経済状況の事業を推進されるに当たり、もう少し具体的に答弁をいただきたい。 

答弁:都市計画部長

 まちづくりのコンセプトがないという指摘であったが、大伴黒主という有名な歌人が詠まれた桜の古木がある。これは大伴桜といって、地元の方が非常に大切にしておられるが、その大伴桜を上手に、大事に使った公園にしてほしいとの声を聞いている。例えば、あそこにはものすごく長い歴史がある、そして後ろには春日山公園という古墳などがあり、非常に大切な山がある。それからしばらく行けば、里山も広がり、琵琶湖のほうには古いまち並みもある。そういった歴史と自然環境に包まれた非常に豊かなところであるという誇りを地域の皆さんお持ちで、権利者も当然お持ちである。

 そういった権利者の皆さんのお心に応えられるようなコンセプトをつくりたいと思っている。だから、キャッチフレーズとして簡単に水と緑というのではなしに、権利者の皆さんが思っていること、例えば桜であったり公園であったり、鳥の声が聞こえることであったり、そういったことを十分把握して、販売促進計画の中にもうたい込みたい、あるいはそれを理解してもらって、ここに住んでよかったなと思えるまちをつくりたい。例えば地域の方々は、今、関西電力さんの高圧線があるが、これを何とか地下にしてほしいと。そのことによって、景観上も全然変わるし、圧迫感もなくなる。区画整理事業をやるときはぜひともしてほしいと言われていた。これも地域の強い思いである。こういう景観をつくってほしい、あるいは、便利なだけではなしに、豊かな景観や自然も大事にしてほしいという声もあり、それを十分酌みあげた上での販売をしていきたいと考えている。

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